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フランス語の国名の形容詞が面白い

(はじめに)


最近、31年ぶりにフランス語の勉強を再開して、ポロネーズがフランス語のポーランドの形容詞で、その女性形と気が付きました。また、「インドの」というフランス語の形容詞を習っていて、ヒンドゥー教というのは、ひょっとしてインド教という意味じゃないかと気がついたのです。

1. ポロネーズ


フランス語でポーランドは、女性名詞でPologne(ポローニュ)です。そして、その形容詞は、男性形がpolonais(ポロネ)、 女性形がpolonaise(ポロネーズ)です。「あれ、ポロネーズってどこかで聞いたことがある。」と、フランス語の演習問題を解いていて、気が付きました。そこで、国語辞書をひくと、ポロネーズとはポーランドの代表的な歌曲や民族舞踊となっていました。そうそう、確かに音楽で、そういう風に言われているのをうっすらと聞いたことを思い出しました。私のそれまでの理解も国語辞書と同じで音楽用語だと思っていましたが、フランス語の方からポロネーズというのを調べてみると、そうではありませんでした。ポロネーズは、ポーランド人の、ポーランド語のという意味で、音楽だけに限らず使うのです。例えば、「Je suis polonaise.(私はポーランド女性です)。」というので、この場合、けっして音楽のことではありません。ですから、人がポーランド女性だったり、名詞が女性名詞のときには、何でもポロネーズとしなければなりません。勉強はするものですね。視野が広がりますね。

2. ヒンドゥー


フランス語で、インドは女性名詞でInde(アーンド)、その形容詞は男性形でindien(アンディアン) 女性形でindienne(アンディアンヌ)です。形容詞女性形の発音以外は、まあ日本語から想像できる範囲です。
ここで、「ヒンドゥー教の」というもう一つの形容詞形が、辞書の中で、近くにあったので、見て、もう一つ大事なことに気が付きました。
辞書には、「ヒンドゥー教の」という形容詞は、フランス語でアンドゥと発音し、hindouと綴るかindouと綴り、アンドゥと発音するとありました。フランス語のhは発音しないので、どちらの綴りでも発音はアンドゥとなるわけです。インドの国名のInde(アーンド)と「ヒンドゥー教の」という形容詞のhindou(アンドゥ)って、ほとんど同じ発音じゃないか。ヒンドゥー教というのは、ひょっとしてインド教という意味じゃないかと気がついたのです。つまり日本語では別のように聞こえますが、hを発音しないフランス語では、全く同じに聞こえるのです。それで、やはり、ネットで調べたら、ヒンドゥーとはインドのという意味からきていることが分かりました。
これで、いろいろなことが氷解しました。
ヒンドゥー教   → インド教
ヒンズー教   → インド教
ヒンディー語  → インド語
ヒンドゥーとヒンズー、インドを、高校生のころ全く別々に世界史や地理などで習っていたので、私を含め多くの日本人は別物という認識でしたが、同じ一つの概念から来たものだったんですね。私は、フランス語を習ってはじめて同じものということがわかりました。

(おわりに)


このようにゲルマン系の言葉以外にラテン系のフランス語を学ぶのは、今までわからなかった色々なことが氷解して面白いと思いました。
*なお冒頭のインド国旗の写真は、次のウィキペディアから引用させていただきました。最終更新 2023年4月13日 (木) 12:02。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%AE%E5%9B%BD%E6%97%97
 
2018年6月13日 随筆
2023年4月28日 加筆

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