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自分自身のズレをほどいていく

吉本ばななさんの
『「違うこと」をしないこと』
を読み終えました。


かわいい表紙!


タイトルがビジネス書っぽかったので、
初見でそんな感じの本かな?
と思ったのですが、まったく見当ちがいでした。

この表紙の大福のように、
ちょっと特別なときに食卓に出るおかしのような、派手ではないけれど、
お茶と一緒にいただいてほっとするような、
そんな本です。

どちらかというとスピリチュアルな要素もある本ですが、
ふだんそういった類とはほぼ無縁な私が
「出会うべきときに出会った」と思えた一冊。

自己啓発のようでもあるのですが、
それ特有の熱っぽさはなくって、
淡々と入ってきてくれる感じでした。

ほんとにもう、ティータイムみたいな、
ゆっくりおだやかな読書時間でした。


▽▽▽


この本でばななさんは、
「自分を生きる」ために、まず「違うことをしない」ようにしてみよう
とおっしゃっています。


まわりをとりまく情報が多くなった今、それに流されて起点となるはずの「自分」すらわからず、なにが「違う=ズレている」のかわからない。
だからなにを、どうすればよいかわからない。

そんな人、けっこういるのではないでしょうか。

まさに私もそうです。
本当は自分がなにをしたいのか、いまいちわからない。日々に悩みはつきない気がしているのに、その正体も、解決策も、あやふやなまま毎日を生きてしまっています。

「したいことをしよう」ではなく、「なんか違うな、ということをしないようにしよう
というメッセージが本の中にあるのですが、

「したいこと」すらはっきりわかっていない私には、とてもありがたいアドバイスでした。
「ん?ちょっとちがうかも、そうじゃない気がする」みたいな感覚なら、私も抱くことがあるからです。


本では、宇宙マッサージというものをされている方や、
事故に遭われて記憶をうしなってしまってから
スピリチュアルな経験をするようになった方と
ばななさんが対談している章もあります。

これだけ聞くと本当にスピリチュアルなのですが、
そこで話されている内容は
私たちの日々の生活に根づいた感情や暮らしや大切なことと密接に絡んでいるので、
すっと心に入ってくる感じがします。

もともと私もスピリチュアルにはうとく、
どちらかというと半信半疑なたちなのですが、
本当にもう、心に違和感なく入ってきました。

それは、スピリチュアルを押しつけようだとか
そういった意図がばななさんたちにまったくなく、
もっと普遍的なものを私たちに提供してくれているからだと思います。


▽▽▽


ここからは私の話になるのですが、
この本を読んだ日、
それまで積もりに積もっていたものが爆発して、
もう心身ともに限界を感じて寝込んでいました。

息子のごはんとおむつ替えと
自分の食事やトイレ以外は
ほぼずっとベッドにいたのですが、
そんななか、なんとなくふと
「本、読もうかな」と思ったんです。


いつもなら、そんな寝込むほど限界なときに
読書なんてしないはずなのに、
なんだか今読もう、となって。

たぶん巡り合わせだったんだと思う。

結果的に
「ああ、私、ズレてるのかも」
とすとんと現状が腑に落ちました。


今は本当につかれているので、
まずは家事育児を最低限できるところまで回復させて、
自分自身のズレをひとつずつほどいていこうと思います。

今自分はなにをしていて、
そのなかでなにが「違う」のか。

日々をこなすのに気づけば精一杯になって、
行き先もなにも考えていなかったけど、
自分らしく生きて
まわりの人と楽しく幸せに歩むために、
立ち止まって自分の声と向き合います。


必要なタイミングで出会えてよかった。
ばななさん、ありがとうございます。

そしてこの本を紹介してくれた
せいかつ編集室の春菜さんも!
本当に、ご縁をありがとうございます。

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