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セブ島のとあるガイドの働き方(セブ市/フィリピン)

セブ島市内を観光するために、私たち夫婦は完全プライベート&オーダーメイドの運転手付き一日ガイドツアーを申し込んだ。

ガイドをしてくれたのは、40代ぐらいの明るいフィリピン人女性だった。

彼女の「ガイドスタイル」はとにかくフレンドリー&フリーダムだ。



「一緒に写真を撮りましょう」

旅の序盤、そういって彼女は自分のバッグからスマホを取り出した。ツアーガイドから記念撮影を求められるのは初めてだ。もちろん快諾した。

私がリクエストしていたコスメショップに寄ったときには、彼女は自分の気になるコスメのテスターをいろいろと試していた。また別の店で私たち夫婦が買い物していたときには、顔見知りなのか、店員となにやら楽しそうに談笑していた。おかげで待たせていることを気にせず買い物ができた。


急きょ立ち寄った闘鶏場では

「あなた賭けてみたら?勝負強いなら私も乗っかるわよ?」

とやる気満々だった。仕事なんて関係あったものじゃない。けっきょく賭けはしなかったが、生のチキンファイトに3人で興奮した。



夕食を食べたレストランではちょっとびっくり。

会計を手伝ってくれたガイドがテーブルの上を見て

「この牛骨スープおいしいのよね。うちに持って帰ってもいいかしら?」

と言ってきた。

「えっ?!まぁ、私たちの食べ残しでいいなら…」

と承諾すると、何やらレジ袋のようなものにスープをドボドボと流し込み口を縛った。


スープが入ってタプタプしたレジ袋を持つ彼女はとても満足そうだった。




やっていることは褒められたことではないことも多いが、彼女は客を楽しませることと同じぐらい自分も楽しんでいた。

彼女が楽しそうにしているから私たちも楽しい。そんな旅だった。


私たちも夫婦でお客さまをもてなす仕事をしているが、長時間にわたって人を気遣い続けるのは精神的にけっこうしんどいものである。お客さまも店側も、完璧なおもてなしを求めがちな日本ではよけいにだ。

フィリピンと日本では同じようにはいかないのは承知だけど、彼女のように、相手を楽しませて自分も楽しんでしまうことができるとしたら、心にかかる負担はもっともっと軽くなるに違い。

完璧なおもてなしを目指し疲弊しかけていた私は、彼女の働き方から多くをまなぶことができた。

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17歳年上の旦那と小さな飲食店を経営しながら、ときどき旅へ出ています。中卒の女将。過去に起業の経験もあり。今は趣味&気晴らしに旅のエッセイを書いています。「幸せの扉は自分でこじ開ける」がモットーです。
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