岸田文雄首相は参院選後の8月、ウクライナ情勢に伴う電力の安定供給への対応や、脱炭素社会の実現に向けて原発を最大限活用すると表明。次世代型原発の開発や建設、既存原発の運転期間延長を打ち出しました。東京電力福島第1原発事故を踏まえ、原発依存度を低減させるとしてきたエネルギー政策からの大転換となります。脱炭素社会の実現に向けた「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」などで検討を進めており、年末までに結論を出すとのことです。
こんにちはド・ローカルです。今回は冒頭から硬派な問題から入りました。兵庫のみなさんは、原発は他府県の問題と思っていないでしょうか? 国内の原発の大半は、ここ神戸の三菱重工業神戸造船所で造られ、保守管理されています。過去をたどれば、兵庫県にも原発建設計画がありました。
かつて兵庫にあった原発計画
この記事は東日本大震災から9カ月後に私が書いたものです。香美町だけでなく、福井県の高浜町や大飯町にも取材に行きました。盤石とされてきた既存システムへの信頼を根底から揺るがした福島第1原発事故。災害列島に生きる私たちは、これから、どこへ向かうべきなのか。さまざまな現場で起きている「神話」の崩壊と、変化の芽を追った連載の1本です。
この連載では、足下の兵庫で、日本の大半の原発が造られていることも伝えました。続いては三菱重工業神戸造船所についてです。
原発のトップメーカー
取材当時は、民主党が政権を担っていました。枝野幸男経産相に随行する形で、三菱重工業神戸造船所を視察しました。写真に映っているのは原発機器のストレステスト(耐性評価)をしている様子です。約100人の社員が黙々とパソコンに向かって作業を続けていたのを記憶しています。
福島第1原発事故から2年後、香美町への原発誘致に反対した住民らが、その記録を本にして出版しました。反対運動の経緯や写真などが記されています。
最後に10年前に、本紙「日曜小論」というコラムに掲載された記事を紹介します。
<ド・ローカル>
1993年入社。タイトル「神話なき明日へ」は、福島第1原発事故で、原子力の安全神話が崩れ、日本の明日のエネルギーに真剣に向き合わねばならない、との意味が込められています。
現在、脱炭素社会の実現や、燃料・物価高騰の課題を抱える日本にとって、岸田首相の打ち出した政策のように進むのが正しいのでしょうか? 私には〝先祖返り〟に見えて仕方ありません。
#原発 #岸田文雄首相 #脱炭素社会 #物価高騰 #香美町 #三菱重工業神戸造船所 #エネルギー #安全神話 #関西電力 #神戸市