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「だから、もう眠らせてほしい」西 智弘

西先生のnoteを読んだのが出合いだった。
本になって改めて読んで自分の死生観を考えてみた。
先月父が他界したのも私に大きな影響を与えている。

父は肝臓に癌が転移していたので、亡くなる1ヶ月前くらいには
黄疸が出て、食事がほとんどとれなくなっていた
そのせいで元気だった頃の父とはくらべものにならないほど
痩せてしまっていた。
今考えると、父のそんな姿を見て少なからず私はショックを受けていた。

私自身が病気になって最後に子供に見せたい姿ではない。
痩せ細って見た目が変わってしまうしまう前に、
死んでしまいたいというのは正直な気持ちだ。
でも、現在の日本ではそれはできないであろうという事が、
本を読んでよくわかった。
運よく良い緩和ケア医に出合えれば多少苦しみが少なくなるという程度だと思った。

祖母も父も70歳前後で亡くなっている。
しかも希少癌といわれるレアケースなので、治療法も少ない。
父親に体質がよく似ている私もそんなに長く生きられないかもしれないと感じている。
今の日本では自分が理想とした死を迎えることが難しいと知った今、
できる事は自分がどう生きたいかという事。

今までは自分が望む生き方ができていなかった。
その為に限界まで自分を追い込んでしまい苦しんでしまった。
今は生き方を大きく変える転換期にきていると感じている。
自分自身を大切に生きていくという事は、虐待を受けた私にとってはとても難しい事。
でも、諦めたくはない。
諦めたくないから今までいっぱい辛い経験をしたのに死ななかったのだ。
自分の新しい人生がもう始まっていると思いながら今は毎日を生きている。
ちょっと、いやかなり大変だけど助けてくれる人や大切な家族がいる事がとても心強い。

もしかしたら数十年後には少しは日本も変わっているかもしれない。
もっと穏やかに終末期を過ごせるようになっているかもしれない。
そこに希望をもって今を精一杯生きていこうと思う。

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