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1年で株価が3倍に⁈ コロナ禍でも株価上昇の理由

記事のジャンル ⇒ インベストメント(決算書分析)

神戸物産(3038)の株価は2019年まで2000円台を記録していましたが、コロナが拡大した2020年に入り一時6000円台を突破しました。小売・飲食店を展開する同社ですが、なぜ株価は上昇したのでしょうか。

●目次

・スーパーが主要事業
・ブルーオーシャンを開拓
・まとめ

●スーパーが主要事業

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事業内容を確認する際は決算短信のセグメント情報が参考になります。セグメント情報を確認すると、神戸物産はスーパー事業と飲食店関連事業を展開していることが分かります。コロナ禍では外出自粛によって飲食店が軒並み閉店をしましたが、神戸物産の株価はなぜ下落しなかったのでしょうか。

コロナ禍が起きる前の2019年10月期の売上高を確認すると全体で2996億円で、9割がスーパー事業の売上です。外出自粛が起きても食事は必ずとらなければなりません。飲食店事業は影響を受けたものの、主力のスーパー事業が全く影響を受けていなかったため、会社全体への影響はありませんでした。実際に2020年10月期第3四半期累計の売上高は2594億円で、前年比で17.7%増加しています。

コロナによる影響を受けなかったことが好材料となり、2020年に株価は急激に上昇しました。コロナで各銘柄の株価が下落する中、投資先が見つからない投資家のマネーが神戸物産株に集まった形と言えます。

●ブルーオーシャンを開拓

ブルーオーシャンとはまわりに何もない海、マーケティング用語で誰も競争相手がいない市場のことです。競争相手がいないため見つける事ができれば独占することができます。もちろん必ず儲かるわけではありません。例えば鹿児島から北海道までヨットで移動するサービスは誰も展開していないためブルーオーシャンに見えますが、そもそも需要が無いため儲からないでしょう。

実は神戸物産の展開する業務用スーパー市場はブルーオーシャンだったのです。従来型のスーパーはイオングループや地域密着型チェーン店が独占し、新規参入の余地がありませんでしたが、業務用スーパーは2000年以前はあまり見かけられず、消費者の間で認知度は低めでした。しかし業務用スーパーは商品1gあたりの商品価格が従来型店舗よりも安く、お得感があるため、消費者の間で定着していきました。実際に「業務スーパー」の店舗数は2001年に40店舗、2005年に360店舗、2018年に800店と順調な伸びを続け、現在は1000店舗突破を目標としています。

こうした背景から、今後も神戸物産の業績は伸びると考えられ、投資家のマネーが集まりました。

●まとめ

1.神戸物産はコロナ禍で株価が3倍に
2.コロナで影響を受けなかったことで株価が上昇した
3.ブルーオーシャンを開拓していることが好材料となった

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