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文字通り"チキンレース"コンビニトップ ファミチキ人気の理由は?

 こんにちは。ノウンズの桜井です。

 みなさんはコンビニのホットスナックを食べますか?
 私は「利きチキ」ができるくらいには大好きなのですが、今回分析テーマを検討中に以下の記事を発見しました。

引用元:みんなのランキングより

 個人的に一番好きな商品はセブンイレブンの「ななチキ」なのですが、5位という結果…。

 そして「ななチキ」になんと10点差をつけて堂々の1位がファミリーマートの「ファミチキ」…強い。ちなみに他サイトでもファミチキの評価が高く、強さが際立っていました。

 そこで、今回はファミチキが王者である所以を、Knowns Bizで調べてみたいと思います。


マップで見てもファミチキ強し

 以下はKnowns Bizで「持ち帰り弁当・惣菜」でカテゴリを絞った場合の、
満足度×認知率マップです。

Knowns Biz調べ:満足度×認知率マップ 持ち帰り弁当・惣菜カテゴリ

 やはりこのマップでもファミチキの強さが現れています。

・ファミチキ:認知率93%/満足率87%
・からあげくん:認知率82%/満足率86%
・Lチキ:認知率63%/満足率87%
・ななチキ:認知率77%/満足率84%

 満足度だけでいうとどれも大差は無しです。ただ、ファミチキの認知率が凄まじい。

 ちなみに、認知率93%というとどのくらいかと言いますと、芸能界BIG3レベルです。

Knowns Biz調べ:認知率・好感度 お笑い芸人カテゴリ

 この認知率で、この満足度というのが、まさに王者の風格です。

 また、このマップを見ると、「ななチキ」と同じセブンイレブンの「揚げ鶏」の満足度の高さがファミチキレベル。
 もちろん認知が他より低いため、コアファンが多い傾向=満足度が高く出やすいのですが、これはノーマークでした。

※ちなみに違いとしては、

・スパイシーな味わいが特徴のななチキに対して揚げ鶏はシンプルな味付け
・ななチキはおやつ感覚で食べることを想定して開発されており、幅広い世代がターゲット
・それに対して揚げ鶏は、ご飯のおかずになるように作られた。
 そのため主婦層をターゲットに。

とのこと。

 上記のように各社チキンについては複数商品あったりするのですが、今回は、私個人がTOPと思っていた かつ コンビニとしては最大手のセブンイレブンの「ななチキ」と王者「ファミチキ」を分析していきます。

ななチキ vs  ファミチキ 購入する人どんな人?

 では、まず各商品について、どんな人が購入しているかを見ていきましょう。

■セブンイレブン:ななチキ

Knowns Biz調べ:デモグラフィック分析 ななチキ

■ファミリーマート:ファミチキ

Knowns Biz調べ:デモグラフィック分析 ファミチキ

 こうして見ると、購入者属性に大きな違いは無いようです。性別・婚姻有無・子供有無の割合にも大きな差異はなく、どちらも年代割合のグラフの形は似通っています。

 続いて、サイコグラフィック(個人価値観)を見てみましょう。

■セブンイレブン:ななチキ

Knowns Biz調べ:サイコグラフィック分析 ななチキ 個人価値観

■ファミリーマート:ファミチキ

Knowns Biz調べ:デモグラフィック分析 ファミチキ 個人価値観

 こちらも、コンビニでリーズナブルに手軽に買える、という点では納得の価値観がでています。
 ここでも大きな違いはなく、「こういう価値観の人がファミチキを求めやすい!」という要素は見られませんでした。 

 ちなみにここでは画像としては入れていないのですが、"健康志向"がななチキで9位、ファミチキで7位に入っています。
 コンビニのホットスナックというとジャンキーなイメージがあったが、「ジャンクフード」というイメージから、食卓のおかずという用途に変わりつつある、あるいはすでに変わっている?のかもしれませんね。
(最近のCMでも、家庭の食卓で出す1品、という見せ方をしてますよね)

ファミチキの依存度・ハマり度の高さ!

 では、イメージ分析で比較してみましょう。
 各商品に持つイメージですが、

■セブンイレブン:ななチキ

Knowns Biz調べ:イメージ分析 ななチキ

■ファミリーマート:ファミチキ

Knowns Biz調べ:イメージ分析 ファミチキ

 上位の項目自体に大きな違いは無いのですが、ファミチキの"ハマる・依存する"が持ち帰り弁当・惣菜全体のイメージ平均値×160%(青字表記)となっており、突出しています。
 ななチキも決して低くはないのですが、ファミチキが圧倒的すぎるのです。

 また、ファミチキは"必要・ないと困る"という項目でも持ち帰り弁当・惣菜全体のイメージ平均値×141%(青字表記)という数値を叩き出しており、いかにユーザーの依存率が高いかが分かります!

