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【10本目】Vtuber探しは“ボトルディギング”に似てる?って話

はじめに

 ついにnoteの投稿が10本目になりました! 元々文章を書くのは全然嫌いじゃないので、わりと性に合っているのかもしれませんね。現在のところ、10本中9本がVR関係の記事になっています。よくネタ切れしないもんだ・・・(笑)。

 10本目の記事は、なるべくポップな感じの記事にしたいなと考えていました(前回のが全くポップじゃなかったので・・・)。そこで今回は、最近私がハマっている“ボトルディギング”というジャンルとVtuberを絡めて書いてみます。

 知られざるVtuberやその動画を探し当てるのは、ある種の宝探しと言える・・・というお話です。また、何事もある程度の根気が大事という話にも繋がりますね。

  誤解を生まないためにも、先にこれについて触れておきたいと思いますが・・・。この記事は、先述した通り、ボトルディギングという文化とVの文化を絡めてみた、という話です。ボトルディギングにおけるガラス製品というお宝の存在と、YouTubeにおけるVtuberやその動画というお宝の存在とが、全く同列の扱いだとは言っておりません。ここのところは確実にご理解頂き、この記事を読んでいって頂けますと幸いです。

ボトルディギングって?

 ではまず、ボトルディギングとは何ぞや、という解説から始めていきたいと思います。簡単に言うと、古い時代(明治~昭和初期くらいまでが多いでしょうか)に作られたガラス製の空き瓶を収集し、綺麗にクリーニングして、それらをコレクションして眺めて楽しむという趣味のことです。

 ディギングという言葉自体は、掘削作業のような意味合いがあります。ボトルディギングという趣味は、お目当ての品々を収集するために、主として地面を掘る作業が伴います。その理由は、古い時代のガラス製のビンというのは、地中に埋まっていることが多いからです。

 言い方が変かもしれませんが、かつて不法投棄された当時のゴミが、現代はお宝になっているという感じですね。そういったゴミが不法投棄された場所は、山の中だったり海岸べりだったり色々ですが、捨てられたゴミの上に長い年月をかけて、別の土やら何やらが堆積していきます。ですから、探し求めている物が地上に露出していることは少ないのです。

 場所や条件によっては、当然例外もあります。台風等自然災害によって地面がほじくり返されたりすると、地中に埋まっていたお宝が地表へ出てきたりします。たまたま地上に姿を現したそれらを回収出来る、という場合ですね。ビーチコーミングという、海岸等に打ち上げられた漂着物を拾い集めるという趣味がありますが、こういったパターンで見付けることも出来るわけです。

 私は自分が直接ボトルディギングやビーチコーミングを行っているわけではありませんので、詳しい方からすれば説明不足かもしれませんが、おおよその説明としてはこのようなものになります。タイトルではボトルディギングとしか書いていませんが、ビーチコーミングについても同じように記事の中で触れていきたいと思います。

コバルトさん

 さて、そもそもなぜボトルディギングの話が出てきたのかと言いますと。元々私は、何らかのグッズを集めたりするのが好きなコレクター気質なところがあり、他の人が何かを集めているという話にも興味があるのです。

 そんな私がある時、ボトルディギングを趣味としてやっておられる方がUPされた動画を、YouTubeで発見しました(確かオススメに表示されていたと記憶しています)。何気なく見てみたところ、これはなんとワクワクするお宝探しの動画だろうか! と、さっそくその魅力に取り憑かれ、芋づる式に他の動画もどんどん視聴していきました。

 ボトルディギングを趣味とされ、その様子をYouTubeに投稿されている方はたくさん居ますが、私が出会ったのは、“プライマルコバルト”というチャンネルでした。投稿主さんは、そのチャンネル名から通称“コバルトさん”と呼ばれています。

 コバルトさんは、文字通りボトルディギングで主に古いガラス瓶を発掘・収集されているナイスなキャラクターのオジサマです(陶器等も収集されていたりしますが、やはり基本的にはガラスが中心です)。また、ビーチコーミングもされています。私がコバルトさんの動画にハマったのは、地中に埋まっているお宝を掘り当てるという行為そのものだけでなく、コバルトさんの語り口や人柄に惹かれた部分も大きかったですね。

