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「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門」感想と要点紹介⑧

こんにちは、papaたぬきです。
書籍「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門」より、
私たちの心に語りかける、よくある「お前はできない」「やらない方がいい」といった思考についてまとめたものを記事にしたいと思います。

心は、私たちが何か新しいことを始めると、決まってある警告を発します。
それは、
「失敗するかも」
「ミスするんじゃないだろうか」
「拒否されるかも」
「やらない方がいい」
といった、行動をやめさせ、今まで過ごしていた方法に戻そうとするメッセージです。
心はネガティブ思考やおぞましいイメージ、嫌な思い出、様々な不快な感情や感覚によって私たちに警告を発します。
そしてあまりにしばしば、私たちはこうした警告に従い、行きたい方向に人生の駒を進めるのを諦めてしまいます。
ある人はこれを「コンフォートゾーンに留まる」と呼びますが、実は本質的には少しもコンフォート(安楽)ではなく、むしろ「人生のチャンスを逃すゾーン」と呼ばれるべきだといわれており、せっかく思い立ったにも関わらず行動に結びつかないことの勿体なさについて書かれています。

必要なことは、どんなにネガティブ思考に脅かされようとも、毅然と目的に沿って必要な行動をとり続けることです。
行動を取り始めようとするときや、行動をしている最中でも、しばらくしつこくつきまとう否定的な思考があるかもしれませんが、そのまま行動をしばらく続けていると、あなたの方が慣れてしまい、次第に当初気にしていたよりも気にならず、また気になったとしてもすぐに必要な行動に立ち戻れるようになるのです。
思考をよく観察してみれば、最初に恐れていたよりもずっと恐ろしく感じず、無理に押さえつける必要すらも感じなくなるのです。
それは、ネガティブ思考をポジティブに見るのではなく、またネガティブ思考を見ないで済むようにするのでもありません。
ネガティブな思考を必要以上に大きく見るのでなく、ありのままを見ること、そして思考に価値判断を加えず、ただの言葉の羅列として受け入れることができるようになるのです。
ここで注目したいことは、「新しく行動をするときにはたいてい不快さがつきまとう」ということです。
何事も安心して、保証された、ノーリスクの、気持ちのいい状態が揃って行動したいと通常は考えますが、それを求めているうちはおそらくどんな新しい行動もとれず、コンフォートゾーンに留まってしまう可能性は高くなります。
「快・不快」「好き・嫌い」「良い・悪い」の軸で判断していると、どうしても居心地の悪い方を避けようとしたり、問題解決を図ろうとするなど、ACTでは「悪あがきのスイッチ」を入れてしまうようになるといわれています。

シンプルな問題であれば解決もできるかもしれませんが、複雑で、解決の保証のない、不安定な問題である場合は解決が難しく、むしろ明確な答えを得るのは不可能な場合も少なくありません。その場合は問題解決的な行動や考えは裏目に出ることが多く、より自体を拗らせてしまったり、短期的には結果が出たとしてもすぐに再び問題が生じ、長期的には価値に沿う結果に結びつきにくいといわれています。
このようなときは、本当は避けたい思考や感情があったとしても、それを避けることなく受け入れ、我慢するのでなくありのままを見るような態度で心を開き、思考は言葉の羅列であること、恐れる必要はないこと、本当に必要な行動は何かを見定めることが求められます。
必要に応じて、前回記事で紹介した「脱フュージョン」のテクニックも有効になります。
囚われていることに気づき、思考と適度な距離をとり、落ち着いて行動できるようになるのです。

続きは、また次回に。

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