 さらに、ファミチキ購入者の消費価値観をみてみると、

Knowns Biz調べ:サイコグラフィック分析 ファミチキ 消費価値観

 "リピート消費(※)"が3番目に来ており、消費者の価値観とも合致していることが分かります。
※自身が使用し気に入ったものをずっと買い続ける消費者行動

 上記項目が上位に来ているのはファミチキ特有で、ななチキでは8番目でした。

 この消費者価値観は、コンビニ自体の利用者の価値観とも合致します。
 以下は各コンビニ利用者の消費価値観のグラフですが、どちらも"リピート消費"が2位になっているのでファミチキは商品としてもそういった人たちの特性をうまく取り込んでいると言えます。

■セブンイレブン

Knowns Biz調べ:サイコグラフィック分析 セブンイレブン 消費価値観

■ファミリーマート

Knowns Biz調べ:サイコグラフィック分析 ファミリーマート 消費価値観

 さらにさらに・・・

ファミチキは一度食べたらやめられない!?

 次は、ファミチキの「中毒性」についてデータを見ていきたいと思います。

(1)リピーター層は約2倍?やみつきになる人が続出!

 各商品の7Journey分析をしてみます。

■セブンイレブン:ななチキ

Knowns Biz調べ:7Journey ななチキ

■ファミリーマート:ファミチキ

Knowns Biz調べ:7Journey ファミチキ

 ななチキのロイヤル層(現在購買していて今後も購買意向がある人)が36.7%なのに対して、ファミチキはなんと53.4%!
 しかも、「巻き戻し層」(ロイヤルに戻る可能性のある層)も21.8%おり、さらにロイヤルが増える可能性すら秘めているという・・・

 ちなみに同じくふと食べたくなる中毒性の高い「ハッピーターン」でもロイヤル層は48.9%。恐るべしファミチキ。

(2)特にリピーターが多いのはどの世代??

 また、年代ごとの認知、好感、購買率を見てみると、以下の通りファミチキは折れ線・棒グラフの差異が非常に少なく(特に若年層は「購買経験」≒「次回購買」になっている)、複数年代でリピーターが多いことが分かります。

Knowns Biz調べ:年代別比較 ななチキ
Knowns Biz調べ:年代別比較 ファミチキ

(3)他の商品には目もくれないくらいに好き!

 以下は、ななチキ/ファミチキ現購買者が、同時にどの商品を購買しているかランキングにしたものです。

■セブンイレブン:ななチキ

Knowns Biz調べ:ブランドスイッチ分析 ななチキ

■ファミリーマート:ファミチキ

Knowns Biz調べ:ブランドスイッチ分析 ファミチキ

・ななチキ現購入者の84%が、ファミチキも購入。
・ファミチキ現購入者も同時購入商品はあるが、次点の割合でも64%にとどまる。

 他類似商品を購買していてもファミチキを購入している人が多く、逆にファミチキ購買者は他類似商品の購買率は低く出ている結果となりました。

 リピート消費という消費価値観を持っている人をしっかり取り込み離さない。消費者の声を見ても、反映されているようです。

Knowns Biz調べ:消費者の声 ファミチキ

  ななチキには、ファミチキと比較する声も。

Knowns Biz調べ:消費者の声 ななチキ

 また、ファミチキは「ファミチキへの怒り(※)」など、話題性にも事欠きません!イメージ分析でも高い数値を出していた"期待感・ワクワク""爽快元気・エネルギッシュ"にもそれが表れているのかもしれません。
(そういったイメージから、「買ってみようかな」に繋がりやすいですよね)

伝説の始まり。ファミチキへの怒りとは
https://newscast.jp/news/3084567

NEWSCASTより

<まとめ>

ファミチキは
・認知率/満足率ともにホットスナック界を牽引
・購入者属性、ブランドイメージも他と大きな差異がない
・ただ、「ハマる・依存する」の数値が突出
・さらに、「ロイヤル層」の割合が非常に高い(「巻き戻し層」も然り)

 一方で、ななチキも「チャンス層(購買したことはないが、したいと思っている)」や「きっかけ待ち(非購買かつ購買経験ないが、認知はしている)」の合計=潜在顧客が20%近くあり、その人たちがロイヤル層に移行する可能性も秘めています。

 と、分析をしているだけで無性に食べたくなってきます。
 みなさんはどの層にあてはまりますか??
 
 もし潜在顧客層にあてはまるなら、ぜひコンビニへ!
 一気に「ロイヤル層」になるかもですね!

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