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富士山チャレンジ2023 〜完結編

無事登頂を果たしたが、富士山の本当の「てっぺん」は剣ヶ峰だ。

さて、ひと休みしたら行くか!と言うとジナンボは「え、マジで…もう無理…」チビ助はチビ助で頭が痛いと言う。

子どもの大袈裟なしんどいアピールもあるだろうし、まあちょっと休んで考えよう、と言うことにしたが、チビ助は症状を聞くと高山病の恐れがあったのでバファリンを飲ませて様子を見る。

そしてイベントのひとつ、富士山の、いや日本のテッペンから母に手紙を出す。

ミッションコンプリート。

あとはとりあえず登頂記念に火口を見に行って3人で記念撮影。

さて、どうする?と聞くとチビ助はもう、気分が悪いと言い出した。
こりゃもう、完全に高山病だな。予防にしっかり深呼吸しろ、水分摂れ、と言ってきたが、最後の方は「もう大丈夫だろ」と特に声掛けしてなかったのがまずかったか。とは言え高山病は発症したら対策はとにかく高度を下げるしかない。
身体が動くうちに下山しよう、と剣ヶ峰は諦め、下山開始。
しかし、3500m付近まで降りたところでとうとうチビ助が戻し始めた。まずいな。
とりあえずバファリンは既に飲ませてあるし、あとは高度を下げる以外に手はない。
最悪はチビ助ぐらいなら担いで降りればよい。

とりあえず落ち着いたところで更に高度を下げる。3500mを切ると戻してスッキリしたのかケロッとしている。まだ微妙に頭は痛いと言っていたが、とりあえずは何とかなりそうだ。(オレは吐瀉物が入った袋を下まで持ち歩く羽目になったが…登山道にぶちまけるのも憚られたので、袋に受けたが、聞いてみたらバイオトイレにはやはり捨てられないらしい)

あとはひたすら高度を下げていく。ずっと登りもキツいがずっと下りもキツい。
途中、カオナシとすれ違ったり、サンダル履きの軽装のガイジン、外国人連れて愚痴を言ってるツアーガイド…様々な人種がいるなぁと人間観察しながら。

ブルドーザー道を走るブルドーザー。割と危険な角度。

一方、富士山は電波もよく、LINEでの連絡が取れる。
どうやら義父はそのままマイペースで登り続け、8合目までは来れたようだ。登りで体力使い切って降りれなくなるパターンもあるので、無理をせず、とだけアドバイスし、8合目からは下山を始めたようだ。

最後は、昨晩泊まった宝永山荘で再合流でき、五合目までのパレードランは一緒に降りることにした。

そして無事、バス亭へ。

下山コーラで乾杯し、「疲れたー!」とやり切った充足感に浸る。

バスに乗り換え、駐車場に向かう車中で「来たぞ」

パラパラと降り出した雨は一気に本降りに。当然レイン装備も持ってはいるが、山での雷は怖い。崩れる前に下山できてよかった。全ては想定通り。完璧なプランニングであらゆるリスクを回避できたことに我ながら悦に入っていた。

そして車を置いている駐車場のバス停に到着。
雨は土砂降り。
「…パパ、これ車までどないするん」
「…走ろっか…」

…どうにも詰めが甘い。

そんな日本のテッペンを足枷いっぱい付けて取ってきたぜ、って話。

-了-


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