🌈LGBTQ+にとってD&Iとは🌈

昨今トレンドワードにもなっているダイバーシティアンドインクルージョン（D&I）だが、これってものすごく幅が広くかつすごく奥深い取り組みなので、僕自身に直結するLGBTQ+の観点でシェアしようと思う。

今でこそLGBTQ+について認知度がある程度確立できてきた今だが、これもまた奥が深くまだまだやるべきことってすごく多くある。

僕自身プライベートでは、留学先のアメリカで21歳の誕生日を迎える時にカミングアウトしたことをきっかけに、知り合う全ての人にはどこかのタイミングで自分がゲイであることを伝えている。どの道、知り合うと会話の中で「彼氏・彼女」の話が出てくるので早めに頭出ししておくほうが楽。
自分自身のことをオープンに伝えれるようになってから、僕自身の人生はかつてよりも素直に前向きになれている実感があるし、出会う友人も理解してもらえる人ばかりなのですごく幸せである。（逆にカミングアウトで失敗して友人を無くしたということは一度もない）

しかし、ビジネスの観点ではどうだろうか。
かつて１０数年前に新卒で入社して4年間勤めたド日系の小規模の会社では、自分自身がゲイであることは一才公開せず、逆に「彼女」がいる設定にしてそれを突き通していた。当時カミングアウトしなかった理由はシンプルに「会社とプライベートは切り分けておきたい。」だった。彼女がいた設定にしていたのは単に週末のゴルフコンペに誘われても「あ〜すいません昨日から彼女が👹なんで〜」って理由づけして避ける安易なもの笑
（設定にさせてもらった彼女役の親友にも了承を得ていたが、数年後その彼女と夫の間に第一子が生まれた時は嬉しさの反面「やべっSNSで見られたらどうしよう」とか「オレ子供できちゃって」とか「新しいシナリオ考えないとだめ？！」みたいな焦りがあったのを今でも覚えている笑）

その４年間で学んだこと、それは自分がただ自分に嘘をついているってこと＝会社の人を誰一人心から信用できていなかったってことだった。退職する時に「次の会社でもこんな感じの自分じゃない自分を演じるのかな」とか「これ定年までずっとやんの？」とか漠然とした不安が大きく残っていた。

次の会社はMeltwaterというSNS投稿やプレスリリースのモニタリングおよび分析、さらにはソーシャルインフルエンサーなどを発掘できるPRやマーケティング部向けのソリューションをもつSaaS企業。
ここで僕は「いわゆる外資のIT系って呼ばれる企業ってすごくオープンな人多そうだししかも本社サンフランシスコだし」ていう浅はかな理由で入社前からチーム全体にカミングアウトする心つもりでいた。そして入社直後のウェルカムディナーでチームに伝える事ができた。最終的には全員に理解してもらえたが、ただでさえパブリックスピーキング が苦手な自分がほとんど話したこともないチームの前でゲイであると公言することはびっくりするほどのエネルギーを使うものであった。

プライベート同様、やはり自分がゲイであるっていうことを知ってもらうことでカミングアウトする前に比べても自分らしい仕事のやり方や効率性というものは飛躍的に上がったと感じる。
「え、ただゲイっていうだけでなんで効率性があがるの？」と思う方もいるかもしれないが、ゲイという事実で効率性が上がるのではなく、ゲイであることを公言しないで、いわゆる「隠れて」いると変に毎日無駄なエネルギーを消費してしまって燃費の悪い業務効率になってしまうと僕個人的には思う。無駄なエネルギーとは例えば、ふと同僚から恋愛事情を聞かれた時の焦りであったり、自分らしさではなく「男らしさ」を追求しすぎるとか。

そういう意味でもMeltwaterで知り合った同僚や上司にはすごく恵まれていたなと思うし、その経験のおかげで現職 Hult EF Corporate Educationでも自分らしく仕事ができていると思うし、現職ではまさにダイバーシティ＆インクルージョンの取り組みを会社全体で積極的に行っている。

人それぞれだが必ずしもLGBTQ+に属す全員がこのような恵まれた経験をしているとは思っておらず、逆に今日も「どうやってやりきろうか」とか考えて仕事をされている人も少なくはないはず。

日本でも認知度は上がりつつある LGBTQやダイバーシティ&インクルージョンだが、LGBTQ+だけでもものすごく奥の深い内容なのでより多くの人に我々の存在の理解を深めてほしいなと感じるわけです。
そこで思ってほしいのは無理に受け入れる体制を作るのではなく、「いつでもウェルカムだよ」というオープンスペースを提供してもらえると順応しやすい人も多いのではと感じる。