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毛糸屋さん開業して一年

毛糸屋になって一年が経った。
今日は毛糸屋さんの一年でやったこと、考えたこと、やり直したこと、進行中のことなどをつらつら書きますよ。

準備もせずフィレンツェへ

一年前の今頃わたしはフィレンツェにいた。長年毛糸屋をやっていた母の知り合いのディストリビューターを頼りに渡航した。フィレンツェで毎年開催されるPitti に行くためだった。これは毛糸のでっかい見本市。

ホテルと航空券の手配はできたけど、その後、何にも考えず、下準備もせず渡航した。見本市は日本でたくさん行っていたけど、イタリア語はわからないのでイタリアでの商談も相手が何言ってるかさっぱりわからなかった。
一応イタリア語を英語に訳してもらえたけど、糸の長さとか言われても・・・だったし、こだわりをイタリア語でめちゃくちゃ速いスピードで語られても何にも返答ができず・・・「最小ロットってどれくらいですか?」そのくらいしか質問できなかった。

わたしはスモールビジネスなので最小ロットは一キロ単位の発注「ストックサービス」しかできない。ストックサービスというのはあんまりメーカー側は用意していない。少ない選択肢の中から一生懸命探す。(後は取引がトン単位とか)なのに、毎回あほみたいに「最小ロットは?」を繰り返すわたし、一キロに決まってる。今思い出しても恥ずかしすぎて消し去りたい。

恐ろしく無知だったわたしはそれでも「いい仕事したぜ」と思っていた。
たった一年前だけど、思い返しただけでも恥ずかしくて、もう、死んでしまいたい。

フィレンツェでは老舗毛糸メーカーの人達と毎晩飲んだ。毎晩違う会社の人に会わせてもらうために呼ばれたものは全部参加させてもらった。

不思議と何本ワインをあけても二日酔いにはならなかったけど、毎日毎日かなり飲んだ。英語が母国語ではないもの同士、ちょっと酔ったくらいが意思の疎通がうまくいってよかったのかも知れない。
さらに、この業界はわたしのように新規参入者はほとんどいないし、業界的にも高齢化が進んでいるのでわたしレベルでも若い人がやってきたと歓迎された。ありがたかった。

ありがたいこと続きで、母の知り合いのディストリビューターは手取り足取り教えてくれたし、忙しい合間に長年の知り合いの業者をたくさん紹介してくれた。わたしはまだ店も構えていないのに本当にありがたかった。
彼女とは渡航前に一度日本で会食したものの、もし、母の紹介がなかったらあっさり「やめておきなさい」とお断りされていただろう。彼女は厳しい。今でもかなりとんがっているけど、もっととんがっていただろう若い頃の彼女だったら相手にもしてもらえなかっただろう。

日本に帰ってからきちんと仕事ができるように、彼女は日本に住むニットデザイナー兼クリエーターを紹介してくれた。今思うとこのデザイナーがいなければ、わたしは何にもできなかった。

荷物が届かない

日本に帰ってきて、毛糸を発注して輸入を始めたはいいけど、通関とか専門用語も貿易英語も全くわからない。毎日オンライン辞書で貿易英語を検索し、誰かが書いたチュートリアル的記事を読みあさって、なんとかこなしていた。それでもこの単語はどういう意味だ?とか毎日なんのこっちゃ?が続いたし、時々やってくる0の桁が想像を絶する量ついた請求書を見てひっくり返ったりした。計算が苦手なのでユーロ建て、ドル建てもややこしかった。一生懸命考えに考えて発注したつもりの注文が相手の都合で「あ、それやっぱ廃盤だわ」とか「それ、欠品」とかで入らないことも多々あった。

さらにイタリア、7月後半から8月にかけてバカンスになってしまい、機能停止状態に陥った。彼らはメールもぜったいに返さない、徹底したバカンス。インスタのアカウントでは偉いど派手なバカンス具合がアップされていった。うらやましすぎる。うらやんでいる場合ではなかったけどうらやんだ。ほんとに、まったく仕事しないんだ・・・と思った。

バカンスのおかげで他の仕事もイタリアとやろうとしていたけど(他の輸入)そっちはやめた。しかし、本当に音信不通になるもんだ。
おーーーい、わたしの毛糸ーーーーー。

国際輸送の会社の中には相手にしてくれないところもあった。メールを送っても見積もりも返してもらえないなんてことは多々あった。大体取引量が個人輸入レベルからはじまったのだからそりゃ相手にされなくても仕方ない。相手にしてくれるのは送料が馬鹿高い大手ばかり、それでもなんとか安い運送業社を探して取引してもらえるようになった。

