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東京で農地を探すのは難しい!

東京で農業をやると決めたものの
農地を探すとなると想像を超える大変さがありました。

農地が出てくるのは運しかない

この言葉は農地あっせんの窓口でもある東京都農業会議の方から言われた言葉です。
新規就農の先輩方も皆、口をそろえて言います。

都市農業ならではの問題かは分かりませんが
慢性的に人手不足や後継者不足で誰でもいいから借りてほしいという
借り手市場ではなく
地主さんの様々なタイミングで貸借の話がぽつりぽつりあがってきます。
両親が高齢化や体調不良で畑に出られなくなったものの
跡継ぎは畑を継ぐ気はないし、でも管理をしなければ役所に怒られる。
(生産緑地の場合は特に納税猶予がかかっていると税務署に目をつけられてしまう)
なかなかこの畑は使いにくいから誰かにやってもらえないか。
などよっぽどの理由がない限り、貸借には踏み切らないようです。

なぜ貸借が進まないのか

どこのだれか分からない人に畑を荒らされるのは嫌だ。
貸したら一生返ってこないのではないか。
どうせやり始めても続かない。
今まで築きあげてきた自分たちのルールを搔き乱すのではないか。
先祖代々受け継がれてきた場所を好き勝手耕作されては困る。
など、地主さんの慎重論は未だに顕在で円滑な貸借が進まない要因にもなっていると思います。

特に生産緑地地区では資産価値が高く
地主さんにとっても苦労して税金を納めて守ってきた農地なので慎重な意見が多いと思います。
確かに新規就農したもののすぐに辞めてしまったとか
若者がきて秩序を乱された、技術も知識もないのに設備投資をしたものの続かなくなり逃げてしまったなどのうわさを聞いたりすると不安になる気持ちはよく分かります。
そして自分自身も、そのような悪いうわさが立つような行動をとってはいけないなと自分を戒める思いです。

深刻な担い手不足、農地の減少に歯止めをかけるには

もちろん反対している人ばかりではなく
若い人に任せたい、農地を次の世代に残していきたい
地域を盛り上げてほしいと
新規就農を応援して下さる農家さん、地主さんも多くいらっしゃいます。

私が農地をお借りする地主さんは
自身の足が悪くなってしまいなかなか思うように農業ができなくなってしまっていました。
農地を残していきたい、若い人に任せたいという思いがあったそうで
今回貸借することができました。
不安に思うこともあると思いますが
農業機械や倉庫を貸していただいたりと本当に親切にしていただき
しっかり頑張ってほしいと応援してくださっています。


新規就農者も熱意と夢でぎらぎらしているところもありますが
やはり不安に思うこともたくさんあります。
周りに応援して下さる農家さんがいると
それだけでスムーズに地域に溶け込めたり
自己実現をするスピードが格段に上がると思います。

きれいごとでは済まされない部分が多いですが
前例がない、先入観だけではうまくいかないことも
お互いの事情を理解し双方のマッチングが少しでもスムーズに進むともっと円滑に物事が進んでいくのではないかと思っています。