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臆病者の値切り交渉術(バンコク/タイ)

海外で値切り交渉を楽しめる人が羨ましくてしょうがない。

臆病者の私は、初対面の相手に値下げを要求したり、値段を巡って駆け引きをしたりすることは大の苦手だ。

とはいえ、観光客向けの土産物はたいてい値段を高めに設定してあるものだ。みすみす提示されている値段で買うのもなんだかシャクである。中には言い値で吹っかけてこられることもある。値段なんてあってないようなものだったりする。


そんな私がバンコク夫婦旅で、値切り交渉のちょっとしたコツをつかんだ。



バンコクでは、タクシーで市内を移動するだけでも値段交渉が必要なときがある。

旦那とともに有名な王宮を観光し、ホテルのあるサイアムというエリアへ戻ろうかというときだった。大きな交差点の路肩には、観光客を待ちわびるタクシーがズラーっと列をなしていた。たしかに観光客は多いが、タクシーを利用しようとする人は意外にも少ないように見えた。

目の前にいたタクシーの助手席の窓をコンコンとノックし、運転手に値段を聞いてみた。ここからサイアムまでは350バーツだという。


渋滞を加味しても、高い。旦那とちょっと相談したうえで、運転手に断りを入れた。

しかし、立ち去ろうとしたその時だった。


「ちょっと待てよ!300バーツじゃダメか?」


何も言っていないのに50バーツも下がった。少し急いでいた私たちは、その値段で了承した。

値段を聞いて、ちょっと考えて、それならいいやと断って立ち去ろうとする。すると、相手が勝手に「値下げさせてくれ」と言ってくる。

戦わずして勝つ!孫子の兵法ではないか。これならチキンな私でもできそうだ。


翌日、バンコク繁華街のショッピングモールへ出かけた。

そのモールは、あるフロアだけ小さな土産物店が密集したローカルな雰囲気になっている。まるで夜市に来たかのような空間だ。

このフロアのとある店で、マッサージに使う木製のローラーを見つけた。しかし値段の表示がない。

店員の女性に「いくらですか?」と聞くと270バーツだと答えた。270バーツは約1000円だ。よそへ行けばもう少し安く手に入りそうだと思ったので、いったん断りを入れ、店員に背を向けた。

すると背後から「ちょっと待って!」と呼び止める声が聞こえた。


「200バーツでどう?」


よし!心の中でガッツポーズをした。

それにしても、1000円ほどの品が250円近くも安くできるということは、それだけ盛っていたということになる。お主も悪よのう。


ちなみにこの交渉術は、前述のタクシーのように売り手が客の数より多い場所(供給過多)や、客の少ない過疎地で成功しやすいようだ。

マッサージローラーを買った土産物店なんかは「こんなすみっこにも店があったんだ」と思うほどフロアの端の方にあり、客もほとんどおらず閑散としていた。

一方で、フロア中心部は賑わっており「値段を聞く、ちょっと考える、断って立ち去る」という手法は全く通用しなかった。


臆病者でも値切り交渉ができることがわかった。何度も海外旅行に行っているのに、自らで値切りを成功させたのは初めてだった。今後は他の国でもこの手法が通用するのか試してみたい。

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17歳年上の旦那と小さな飲食店を経営しながら、ときどき旅へ出ています。中卒の女将。過去に起業の経験もあり。今は趣味&気晴らしに旅のエッセイを書いています。「幸せの扉は自分でこじ開ける」がモットーです。
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