DX推進者必見!! 【DX白書】解説最終章! DX時代に適応する手法とは?
昨日、一昨日に続きまして本日は連載シリーズ最終章になります。
DXについて現状を解説、米国との比較調査を行なった「虎の巻」を解説してきます。
「DX白書」の第一弾・第二弾についてはこちらをご確認いただけたらと思います。
<第一弾 DX導入状況編>
<第二弾 DX時代に求められる人物編>
今回の最終章については「DXを支える手法と技術」について解説を行います。
これまで米国に比べた日本のDX推進状況や、DX時代にどういった思考やビジネススキルを持った人間が重宝されるのか、などを解説してきましたが、この章では具体的な技術について触れていきます。
DXについてまずは何があるか具体的に知りたい、と言う得意先や自社内でDXについて話したい、といったニーズがある方はこの章から読んでいくことをお勧めします。
また、頭の片隅にライフハック的に覚えていただいて記事に戻ってくればツールや考え方を整理できるような使い方が本記事はお勧めです。
それでは、早速見ていきましょう。
DXを浸透させるコツは各ステップごとに思考を変えていくこと
具体的な技術に触れる前に、技術の変化について少し触れておきます。
1980年台ではメインフレームと呼ばれる大型コンピュータが一番最初にやってきました。これにより今まで算盤などによる演算が自動計算になり革新的な技術進歩になりました。
後ろにいる男性よりも大きいことからもかなりのサイズ感であることがわかります。ここから時代は進み多くの個人向けに、と言うことでパーソナルコンピュータ(PC)ができました。
次にインターネットが普及し、今では定価格無制限なんていう時代になりましたが昔は3分10円などの電話回線でやっていましたね笑
そこからスマホやクラウドなどによりPC機能をいつでもどこでも使える、サービスが進歩してPCと携帯の境目が壊されていきましたね。
そして今ではRPAなどによる自動化などが図られてきていることを考えると、技術はどんどん進化、変遷してきていると言うことになります。
この時代の流れにもわかるように、10年の間に激流のような変化が常に起こっています。そしてこの激流はなかなか流れが読めない曖昧さと言うものも含んでいます。
それが故、まず市場におけるサービス開発はこの素早さ、曖昧さに対応したサービスを作っていかなければなりません。
市場の変化を形に変える、と言う手順を踏む上で本書では「デザイン思考」という思考法でアプローチすることを挙げています。
デザイン思考とは、
課題の発見から企画・デザインまでデザイナー的な思考プロセスを取り入れて プロダクトやサービスの検討に適用する、人間中心のイノベーションへのアプローチ
を指しているそうです。システムで作るような左脳的、ロジック詰めによる思考ではなく、ここはどちらかというと右脳的、感性的な部分からのアプローチを行います。
市場時代が 不確実および曖昧なため、そこを受け入れた上で
五感の力を用いて複雑性から新たな意味を創造する、と。
概念的には分かりますがなかなかどんな感じかイメージが湧きづらいですね。。。一つ例えとしては小売店のセール、なんかを想像すると具体的なイメージが湧いてくるかもしれません。
スーパーでの店頭セール。そこには時間帯や地域、商品ラインナップなど様々な要素が掛け合わさって「いくら」と言う売上が立ちます。
この売り上げには本当に多くの影響因子があり、それぞれの結果と因子を仮説立証し、プロトタイプにて再現性を検証し、形にして過去・それ以上の売り上げを再度作る。
こういう人間心理が関わる市場では特に複雑性や感性といったデータ化しづらいものが絡み合います。そんなところでは緻密なロジックを念入りに作り上げて。。。と言うよりは定性的にでもまずは現象を仮説として捉えて検証、といったものが適応するのかもしれません。サイクルとしてはPDCAではなく、OODAサイクルといったところでしょうか。
そしてデザイン思考で仮説検証し、ある程度再現性の取れたものをアジャイル開発します。
アジャイル開発については前回やりましたね。細かな仕様変更などを行うものについては都度都度対応をしていくようなフレキシブルなやり方です。
そして開発されたものを更なる開発と運用をしていくものがDevOpsです。DevOpsとは開発チームを指す「Development」と、運用チームを指す「Operations」という2つの言葉を掛け合わせた造語で、従来、分業・分断されていた開発(Dev)と運用(Ops)の担当者がビジネスゴールを共有し、テスト・構成管理等をできる限り自動化することで、スピードと品質を担保したうえで、柔軟かつ迅速な開発を目指しています。
つまり、これまでは作る人とメンテナンスをする人がそれぞれ別れて分業をしていましたが、これからはその二人も同システムを作るのかを共有しながら細かい対応を進めていく方が結果的に早いのかもしれませんね。
DX化を進めよう! 手段①「ノーコード」
エンジニアではなくてもDXツールは作れる「ノーコード」
これまで開発ができる前提で進めてきましたが、
スキルがない人は作れないのでは。。。?
