SDGsと保健指導の狭間で。

SDGs12「持続可能な生産消費形態を確保する」

これは2015年の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の12番目の国際目標であり、主にゴミ問題や浪費、そして食品ロスなどの課題に対するものだ。

実は、これとの狭間で葛藤することがある。外食の多い方への減量指導の中では、食事を残すことを勧める時があるからだ。イコール、食品ロスの推奨である。

もちろん私としては本意ではない。祖父母は農家で、日の出前から働いていたし、祖父に至っては60代にして早くも二つ折りになった腰をなんとか伸ばしながら畑仕事する様子も見てきた。お米一粒の価値もわかっているほうだと思うし、お肉やお魚などの命の恩恵にも感謝している。

ただ、どうしても、まずは食事を残しましょう!っていうアドバイスをしたくなる時があるのだ。

そもそも、外食するサラリーマンのためのメニューの選択肢はどの店も似たり寄ったりで、早く出てくる店、安い店が出すメニューは、高い確率でボリューミーだし、高脂質、高糖質。おまけに「おかわり無料」などと言われれば、食べなきゃ損!という気持ちにもなる。

もちろん、保健指導の場面では、お店を変える、オーダーメニューを変えるなどのアドバイスはするものの、実際そういうお店は数自体が少なめだったり、オーダーメニューを変えたところで、結局はどのメニューもボリューミーだったりしてあまり意味がない。たとえ数件、数メニュー見つけられたとしても、ほぼ毎日外食するサラリーマンにとっては、ランチの選択肢が狭まることは必至で…。

そんなつまらないランチを勧めることは、実践可能性の低い保健指導で終わってしまう。であれば、今まで食べていたのと同じようなメニューから、餃子一個、ご飯一口を残すアドバイスをした方が分かりやすい場合があるのだ。

最近は、ごはん少なめ、麺少なめ、その分減額、なんていう店もチラホラ出てきているが、もっと健康的なメニューを提供してくれる、かつ安くて早いお店を増やす仕組みは作れないものか。前菜で野菜出してお食事は適量とか、おかずも少なめをオーダー→減額できるとか。

いずれにしても、減量のためには、どのみち何かしらの健康教育が必要であることは承知しているし、本人の努力ももちろん必要だが、せめてもうちょっと健康的な外食の選択肢が増えることを願わずにはいられない。SDGsとの狭間にいる私のためにも!

例えば、50円分の食事を減らしたら、その分は食糧難の国々に寄付されるとか…。ダメかしら?こちらも健康に、あちらも健康に。

そういうのが出来たら、SDGs2「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する」とか、SDGs3「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」とかの達成にも貢献できると思うんだけど…。

自治体の中には、そういったヘルシーメニューを提供するお店の認定制度が以前からあるようだけど、それも含め、社会全体で、もっともっとパワーアップ、スピードアップできたらいいなと思います(^^)

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