「集中して」取り組めるのか?:注意
以前の記事で取り上げた、知能のPASS理論の構成要素のうち、この記事では注意について簡単にご説明します。
PASSという認知処理過程とは、人が考え、学び、問題を解決する際に用いられる重要な仕組みです。これは、読み書きや算数などの学習だけでなく、車の運転や夕食の準備といった日常生活にも深く関わっています。
注意とは、複数の刺激の中から特定の情報に焦点を当て、関係のない刺激への反応を抑える心的過程です。この能力によって、私たちは必要な情報に集中しつつ、不要な音や光景に惑わされずに行動できます。
この概念を理解するために、よく知られた動画を例に挙げます。白いTシャツを着た人たちがボールを何回パスしたかを数えてみてください。
この動画では、視覚的な選択と抑制の重要性が実感できます。この課題では、白いTシャツの人物だけを追いかけながら、黒いTシャツを着た人物の動きや余分な動作に注意を奪われないようにしなければなりません。また、途中で現れる意外な物体や動き(例:ゴリラの着ぐるみを着た人が登場するなど)に気を取られることも避けなければならないため、集中力を維持しつつ、無関係な情報を意識的に抑制する必要があります。このように、特定の情報に焦点を当てる「選択」と、それ以外の刺激を遮断する「抑制」が、注意を効果的に働かせるために欠かせないプロセスであることがわかります。
学習においても注意能力は欠かせません。たとえば、選択形式のテストでは、問題文に「適切ではないものを選べ」と指示される場合があります。このような場面では、子どもは質問文を正確に理解し、選択肢を注意深く吟味する必要があります。また、正解に近いけれども誤った選択肢を無視し、正解を選ぶ能力も求められます。
さらに、教室内のざわつきや外で遊ぶ子どもたちの声など、環境の雑音を無視する力も重要です。数分以上の集中力や問題文を注意深く読み取る力、口頭で伝えられる指示に従う力など、多くの学習場面で注意能力が必要となります。
KNOTでは、DN-CASなどを用いて注意能力の評価を行い、お子さまの強みや弱みを把握します。これにより、認知的な課題を補い、スキルを伸ばすための適切な指導方法を提供しています。
もし、お子さまの学習や行動に心配がある場合は、早めに専門的な評価と支援を受けることをお勧めします。問題が大きくなる前に対処することが大切です。
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