止まらない止められない心模様

かつて知人がとある本を自身の聖書としていました。

「これを読んでいるとスッとして、心が洗われるようになる」と恍惚な表情を浮かべて語っていたのを15年経った今でも鮮明に思い起こすことが出来ます。

私は未読なので詳細は知りませんが、タイトルのみで判断する限り彼の本質が手に取るように伝わってきます。

まず、欲しがり屋さん確定ですね。

彼は他人に「こうしてほしい」や「こうしたらこうしてくれるのが当たり前」という要望が強く、自分の求めているリアクション以下の対応をされると憤りや悲しみ感じたりします。

既婚者の身で同僚の女性にコミュニケーションを取ろうと必死で、「Lineの返事が全然来ない...。普通さぁ、Lineって着たら返すのが当たり前じゃない?少なくとも2~3投稿あったら最低1投稿返信するのが礼儀だと思うんだけど。」という訳の分からないマイルールを訴えていました。

「それは単にお前とあまり関わりたくないからだよ、お前に好意を抱かれたくないからだよ…。大体既婚者に対してなんだから当たり前の対応だ。」とハッキリ言ってあげるのは残酷か…。やんわりと意見を伝えて後は適当に相槌を打ちました。仕事柄どうしても連絡を取らなければならない状況を利用してIDを聞き出し、毎日「おはよう」レベルのLineをするのは立派なハラスメントです。

「勝手に期待してしまう」

これは程度の差こそあれ、人間誰しもがそういう傾向があると思います。

私が〇〇したから、アナタも○○してくれる。

アナタが〇〇してくれたから、私も○○してあげる。

私は〇〇しかしなかったけど、アナタは△△までしてくれる。

アナタは何もしてれなかったけど、私は〇〇してあげる。

私は何もしなかったから、アナタは何もしなてくれない。

様々な等式が存在し、彼は「最低でも自分が与えたものと同等を返してほしい」くらいの欲しがり屋さんということです。

彼とは関係の無い例ですが、プレゼントも分かりやすい。自分が高価な物をあげたのに、相手から少々グレードの落ちた物かまたは何も貰えなかった場合、「自分は○○してあげたのに、アナタはこの程度なんだね。」という感情が渦巻き、それが憤りへと変わっていく…!

人間万事塞翁が馬であるように、人からのお返しに過剰に一喜一憂していたら平常心を保つのが困難です。膨れ上がった期待値は相手を押し潰し、気が付いたら人が離れていくというね。依存されてどうしようもなくなり関係を断った方もいると思います。

私がこれだけアナタのことを思っているんだから、アナタも私のことをこれだけ思うのは当然だよね?

この定義をかなり苦手に感じてしまうワタクシ。

ギブアンドテイク方式か!?

異性に対しても「俺が好きなんだから、君もを俺のこと好きだろ?」的な押し付けをするようなキャラクターは、テレビドラマでもストーカーとして扱われることが多い傾向です。

少し前にとあるテレビでとある芸能人が口にしていました。

「自分は100%好きだから、貴方はどうなの?と思ってしまう」

人が自分を100%好きか気になって仕方ない。入れ込み具合が自分だけ過多の片想い状態でないか確認しないと気が済まないと。

実際問題世の中の多くの人は、自分は相手をどう思っているかをわざわざ口に出して確認したりするものなんでしょうかね?

私はあまり人に聞いた記憶がありません。

仲が良いと思っている人に敢えて「僕達、友達だよね?」と聞いたことは無いですね。そもそも仲の良い人が自分のことを好きなのかあまり気にしたことがないかもしれません…汗

人がどう思うかより自分がどう思うかが重要で、すなわち全然空気が読めていない性格なわけでして。だからこんな記事を作るのが好きなんですけどね。

求め過ぎると際限がありません。

人はそこまで優しくないしそこまで暇でもありません。

冒頭で挙げた彼はその数年後に連絡を取った段階ではどこに出しても恥ずかしくない立派な面倒くさい人になっていました。

人の誘いはまず断り、強引な誘われ文句待ち。アッサリこっちが引けば、もうちょっと説得しろよ的な言い回し。なかなか大変な人間へと成長していました。バイブルも彼にはあまり効果が無かったようです。

彼が己の欲望を満たしてくれるような素晴らしい人に出会えたらいいと心の物凄~く片隅でほんの少しだけ彼を思い出した時のみそう願うことにします。

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