 そんなコバルトさんのUPされる数々の動画を見て、ご本人様との交流も経ていく内に、私は思うようになりました。YouTubeに存在するVtuberやその動画を探すというのは、バーチャル版のボトルディギングやビーチコーミングと言えるのではないか・・・と。

他のお宝探しとの比較

 VRに関わってくる話は、もうしばらくお待ち下さい(笑)。

 お宝探しというのは、ボトルディギングやビーチコーミング以外にも様々な種類が存在しているのは、皆様もご周知の通りです。また、何を持ってして“お宝”と定義するのかによっても、その数は全然違ってくるでしょう。

 ある人からみれば、そのジャンルの中での貴重品を探し求めるお宝探しでも、別のある人から見れば、わけの分からないガラクタを求めて彷徨い歩いているだけになりますからね。この項目では、主としてボトルディギングと他のお宝探しとを比べて、どのような特徴があるのか見てみたいと思います。

 まず大きいポイントになってくるのは、特殊な機材は必要ないし、むしろ使うタイミングがないということでしょうか。探したいお宝が金属製品であれば、金属探知機の類が大活躍しますよね。世間一般でイメージするお宝探しの多くは、こういった機材を使っての探索をするイメージではないでしょうか。しかし、ボトルディギングの場合、探したいのはガラス製品です。金属探知機は役に立ちませんし、ガラス探知機なんて物は存在していません。ですから、特殊な機材を買い揃えるといった投資の必要はなく、極端な話、地面を掘る道具さえあれば誰でも始めることが可能なのです。

 次に挙げられるのは、そもそもがキチンとした形で後世に残そうという体裁ではないということです。埋蔵金や隠し財産といった類は、当然ながら、きちんと保管することを前提としています。また、結果論として、管理がキチンと行き届かない状態になってしまった場合というのもありますね。積荷ごと沈んでしまった船であったり、元々誰かがコレクションしていた物がその価値を知らない誰かによって世に放出されたりがそれです。しかし、ボトルディギングの場合の探し求めているお宝というのは、過去の人々が純粋なる“ゴミ”として捨てた物です。管理もクソもあったもんじゃなくて、要らないからポイッ!という世界です。こうなると、良好な状態で今日まで残っていてくれること自体が、まさに奇跡的ということになります。

 地中に埋まっていることが多く、意図して後世にまで残した物ではないという点では、化石や他の自然物と似ている部分はありますね。そもそもが脆い素材で出来ていますし、自身が閉じ込められている環境も決して良くはありません。壊れやすいコンディションの物が多いということですね。ただ、ガラス製品というのは、その存在自体は始めから意図して作られた物です。意図して作られた物が偶然に残った、ということになります。一方、化石や他の自然物の場合、それが出来上がった経緯を含め、本当に“偶然”でしかありません。「俺、今から化石になるために逝くわ」「自分、今後こんな自然の造形美になってみるっす」なんてことは絶対にあり得ません。ですから、ボトルディギングの場合は、さすがにそのレベルでの運の勝負にはならないわけです。

 こうしてみると、ボトルディギング1つ取ってみても、他と比べてこのような違いや特徴が現れてきます。奥が深いですね。ガラス製品というジャンルだけで考えても、「歴史を感じさせる、色や形の豊富な小さな遺産たち」と捉えるのか、「昔の人間がゴミとして捨てただけの、小汚ないボロいビン」と捉えるのかで、その扱いは天と地ほど変わってきます。

 “捨てる神あれば拾う神あり”という言葉は、上手いこと言ったものだと思いますね。

ネット上の広大なる“ハケ”

 ここでやっとこさ、VRの話がメインとして出てきます(笑)。

 YouTubeというは、ある種ネット上の広大な“ハケ”と呼ぶにふさわしい場所と言えるでしょう。埋もれてしまっているVtuberやその動画が無数に存在し、静かに眠っているからです。