なんて疑問もあるかと思います。もちろんスキルを身につけてもらえた方が選択肢は広がります。
ただし、規模が大きくないものであれば実は「ノーコード」と呼ばれるプログラミング言語を知らなくてもウェブサイトやアプリなどを作れるツールが出ているんです。
MicrosoftのPower appやgoogleのAppsheetなどがノーコードに当たりますね。
なんといってもすごいのは、誰でも開発者になれること。サイトやアプリの作り方も、直感的に作り込めるので前提知識がさほど入りません。
牛丼注文アプリを数分で作るほどの猛者もいました。笑
本当に簡単にアプリが作れるんです。これにより、
●毎回同じ作業をしている
●多くの人に共通する作業がある
なんて作業があると、もしかしたらDX化した方が早いかもしれませんね。
そしてなんとなくお気づきかと思いますが、簡単に作れるが故にある程度の統制をしないとアプリやウェブサイトで溢れますので気をつけましょう。笑
DX化を進めよう! 手段②「データ連携」「コミュニケーション」
コロナウイルスが世界で猛威を振るい、世界中がテレワークを推し進められました。
もう当たり前になりましたが、zoomやteamsといったテレワークツールはもはや若者から高齢者に至るまで生活に浸透しましたね。
仕事においても、コミュニケーションを図る上で、会話が埋もれないようにスレッドを分けられるslackやteamsはもうテレワークで当たり前になりましたね。
一時期より落ち着きましたが、remoのようなオンライン中の人が「会議中」なのか「雑談希望」なのかを一目瞭然にするどうぶつの森オンライン版のようなものもあるそうです。
その他、他社との共同でフォルダを作るbox。
DX化を進めよう! 手段③ 「溜まったデータ」を活用して「次の一手」を最適化
DXでは、何かを共有したりただデジタルになるだけではなく、溜まったデータを使って何かをすることもできるんです。
事業活動において、日々の売り上げや何かをとった映像・画像など様々なデータが保存されています。それらを蓄積したものを「データレイク」と言います。
lake「湖」ですね。ここは0,1,2,,,のような構造データだけでなく、画像や動画などの非構造化データと呼ばれるもあり、多岐にわたります。
これらをどのように使えばいいのでしょう?
一つの例はwalmartのIRL店におけるAIカメラ店舗です。
ここでは、天井にあるAIカメラによって、例えば肉が売り切れそうだったら冷蔵室から補充、一部の生鮮食品は一定時間を過ぎれば売り場から回収、などの在庫最適化を行っている。
一方Amazon Go では商品棚の重量センサーで来店客がどの棚のどの商品を何個取ったのか、各顧客がなんの商品を一緒に買ったのかなどがデータとしてわかる。
これにより、陳列棚の配置をかえることで商品の売り上げが上がることも狙っていると言われている。
昔小さい頃に母親の買い物について行ってレジに並んでいると、レジ横にある5連続にくっついているマリオのお菓子が欲しくなってだだこねた経験がある。笑
ハンガーラックと言って、動線先にぶら下げて衝動買いを誘うものだがまんまと4歳の僕は欲しくなってしまった。
こういった商品配置はこれまでは各売り場担当が練りにねって行っていたが、DX時代においては「どこにおけばどの程度売れる」が数字を持って予測できてしまうのだ。これこそまさに現場の勘に数字が勝負を挑んでいる状態である。
こう言ったデータの蓄積により次の一手をうむ、と言うのはDX時代の一つの大きな恩恵と言えるでしょう。
AIについてはこちらのマガジンを参照されたい。また、「AI白書」と言う虎の巻も昨年出ているので、どこかでまた気合を入れて一つ一つ解説をしていきたい。
DX化を進めよう! 手段④ IoTで「データを溜める」
最後はデータを溜める編です。
手段③でデータを溜めさえすれば何かできそう、となったはいいものの、どうやってデータを溜めたらいいんだろう。という問いもまた出てくるかと思います。
そこにくるのがIoTです。
IoTとは Internet Of Thingsの略で、インターネットなどのネットワークにコンピューター類のみならずセンサーやカメラ、 工作機械や家具など様々な物が接続され、データを収集したり相互に情報をやり取りしたりすることを指します。
一番身近な例は、iphoneのヘルスケアアプリでしょうか。毎日の歩数を測ったりするアプリですが、心拍数や運動量など毎日データ化していればいざ体調が悪くなった(なってき始めた)あたりにどういった数値が普段とズレるのか、なんてものも傾向が見れるわけです。
ここで一番大切なのは、数字を取ることではなく、傾向を見ることです。
普段からデータを溜めておいて、「眺める」ことが大切です。
普段お世話になっている経営者の先輩からは、移動累計などの手法を使って経営の状況を常にアンテナを貼っていたそうです。これは現場にいられない経営者だからこそ、数値という事実から変化の兆しを読み取ることで知られています。
移動累計についてはまたどこかで解説したいですね。この手法は昔下着大手メーカーの社長が、経営状況の変化を見るために社長室に各指標の移動累計をはり健全経営をしたことでも有名です。
話は少しそれましたが。。。
データさえあれば、先の手段にて分析などが可能となるわけですね。
また以前紹介したデジタルツインなんかも、このIoTを使ってデータ収集し、仮想空間上に同じ条件の環境を構築することでより現実に近いモデルでシミュレーションできるわけです。
ヒントは「データ収集」と「傾向を見える化」
3編にわたり解説してきた「DX白書」も今日で終わりです。
ボリュームが多く、解説できずに飛ばした箇所もかなり多いかと思います。ただ、それ以上にこの白書から一人でも多くの方が「DXについて何かやってみようかな」と思っていただけるような入り口になれば幸いです。
企業にしても、個人にしても、自分一人で気づかないことはたくさんあると思います。
DXは人間が気づかない「傾向」を教えてくれたり、「新しい選択肢」を提示してくれます。完璧なものを入れるのではなく、アジャイル的に少しでも多く早くトライしてみてもいいかもしれませんね。
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