TVアニメ学校の怪談ふり返り⑬

連投です。今回は第15怪「悪魔のおまじない 闇の儀式」と第16怪「人を喰らう団地!!悪霊の巣」について。何故まとめたかというと、15怪と16怪の天邪鬼のセリフについて興味深いところがあり、一緒に考えると分かりやすいからです。

いつの時代も女の子はお呪い好きですが、さつきも例外ではなかったよう。

闇目って何なのでしょうね。「異世界から呼ばれた」とか言われてましたが、何なのかは本編では触れられていません。でもタイトルで「悪魔のおまじない」と言っているので悪魔なのでしょうね。

闇目が扮していた松田しのぶちゃんが登場した時の影の大きさとか凄いですよね。逢魔の次に強い可能性ありです。

儀式で勾玉出て来ましたね。緑色だったので、翡翠か青瑪瑙だと思いますがどっちなのでしょう。考古学的に勾玉の意味は分かっていませんが、民間宗教だとお胸魔除けの意味が強いかなと思うのですが闇の儀式に使われちゃいましたね。

さて、今回は言語学的に少し?となったところがありまして、天邪鬼がさつきを闇目から助ける時のシーンについて、人間を庇う理由として

「俺は天邪鬼なんでね。」と言った上で「人間も嫌いだが、お前のような姑息なお化けはもっと嫌い」と言ってます。

このセリフ、理由と結論が関係なくないですか?天邪鬼であることが姑息なお化けを嫌いであることの理由になるのか。天邪鬼なので内容をあべこべにして考えれば?と思うかもしれませんが、そうすると「人間も好きだけど、姑息なお化けも好き」ということになるのでおかしな話です。なので言葉そのままに考えるべきだと思うのですが、そうするとやはり少し説得力にかけるセリフとなります。なぜ、こういうセリフなのかは16怪と絡めて考えたいと思います。

では、16怪。放送当時見た時は「さすがに団地は学校と関係なくないですか?」と思っていたのですが、これも学校の怪談というジャンルや民俗学を勉強すると見えてくることがあるのです。

何度か言っているように学校の怪談は学校だけでなく、通学路や学区も対象となります。以前に、仲の悪い学区があるとか学区内でも地区によって仲が悪かったりするということがあることに触れたと思うのですがその事に関係しています。

そもそも団地とは何か?普通のマンションやアパートと違うのか?という話なのですが、団地というのは政策的に作られた住宅地を意味します。政策目的としては、古い家屋の再整備や人口増加が主なものかと思います。しかし、地域によって事情は本当に様々で、その事情があるがために団地住民とそれ以外の住民とは仲が悪い場合が少なからずあるのです。どちらの住民でも「あっちの子と遊んではだめよ」等と言われて育った人も地域によってはいると思います。これが子どもにとっては恐怖の対象な訳です。一緒に遊んではいけないような人が集団で住んでる建物、怖いと思いませんか?

なので、団地というのも立派な学校の怪談の話しとしていくつかあるのです。もともとババサレも団地に出現するものらしいですのでね。

さて、ここからは本題の天邪鬼のセリフについて。夜の団地に入ろうとするさつき達のところに現れた時のセリフで、さつきに対して「お前夕飯用意しなかったろう。たく、可愛いカーヤが腹ペコで死んじまっても良いのか。」と言っています。

放送当時は「カーヤを盾に飯を要求している」と思っていたのですが、今見返すと多分違いますね。カーヤの体を気遣っているのではと思うのです。

本来ですとカーヤが死ねば天邪鬼はカーヤから抜け出せるはずなので、それを止める必要はないはずです。なので、この時すでに天邪鬼はカーヤの体をさつき達に返すタイミングを探していたのではないかと思うのです。

天邪鬼は自分を霊眠した佳耶子さんとその子であるさつきと敬一郎に恨みがあった訳ですが、寝食をともにするうちに恨みの対象とではなくなったのでしょうね。

ここで、天邪鬼が闇目に行ったセリフについてふり返ります。天邪鬼は人間が嫌いというのは事実なのでしょう。そして、姑息なお化けが嫌いなのもまた事実なのだと思います。しかし、さつき達はカーヤの体を返す先でもあるので、闇目にとられる訳にはいかないだから好き嫌い関係なしに守っているという感じでしょう。

天邪鬼と敬一郎とが仲が良いのは何となく分かると思いますが、さつきに対してどれくらいの好感を持っているかは謎です。人間は嫌いで、さつきも好きではないが、敬一郎の姉だから守っているという可能性もあります。

いずれにせよ、15怪、16怪の時にはすでに天邪鬼はさつきたちを恨んでなくて守る対象になっていることだけは確かなことということになります。

今回は以上です。


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