ちなみに、最近は送り主の使う業者を使わせてもらっている。さすがにイタリア人は陽気なので?こっちが相見積もりだして確認したいからちょっと待ってねなんて言っても問答無用で送ってきてくれたりする。でも、まぁ送ってこないよりはまし。今は相手の調子も読めるようになってなんとかなっているけど、不慣れなときに限って問題が起きていた。

わたしの荷物が届く頃、ちょうど関空に架かる橋にタンカーが突っ込んだ時期と重なった。わたしの最初の荷物は関空着だったために、「今後いつ運ばれるかわからない到着予定は未定だ」と言われた。小さい業者はプライオリティが低く、優先的に高い運送料を払っている大きな会社の荷物から運ばれるからだと説明された。こりゃ言い返せなかった。いつ運ばれるかわからない荷物を待って毎日担当者に電話をかけた。担当者は最後の方半ギレだったかもしれない。

さらに通関するのにも時間がかかった。特殊な毛糸を発注したし、(ビッグヤーンとかね)わたしが海外との取引歴が浅いので怪しまれた(と、今でも思っている)。荷物をほどかれて毛糸を引っ張り出されて無残な毛糸さんが数個写真を撮られていた。商品にならんや〜ん!と思ったけど税関強い。文句は受け付けない。さすが島国、水際で犯罪ストップってこの用心深さからくるのね、と思った。別にわたしは犯罪を犯してません。

荷物の到着が遅れたら商品撮影が遅れる、試作も作れない、写真がないので掲載も遅れる、オンラインショップはなかなかひらけなかった。

自分目線のオンラインショップ

遅れに遅れて、やっと毛糸が手元に到着した。急いで写真を撮った。スタジオを二日間借り切って朝から夜中まで写真を撮った。動画も撮った。毛糸を編むシーンを撮るために手タレさんにも来てもらった。写真撮るの下手だなぁと痛感したので次からは外注することに決めた。でも、まぁ、とりあえず商品はアップできそうだった。

なんとかオンラインショップがオープンしてもAmazonでも楽天でもない自社サイトに毛糸を買いにきてくれる人なんて皆無だった。

今になって思えば、たぶんわたしのオンラインショップにやってきても買い物しにくさ抜群すぎてあっと言う間に「こんなとこで買えない」ってなっていたと思う。自分でコードもワードプレスも勉強したけど、中途半端すぎてとても仕事に使えるレベルには到達しなかったし、あきらめて発注した外注先の人はわたしの意見をたくさん取り入れてくれてオシャレに仕上げてくれたけど・・・
とにかくかっこよくてオシャレなサイトにしたいと思い、作る側の理想ばかり追っていたら全くお客様目線にたっていなくて買い物しにくいサイトを作りあげてしまった。気がついたのもつい最近。これじゃ買ってもらえないわ。

ワークショップは閑古鳥だった

「手編みの世界観を変える」ワークショップがしたい。オシャレな編み物の世界を作り上げたい。気持ちばかりが先走り、おしゃれだと思う場所を借りてワークショップを開催した。

SNSで拡散すればそれなりに集まると信じて疑わなかった。

最初のワークショップは蔦屋書店だった。定員人数に達したものの、午後の2回目はたったの一人、マンツーマンレッスンだった。しかもそのお客様には後で「満足度が低かった」とクレームをいただいた。

最初から難しいワークをしたために時間内にできあがらなかったのが原因だった。かっこいいものは難しいのだ。

世の中どころか、毛糸業界にもまだ知られてもないのに、一,二回くらいでワークショップをやめるわけにはいかなかった。

ワークショップを見直した

ワークショップで作れるものを見直した。
「簡単にできる」こと、
「できあがって満足感が得られる」もの、
「かっこわるくないもの」
それを「おしゃれな空間」で作るという風に優先順位を入れ替えた。

金額も「手の届きやすい金額に」を心がけた。金額設定、これは人の価値観なので難しかった。

開催時間も考え直した。そもそもわたしのようなへたっぴな素人が作って、作り上げられる時間プラスアルファの時間を考えておかないとできあがらないもんだとやっとわかった。

開催日時も重要だった。
三連休の真ん中はもちろん、連休は集客がしにくい。まだまだ試行錯誤途中だけど、ワークショップは平日と休日、昼間と夜と客層にあわせてバランスよく設定するのがよいのではないかと思っている。

