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世田谷さんぽ ハロー編

 自由が丘から帰ってきた直後に、隣駅の田園調布に用事ができた。
 わたしのことであるから、「用事」などとぼかしたところで「美術館かお寺」と相場が決まっている。今回は前者。気になる美術展が見つかったのだ。
 こういったとき、とんぼ返りの直行直帰とはせず、「ついで」も重視してあれこれプランニングすることが、お出かけや旅の欠くべからざる愉しみとなっている。
 はてどうしようか。

 「田園調布に用事」というのは、みぞえ画廊の「いのくまさんとマチス先生」。猪熊弦一郎と、彼が敬愛し画風のうえでも大きな影響を受けたアンリ・マティスを取り合わせた展覧会だ。

 よい機会なので、お隣の自由が丘で「モンブラン」のモンブランをいただきたいところ。

 月曜日だけれど、どちらも営業中と確認。これでひとまず、短い点と点がつながった。

 もう少し時間がとれる。
 月曜開館で、動線上も違和感がないというハードルがありながら、最適な場所があった。駒澤大学禅文化歴史博物館。大学博物館は月曜開館・土日休みのところも多く、狙い目である。
 こちらでは「書でたどる良寛の足跡」が開催中。
 前後期をかよいとおした永青文庫の良寛展の記憶も新しいなか、また良寛が観たくなっていたところだ。

 ※駒沢大学駅まで来たならば、ほんとうは向井潤吉も観ていきたいのだけれど、こちらは月曜日休館。

 駒沢大学駅と自由が丘・田園調布は同じ世田谷区内で、直線距離としても近い。
 電車を使えば大回りになる。それでもまあいいやと思っていたのだが……以前にスマホに入れたアプリの存在に思い至った。
 その名も「ハローサイクリング」。

 当日の天気は晴れ。駒沢大学駅前や、自由が丘周辺にも借りて返せる施設があるようだ。
 自転車が利用できれば、駒沢大学駅から駒澤大学禅文化歴史博物館~オリンピック公園~自由が丘のモンブラン~みぞえ画廊までが直線距離でつながるではないか。
 入れっぱなしで使っていなかったが、そんなわけで今回はじめて「ハロー」してみることにした。(つづく)


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