 また新たなる用語が出てきましたが、ボトルディギングにおいて、お宝が埋まっているその場所のことを“ハケ”と呼称します。このハケを探すことが、ボトルディギングにおいて最も難しい作業となるでしょう。なにせ、過去に存在した“ゴミ捨て場”を探し当てる必要があるわけですから。

 現代のように、ゴミ収集ステーションが決まった場所にあるではありません。また、それらの場所等の情報がこまめに記録されて残っているかと言われれば、そんなものがあるとは通常考えにくいですよね(先述しましたが、事実上の不法投棄の体裁を取っている場合が大部分となっているでしょうから)。そんなわけで、ほとんど資料も残されていないでしょうし、地元の方に聞き込みをしたとしても、得られる情報はわずかということも多いハズです。

 ハケを探すということは、長年にわたって培ってきた、個人の経験とカンに頼らざるを得ない部分が大いにあります。ある意味それこそ、宝探しの醍醐味とも言えるのでしょう。・・・とは言え、ハズレの場所をいくら掘ったところで成果は得られませんし、徒労に終わるだけとなります(それもそれで、経験の蓄積にはなるので、完全に無駄ではないとは思いますが)。

 ・・・さて、最初にも軽く説明させて頂きましたが、誤解があっては困るので、ここで改めて書かせて頂きます。

 私は決して、YouTubeがゴミ捨て場だと言っているのではありませんし、YouTubeの中のVの文化を始めとする様々な存在がゴミだと言っているわけでもありません。そんなことは微塵も思っていませんので。

 ここでいうYouTube=ハケという表現は、“様々な物が埋もれている場所”という認識をしておいて下さい。また、Vの文化というものは、それが出来上がった最初の段階から既にお宝である(あるいは、その原石である)と私は捉えています。ここを誤解されてしまうと大変なことになりますので・・・。

YouTubeでのお宝探し

 では、いよいよYouTubeでの具体的なお宝探しについて触れていこうと思います。YouTubeを広大なハケとして捉えた時、お宝探しという観点からすれば、それはボトルディギングより遥かにラクな作業となるでしょう。なぜなら、大前提として、YouTubeというフィールドは誰が見ても確実に存在しているからです。ハケその物を探し当てる苦労というは、しなくていいわけです。

 また、お宝を探索するに当たっての、地面を掘るという大きな肉体労働は存在しません。キーワードを打って検索すればいいのですから。キーボードをカタカタするか、マウスをクリックする程度の指の運動で済みますね(笑)。何ならハケ自体が「こんなのオススメ!」とピックアップすらしてくれます。既にビーチコーミング状態になってることも多いというね(笑)。

 こういう状況を見ると、苦労なしでのお宝探しなんてそれ本当に楽しいのか、という意見も当然出てくるでしょう。ある程度の苦労があってこそ、貴重な物を発見出来た時の喜びもひとしお・・・。その気持は良く分かります。情報がほぼゼロに近いところからのお宝探しと比べると簡単かもしれませんが、YouTubeでのお宝探しだって、苦労がないわけではありません。

 YouTubeという広大なハケにおいて、Vtuberの存在そのものや、Vtuberの動画を探すという観点から、お宝探しで多少なかれ手間がかかるであろうケースをいくつか見てみたいと思います。

 例えば、元々存在していた動画は既に無くなってしまっていて、誰かが切り抜いてくれた動画ならばある・・・といったケース。先述したコバルトさんが自身の動画の中で、レアなガラス製品の破片を掘り当てた時「いつかは完品が欲しいところ。“引き寄せ”に期待して、これは持っておくことにしよう」的なコメントをされることがあります。これ、状況は似てますよね。後々また別の誰かが、保存してあった完品の動画を出してくれる可能性はゼロではありませんので、それを待つしかありません。完品を求める場合は、現状存在する動画のカケラとでも言うべきもので凌ぐほかはありません。