ゴールデンウィークとその前後も集客に向かないと聞いた。みんな予定つめつめだし、お金使っちゃってるし…なるほど、と思ったのでそこは避けた。

発信しよう

どんな人がどういう気持ちで作ったお店で、どんな商品なのか。

きちんと発信しないと伝わらない。商品についての発信が若干まだ弱々しいけど、まず売っている人Katyのことはnoteで発信していくことにした。

発信を強化したいと思っている矢先にNサロンの募集広告を見つけた。申し込んだ。とにかく発信スキルを研きたいと思ってわらをもつかむ気持ちだった、たくさん応募があったのに選考にひっかけてもらえたのは本当にありがたかった。

そのくらいから毛糸屋のnoteにいきなりNサロンというハッシュタグが連続で出てくる日々が続いた。とにかく発信スキルが足りないと思ったので、noteに書けそうなことは選ばずに結構書いた。家のこと、自分のこと、Nサロンで学んだこと、毛糸屋のこと、noteを書いているうちに少しずつ書けるようにはなった気がする。

書いていくうちに自分の改善点がよくわかるようになる。わたしの文章は薄っぺらい、性格が表に出ている…つめが甘い。人の文章を読んで凹む日々だ。もしかしたら毎日noteってチャレンジしたことによって、書かなければ…って自分に課した課題に追われているよくないパターンかもしれないと最近思う。

コミュニティを作りたい

昔の手芸売り場のお客様とお店の人の関係のような、そんな強固な関係が作れるならベストなんだろうけど、そんな簡単には顧客と呼べるような人とコミュニティは作れない。そもそもそれはコミュニティではない。
顧客だ。

じゃぁどこでコミュニティ作ろう??

毛糸編む人、売ってる人、編み物教えてる人達でコミュニティ作ったらどうだろう?共通点は毛糸、ただそれだけ。
周りを見まわしたらTwitterでもインスタでもnoteでも編んでる人はたくさんいる。それぞれつながっている人がいたりする。それぞれ話を聞くと毛糸の世界を変えていきたいという話になる。例えば男性がもっと編みやすい環境を、とか編んだことない人たちに広めていきたい、初心者向けに教えたい、手編みを通じたマインドフルネスを追求してみたい、すでに編み物を使ったアーティストとして活動している人・・・みんなそれぞれに夢をもっている。

そして、最初の一歩を踏み出すのを一緒にやってもいいよという人達が少しずつ話を聞いてくれるようになった。それぞれの得意分野も求めているものもちょっとずつ違うけど、それぞれの得意分野を活かして協力する話が進んでいる。
この業界の大きな会社の社長が話を聞いてくれたり、協力するよ!って言ってくれたりしていて驚く。時代は変わったなぁ…。


ちょっと長くなりましたけど、いや、結構長くなっちゃいましたけど、毛糸屋さんをオンラインショップで開業して一年たって、今、わたしはこういうところに立ってます。

お客様目線のオンラインショップも現在絶賛改装中で進行中だし、発信力もまだまだ研いてる途中、そしてコミュニティについてもようやくお話を聞いてもらえるようになったレベル。全部まだまだ進行中だけど、いつか「手編みの世界観をかえる」ことができるように…

きっとマーケティングとか、ブランディングとか他にもたくさんツッコミどころ満載だと思う。きっと2年目にこのnote読み返したらまた死にたくなるのだろう。

はっきり言って恥を晒すので恥ずかしいのだけど…
さらしてしまえばあとは頑張るのみだ。

明日からもまた頑張ろう。

















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いつも読んでくださりありがとうございます⤴️いただいたサポートで、編み物仲間と豚汁仲間にコーヒーをごちそうしたりします⤴️⤴️Katy

わたしも好きです♡♡
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『毛糸、手編みの世界観を変える』毛糸屋です。目指すは「オシャレな毛糸屋」/ Mayds Inc. 代表 / online shop ”knit me!”。まだ編んだことない人にオシャレな手編みの世界を。ワークショップのこと。子どものこと、#Nサロン など。 福岡県産。

コメント6件

すごいなぁって、思いました。
行動力とかね。
どんどん形になって、この苦労があっての
今って感じですね。
やってみてなんぼ!
元気をもらいました。
がんばって下さい🐱
もーお恥ずかしくて長いnoteを読んでくださりありがとうございます⤴︎
いや、まだ道半ばで「もちょっと成功してから書けよ…」という感じですが、なんか、コメントとかもらえて逆に元気一杯もらいました。
ほんと、ありがとうございます❤️
そして、ほかのノートとかもピッピさんたくさんすきしてくれてありがとうございます⤴︎
すごい励みになります(T ^ T)
なんか刺激もらいました!
ありがとうございます!
お互いがんばりましょーー😆
おおー舜奎くん⤴︎お互い頑張ろー!!ありがとー⤴︎
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