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どの当事者でもない私が、”こころ”の仕事に関わるということ。—行動する情熱を。

不確かな仕事のアイデンティティ 

”こころの仕事”という領域で果たして、私の立ち位置というのは、どこにあるのだろう?

わたしは「こころ」のための専門メディア、そして心理検査という「心の理解と支援のため」のツールを開発している会社を経営しています。

…しかし、自分のポジションがわからなくなることが、時にありました。

私は、思い通りにならないことを抱えた当事者でもなければ、医師や心理職のような直接支援に関わる当事者というわけでもありません。

本を読んだり、学会で発表を聞くたび、高見の見物をしてしまっているような気がしてしまって、その孤独感に悩まされたことも何度かありました。

メディアとか、ツールの開発とか言っても、果たして、自分はどの立場から物語る人なのだろう、と。

「あなたは現場のことがわかっていない」

と、一言で片づけられてしまってもおかしくない立場だと、いつも思っています。

そして、自分なりに見出した結論を、本文では記そうと思います。

選手経験のない「名監督」という存在

ここで、私の立ち位置を考えるために、僕はいつも好きなサッカーのことを考えます。

サッカーの世界には、未経験だったり、サッカー選手として大成しなかったけれど、名監督として結果を出してきた監督が少なくありません。

2014年ブラジルW杯で日本代表を率いていた、ザッケローニ監督もその一人でした。

私はいつも、こうした監督たちを見て思うのです。

「私がプロ選手たちの真似事をしても、きっとごっこ遊びにしかならない。それよりは、経営者として結果を出せる人でありたいな」 と、いつも勇気づけられています。

当事者ではない、居場所があるはずだと、彼らから思うのです。

私のありたい姿

こうした名監督に見習いながらですが、私のありたい姿があります。

それは、

①みんなのモチベーションを意識し、人を巻き込む。

②アイデアを実行する行動力。

この2点です。

①モチベーションについては、仕事においては、一人一人がちゃんと自分に価値があると思えるということや、自分に居場所があるという心理的安全性のような考え方が重要だと考えています。

人それぞれのスイッチがある。私のルーツは下記に詳しく書きましたが、日本社会のために、自分のやっていることがつながっているということが何よりもモチベーションになります。

かつては日本の国益の実現のために自動車メーカーに入りましたが、今は日本社会のために、メンタルヘルス領域の会社で頑張っています。手段は変わろうと、目標が変わったつもりはありません。

人が、最も気持ちよくパフォーマンスができる瞬間というのは、

「自分の突き動かされる動機」と、「仕事で求められていること」が重なりあっているときだとわたしは思っています。

その人が生きてきた人生と、今この場がリンクできる物語が必要だと思います。

その物語を一緒に考えられる監督とか、経営者でありたいと思っています。

社内外の人と、どんな人と関わっても、私はこれを思います。

(※もちろん方向性が一致しないこともあるけど、ここでは考慮しません)

②アイデアを実行する行動力。

わたしは、どの当事者でもないと、文章のなかで、先に書きました。どの当事者でもないのだから、あえて、別の視座を持ち、そしてアイデアを実行する行動力こそが重要だと思っています。

そして、何をみんなが今知りたいと思っているのか、徹底したリサーチを行うことが重要であると考えています。

私が尊敬している人は、大学時代に実際に教えを受けていたけれど、田原総一朗先生です。(筆者と田原先生)

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田原先生は、とにかく思い立ったら現場に出かけたり、人に会いに行ってきた人生であることが、自伝の『塀の上を走れ』なんか読むとよくわかります。

そう、とにかく人に会うと「今、自分が知らない世界で何が起きているのか」をよく知ることができます。

そして、困りごととか、疑問に思うことがあったら、徹底してリサーチをします。

「この世界のあるべき姿はなんだろう?」

そう思ったところから、自分ができることを探ります。

色んなネットワークから現場の人たちの話を聞いたりしながら、本やインターネット、論文で「今必要なことはなにか」を特定していきます。

結果として、私が直近でたどり着き、実行したのは心理検査のオンライン化と、専門情報をインターネット上で発信するメディアづくりです。

(オンライン化する上では、カナダの会社まではるばる足を運んだりヒアリングをしました。)

社内では当初、反対の声もあったり、いろんな大変なこともあったけれど、経産省から補助金を取ってきて「やらなきゃいけない」環境を作ったり、とにかくアイデアを実現するためにベストを尽くしました。

自分の見つけた居場所

わたしは、専門家でも、当事者でもありません。

あくまでわたしはビジネスマンであり経営者です。願わくば、自分の事業が社会に役立つことを心から祈っています。

現場のこと、わからないこともあるかもしれませんが、とにかく頑張ってわかろうとします。そして、そのアイデアを実現したいです。

メンタルヘルスの世界で、ときに私は孤独を感じながらここまでやってきたけど、その立ち位置こそが、私の居場所なのだと思うようになりました。

①人がより幸福に生き、人生を充実させることができるよう、専門性や科学に裏付けられた情報発信をしていくこと。

②「こころの理解と支援のため」に役立つ心理検査ツールの開発と販売。

こうしたビジョンを実現しながら、きっと、居場所がみつかるだろうと信じています。

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そして、経営者として求められていることが、「人を巻き込む」ということ、「アイデアを実現する行動力」そのものなのだと思うようになりました。

ありきたりかもしれませんが、私はスティーブ・ジョブズが好きです。

ときに「クレイジーだ」と言われようと、行動し、実現してしまう、その強さが。

あきらめずに行動し、なにかを実現する。

そんな経営者として、居場所を確保し続けたい、と私は思っています。

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