 また、動画は確かに存在するけれど、意図的に隠してあるケース。検索に引っ掛からないように、タイトルを意味不明なものにしてあったり、全然別のキーワードを使ってあったりする動画、見たことあるのではないでしょうか。以前チラっと見かけたことがあって、サムネは分かっているのに、どうやっても出てこない!・・・という時、困りますよねぇ。先程の完品の話と似通っている部分もありますが、こちらの場合は、「消されてしまう可能性もあるので、露骨には表に出したくない。しかし、見付けてくれた誰かには見られるようにはしておきたい」という真理が強いかと思われます。・・・ボトルディギングの場合は、そもそもハケ自体が意図的に隠されていることがほとんどですから、そう考えただけでも本当にとんでもない苦労をしますよね。

 さらに、そもそも動画の数が多すぎて、より自分が求めている物が埋もれてしまっているというケース。そりゃまぁ、本物のファンならば、全部見ればいいという話になるのでしょうけど・・・。考えてもみて下さい。例えばミライアカリ氏の動画の投稿数、いくつでしょうか? 数十本単位でも見るのに時間がかかるのに、数百本単位となれば・・・? 動画がメインでなく、生放送がメインの場合だったら・・・? 新規でファンになった人が、それらを最初から見ていく時間があるのか。最新の動画に追いつくまでにはどれほど時間がかかるのか、という話になりますよね。名なガラス製のビンにせよ、著名なVtuberの動画にせよ、それら全てを網羅したいという人も居れば、より好んで“これは”と思うもののみ愛でる人も居ます。大きな範疇での“好き”の中には、ぶっちゃけ1つくらいは、興味関心が薄かったり、あるいは興味がなかったりするものだって存在しているのではないでしょうか。ふるいに掛けて選別して、より細かいものを探索しようとすれば、そう簡単にことは進まないと考えられます。

 さらにさらに、その存在自体ほとんど知られておらず、その他大勢の中で完全に埋没しているのを、たまたま見付けられたケース。これはもはや、そもそも見付けられたのがラッキーとしか言いようがない分類になりますね。「全然有名でもなんでもないけど、なんか個人的に凄い好き!」というこの気持ち、これを抱いたものが対象となります。大多数には見向きもされていないけれど、個人的にはそこに大いなる価値を見出した・・・というパターンですね。あまりにも運要素が強く、数も少なく、目立たない。したがって、これの後に続くようなものを意図的に探してみても、そうはたやすく見付けることは出来ません。一点物に近い作品に量産性という可能性を求めてしまうと、やはり探すのには苦労するでしょうね。

 YouTubeでのディギングは、ボトルディギングと比べると、色々な部分で実行しやすい状況が格段に整っている宝探しになります。しかし、それにはそれで、この項目で書いてきたような相応の苦労がついてまわることになるのです。

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まとめ

 いかがでしたでしょうか。YouTubeでVtuberやその動画を探して視聴するというのは、よくよく考えてみれば、ボトルディギングという宝探しと同じなのではないか、というお話でした。

 コバルトさんは、「今後、自分が一生をかけてビンを掘り続けたとしても、その程度では枯渇しないくらいのビンがまだ眠っている」とコメントされたことがありました。まだまだそれだけの供給量はあるということですね。Vtuberにしても、有名所から新人さんまで、現在数千人単位で活動されています。1人の人間がその人生をかけても、全ての活動を追って動画を見切ることは出来ないでしょう。

 古いガラス瓶は、完全に掘り尽くされたらいつかは無くなります。Vtuberも、このブームが過ぎ去って、何らかの要因で現在活躍されている方たちが全員引退するような時が来れば、いずれその存在は消えていくでしょう。どんなものでもそうですが、何らかの形で更新・継続されていくことがなければ、途絶えてしまいますからね。

 とは言え、我々が古いガラス瓶を探す旅も、Vtuberやその動画を探す旅も、当面の間は終わることはなさそうです。今後もたくさんの新たな出会いがあり、期待に胸膨らませワクワクする日々が少しでも長く続くようにと願い、この記事を締めたいと思います。

 10本目の記事を最後までお読み頂き、ありがとうございました!

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