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A-POPを聞いたことありますか?|気になる中東

うちの娘はK-POPに夢中なのだが、皆さんはA-POPをご存じだろうか?と言っても私がA-POPと言ってるだけなのだが、アラビック・ポップ、つまりアラビア語のポップミュージックということだ。

アラビア語人口は中東を中心に約2億人余り。言語人口として世界第5位の規模のため、このマーケットを対象とした文化や音楽産業が当然存在する。そしてその中心となっているのが、中東の文化大国レバノンなのである。

レバノンの音楽は中東の伝統音楽の系譜を守りながらも西欧スタイルも取り入れ、多彩かつユニークな音楽文化を作り出している。YouTubeを探すと、実はアラビック・ポップは多数アップされているのだが、たぶんその大半はレバノン発ではないかと思う。

私は以前にエミレーツ航空を使った際に、機内エンターテイメントのコンテンツにアラビック・ポップのミュージック・ビデオが多数含まれており、こんなミュージシャンがいたのかとびっくりした。

私がお勧めしたいシンガーは、ナンシー・アジュラム(Nancy Ajram)。レバノンの音楽史上、3番目の売上枚数を誇るという人気女性シンガーだ。

首都ベイルート生まれで、15歳で歌手デビュー。2008年、25歳のときにワールドミュージックアワードの中東地域におけるベスト・セリング・アーティストを受賞した、言ってみれば中東の女性アイドルだ。

また2005年より中東コカ・コーラのイメージキャラクターを務め、同社のTV-CMはもちろん、同社がメインスポンサーであるサッカー・ワールドカップのテーマ曲も歌っている。これはK'Naan(ケイナーン)が歌う2010年のワールドカップ南アフリカ大会のテーマ曲「Waving Flag」の中東バージョンで、ナンシーがコラボしている。

こちらは2013年末頃のミュージックビデオなので、もう6年以上前のものだが、恐らくベイルートの市街地の様子も垣間見得て面白い。

ナンシーは2008年に結婚し、すでに3人のお子さんのいる母親だ。2009年からはユニセフの親善大使として活動し、子供たちを支援する活動にも力を入れており、日本で言うならアイドルを卒業した「ママタレ」といったところだろう。最近は洗剤など家庭用品のCMにも引っ張りだこのようだ。

ちなみに以前はソニー・エリクソンの携帯電話や日産自動車など日本関連企業のTV-CMにも出演していた。

ナンシーの曲は他の中東シンガーに比べて西欧ポップな雰囲気が強く、アラビア語の歌詞は全く理解できなくとも、日本人にも聞きやすいと思う。もちろん中東音楽の独特の節回しも感じるが、どことなく日本の演歌を連想させ、私たちの世代には懐かしさを感じるのかもしれない。

ナンシーのInstagramは2,800万フォロワーを超え、世界でだいたい150位ぐらい。絶大な人気と言っていいだろう。

つい勢い込んでナンシー愛を語ってしまったが、中東レバノンには他にも魅力的なアーティストがたくさんいる。日本のメディアで取り上げられることのまずないこうしたアーティストを発見して楽しめるのもYouTubeのおかげだが、興味を持った方はぜひ探してみていただいてはいかがだろうか。

この記事をきっかけに、A-POPブーム起きないかな・・・。

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