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コロナに侵されし日本は小人の蔓延る国に成り果てん

「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」

論語にこのような言葉があります。
意味としては、

「君子(立派な人)は人々と協調するが、決して人に流されることはない。小人(つまらない人)は人に流されるばかりで、人々と協調することはない。」

といった感じです。
新型コロナウィルスという見えない脅威にさらされている日本人は、まさに後者の「小人」のような状態になってしまっているのではないでしょうか。

デマとわかっているのについ買ってしまうのは、決してパニックになっているからではなく、「ふだんの生活を変えられたくない」「日常的に得ている自由や便利を失いたくない」という利己心からくるもの。日ごろ「欲しいものを選んで届けてもらえる」「好きなときに好きなものを好きな場所で見られる」「低価格でさまざまな料理を食べられる」など、収入の多少にかかわらず、それなりに自由で便利な生活を送っている現代人は、それが少しでも損なわれることを極端に嫌がるものです。

これなどは典型的な小人的行動です。

とくに新型コロナウイルスのような社会的重大事では、利己心で何かを得られたとしても、それは一時しのぎにすぎません。買い占めや盗難によって地域社会が乱れ、感染が拡大したら、個人の自由や便利は現在以上に損なわれていくでしょう。

ですが、結果的に自分たちの首を絞めることになってしまいます。

私自身、決して聖人君子な人間ではないため、これらの行動の心理は良く理解できるのですが、そこをぐっと堪え、一度立ち止まって冷静になることが重要だと思います。

これはSDGsにも言えることです。
私たちは「大量生産・大量消費」社会は持続的ではないということが段々とわかってきました。
そのような中で、SDGsは採択されました。
しかし、それから5年、世の中はなかなか変わりません。
自らの首を絞めるとわかっていても、ついつい周りに流されてしまうのが人情なのです。
そのようなことを今回のコロナ関連の出来事で痛感しました。

企業などでSDGsを取り入れようとする動きが多く見られるようになりましたが、これも「同じて和せず」的な行動がほとんどではないでしょうか。

「周りがやり始めているから」
「これをやっていないと他社に遅れをとるから」
「なんとなく風潮に合わせて」

のような動機と思われる事例が散見され、本気で取り組んでいるのかは甚だ疑問です。
(これはこれで、きっかけとしては良いのかも知れませんが。。。)

SDGsを達成し、持続可能な社会を実現させるためには、各々が真剣に未来のことを考え行動を起こす必要があります。
「和して同ぜず」、つまり、「みんながやっているから」同じようなことをするのではなく、未来のために自分自身にできることをそれぞれの持ち場で行うことこそが重要なのです。
それが結果的に全体最適につながると思います。

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