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ひとり、百合を語り読む。

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百合作品について語っているものをまとめてます。
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記事一覧

2023に遭遇した百合・ガールズラブ、或いはそれ以外の備忘録①「作ってあげたい!よもつご飯」

オープニングは主人公・凪子(なぎこ)の亡き恋人マリが湯気のたつ食事を差し出す場面から始まる。おいしいご飯と生前とかわらない姿の恋人。幸せな光景に見えるが、凪子は冒頭からその状況に違和感を覚え焦っている。そう、そのご飯はただの食事ではなくよもつへぐい。食べたら元には戻れない死者の国の食べ物だからだ。

果たして凪はマリのぐいぐいくるすすめに耐えられるのか。

百合でえがかれやすいモチーフに生と死の境

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「初恋シグナル」【しの&あすか】編のノベライズ リリースの前夜に

12月6日にリリースされるPalsora様提供のカードノベル投稿アプリ「izure」にて、favary様提供のマルチタイプ恋愛シミュレーションゲーム「初恋シグナル」【しの&あすか】編のノベライズをさせていただくことになりました。

ノベライズは原作の「余韻」として存在する物語になればいいなと思っています。そして願わくば、あすかとしのによって、こんな恋がしたいと感じていただけたら嬉しい。あるいは、既

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百合展のこと 3

百合展のこと 3

青山というロケーションが良かった。ひとつは会場が決まってよかったという安心と、なんとなく池袋でなくなって逆に良かったんじゃないかという気持ちにかられてしまった。
2017年の時点で、繁華街の大きな百貨店のフロアを使う上でもかなり百合展はその一角を工夫して工夫して展示していた。造花をあしらったり、白いカーテンのように布を渡して、「百合」という言葉で想定できる共通イメージを演出していて、すごく深い思い

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百合展のこと 2

百合展のこと 2

青山での開催が決まったときにほっとしたのはファンとしてだ。記事にすることはもちろん考えていたけれども、それだけじゃなくて楽しいと思えることがなくならなくてよかったという安堵だった。

二十年以上前、思春期の頃の百合文化はエッチな成年漫画やそういうアニメとしてのジャンルのひとつ、そういうものとして存在していた。それは今世の中に展開されている百合作品と比べ物にならない本当にただの性的な大量生産業務用品

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百合展のこと

百合展のこと

百合展が池袋でなくて青山で開催されることになったとき、すごくほっとした。もちろん最初の会場が中止になって嬉しかったとか、そういうことではない。
もう百合展については2016年から参加していて勝手に追いかけて体当たりで取材して記事にしていて、今回なんて記事のためにではなくて自分でちゃんと鑑賞できるように三月の時点で連休をとっていた。
だから中止が哀しいのは当たり前だった。
実は今年は2018年の百合

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書泉グランデと「Vespa」と私

書泉グランデと「Vespa」と私

いつだったか入手した『百合姫』に掲載されている大北紘子先生の読み切りを読んで、魂から虜になった。

しかし大北先生の百合作品が連続的に刊行されていた時期、非常に経済的にしんどい時期だった。ようやく借金を返し終えてそれでもとにかくお金がなくて漫画を揃えるどころか猫のご飯代をなんとするという状況にあった。ハンディキャップを自ら設けていたのだ。だが私は大北紘子作品を忘れたわけではなかった。

ようやくす

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百合好きが種村有菜原画展に行ってきました

百合好きが種村有菜原画展に行ってきました

スカイツリーのおひざ元で開催されている種村有菜先生の原画展に行ってきました。めっちゃ寒かった! めっちゃ寒かった!

コミケ初日の帰りに寄ったんですが、コミケ後なら列も平気だろうと考えていましたが甘かった。

ソラマチの建物の外の列で整理券をもらって並びたい人は並ぶシステムだったのですが、並んでみたら建物沿いに風が吹くし考えてみたらコミケほどの人波はないしでちょうさむかったです…

初めて種村有菜

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吉祥寺のヴィレッジヴァンガード オン ザ コーナーには「百合棚」がある。

吉祥寺のヴィレッジヴァンガード オン ザ コーナーには「百合棚」がある。

吉祥寺にあるヴィレッジヴァンガード オン ザ コーナーに行ってきました。

10月18日玄光社より発行の「百合の世界入門」の特典がどうしてもほしくて、です。実はこの度、ありがたくも寄稿させて頂いた為、すでに献本は頂いていました。しかし、私は特典がほしい! そして自分で購入したかったのです。

実はヴィレッジヴァンガードオンザコーナーには「百合棚」があり、

めくるめく、

百合の世界が、

展開さ

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