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【サガン鳥栖】野田 直司フィジカルコーチ

■プロローグ

 ウェアラブルデバイス『Knows』を導入頂いているチームへの取材を敢行!
強度の高い試合展開でJ1を席巻している【サガン鳥栖】の、野田 直司フィジカルコーチに”プロカテゴリー初”となる取材をさせて頂きました。


■『Knows』はフィジカルコーチである野田さんが管理されているのですか?

 基本的にはそうですね。主に選手のコンディション管理や、トレーニング強度の把握として活用させてもらっているので、チーム内では私の管轄下にさせてもらっています。もちろん監督や他コーチ陣、選手らとの情報共有は、密に取っていますが。


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■導入開始となった2019年から数え、今年で4シーズン目になりますね。

 私がサガン鳥栖に赴任する前、他チームに所属していた頃は海外製の他社メーカーを使用していた中、ちょうど赴任前後に『Knows』が新たに普及しつつあった頃で、比較検討をさせて頂きました。導入を決めた理由は大きく3点。ひとつは“リアルタイム”で、サッカーに必要な計測項目が分かりやすく可視化できる点です。その当時迄で氾濫していた海外製品だと、表記が英語かつPCのみでの閲覧だった為、わざわざ重たいPCをグラウンドに持ち運ぶ必要がありましたが、『Knows』だとアプリを通じてiPadでの閲覧が可能で便利ですし、もちろん日本語対応。リアルタイムでの数値閲覧が叶う事で、監督や選手も興味津々でiPad周辺に群がる事も良くある光景ですね。
 そして設定ゾーン毎に応じて、心拍数や走行速度がカラフルな色分けで一覧化されている為、私から監督陣や選手らへのフィードバックの効率化にも繋がっています。こういった分かり易さが2点目。他にも魅力はたくさんありますが、最後はやはり“価格面”の強みは度外視できません。『Knows』のコンセプト自体が“育成年代への普及”を謳っている通り、海外製品に比べると圧倒的に安価で高品質。ゆえに所属選手数と同じ数のデバイスを導入できる為、試合時のみならず日々のトレーニングからの装着が実現しました。これら3点が、我々がKnows導入の決め手となった大きな理由です。


■弊社としてもトレーニングからの活用を推奨していますが、サガン鳥栖ではどのような狙いで使用をしていますか?

 “試合からの逆算”という狙いで使っていますね。目標となる試合に向けて、トレーニングで求めたい強度、負荷との擦り合わせをしています。『Knows』導入の前と比べて、劇的に変える事はないのですが、やはり数値化される事によって、自分自身のトレーニングメニューの整理や修正のヒントに繋がっています。
 また、試合はあくまで相手ありきで数値が変動すると思いますが、トレーニングにおいては選手個々の成長や進化を明確に算出する事ができるのも、トレーニングから活用するメリットだと考えています。一過性のものではなく、年々データを蓄積する事により得られるものは多方にあると思いますね。


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■導入頂いているチームによっては、所属選手の数よりも『Knows』台数が少ないケースが多々あるのですが、その場合に装着選手の選定基準案等はありますか?

 あくまで私見ではありますが、高強度ランニングの適性を見るためのA.《ヨーヨーテスト》と、持久力の適性を見るためのB.《3000m走》の2つを実施し、そのランキングに応じて4つのグループに分けるのはどうでしょうか。要は、➊AとBいずれも上位、➋Aが上位でBが下位、❸Aが下位でBが上位、➍AとBいずれも下位といった4つのグループに分ける事で、チーム内における走行特性がみえてくると思います。そうすれば、グループ毎で装着選手を変えるなり、色々と均一に使用できるのではないでしょうか。


■サガン鳥栖のアグレッシブなサッカーは有名ですが、特に注目している計測科目は何ですか?

 高強度ランニングの割合が算出される”HI” (用語解説リンク:https://know-s.com/2022/01/26/commentary_hi/ )はチーム全体で気にしている項目ですね。しかしながら、最も留意している項目は”加減速”の値。その中でも少し専門的になりますが、Z3の加速が1番求めている項目になります。(※速度の変化の値で、Z3は3m/s/s以上)
 うちのスカウト時の印象的な話でいくと、アジリティに定評のある2人のアタッカーを比較した際、Aという選手は最大速度やスプリント力があり、Bという選手はA選手よりも左記2項目は遅かったのですが、どうも試合になるとB選手の方が速く見えて活躍する。これを深堀してみると、加速の部分に大きな強みがありました。やはり加減速の強度や能力は、サッカーに大きく必要な要素なのだと再認識しましたね。


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■もし『Knows』の計測項目に新たな項目を追加できるなら、何か希望はありますか?

 ジャンプの部分を算出できると良いなと思いますね。特にセンターバックの選手は、他の選手と比較すると、ポジション柄どうしても走行距離やスプリント回数は伸びにくい。しかし、相手フォワードとの競り合い等で、結構な回数をジャンプしていますよね。彼らにとっては、そこがひとつパフォーマンス指標にもなりますし、疲労度の把握ツールにもなるのかと。そういったポジション毎の計測項目等が追加できれば、より良いフィードバックができるんじゃないかと期待しています。


■最後に今シーズンの目標を教えてください。

 チャンピオンチームになるべく、日々の練習から100%を尽くしていきたいと思います。もちろん私は選手ではなくフィジカルコーチという立場ですので、選手全員が持っている力を100%出せるようなサポートを『Knows』と共に遂行できればと思います。
 いつもシーズン前における、各スポーツ紙等の順位予想では下位に評される事が多く悔しいので、結果で見返せられるよう全力で頑張ります!


■おわりに

 遂に開幕した明治安田生命Jリーグ2022シーズン。アウェーの地でサンフレッチェ広島との開幕戦に挑んだサガン鳥栖は、攻守にアグレッシブなプレーを見せ、結果はスコアレスドロー。ゴールまであと僅かに迫るチャンスシーンも数多くありました。そしてJ1の開幕節全試合におけるチーム別走行距離ランキングでは、サガン鳥栖がトップを獲得!
 そんなサガン鳥栖のJリーグにおける『Knows』スタッツデータを、今シーズンは特別に毎月公開を予定!攻守に渡り縦横無尽にファイトしている小泉選手の走行距離やHI値、前線で躍動する垣田選手や藤原選手スプリント回数をはじめ、要チェックの内容です!

《執筆》Knows 竹内 一平


◆スタッツ公開リンクはKnows HPのニュースページから閲覧可能

URL:https://know-s.com/news/


鳥栖 野田さんアイキャッチ


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