創作作家・読者向けMastodon「kmyblue」を立てました

※第2版を書きました

(以下の記事の内容は少々古いです)


2つ前の記事の最後にも追記しましたが、改めてちゃんと紹介します。同人作家・読者を対象としたMastodonインスタンス「kmyblue」を立てました。

他のサーバーがやってるのでうちも紹介記事を書きます。ただこの手の紹介記事って、まずMastodonとは何かから説明したほうが丁寧なんですが、自分が説明しようとするとkmyblue本体の記述よりもバカ長くなってどっちが主体なのか分からなくなるので(実際に書いたし本題より長くなりそうだったのでやめた)、そのあたりは全部他のサイトに投げます。

kmyblueの想定している利用者層

kmyblueはテーマサーバーと言われますが実際のところ

kmyblueは外から見ればテーマサーバーですが、管理人の意図に最も近いものとしては、「特定の属性を持った人達が集まる場所」以上の考えはないです。

テーマサーバーってあれですよね、そういう話題をしなければいけない場所ってイメージあります。テーマサーバーごとにアカウント分けてる人も多いんですが、そうやって話題ごとにSNSを使い分けるやり方が、自分嫌いではないけど苦手です。2つのSNSアカウントを器用に使い分けられる人間ではなくて、1つのアカウントにいろいろ殴り込むタイプです。なので、そういった自分に合ったルールってのがこれしかなかったです。

「創作特化のテーマサーバー」ではなく「創作作家・読者による汎用サーバー」が正確な表現です。ただし、他のサーバーと比べるとテーマサーバーですので、とりあえずテーマサーバーってことにしてます。
ただしうちのサーバーの主役は創作関係者です。日本国民全員ではありません。そのため、政治の話には厳しいルールがあったりと、普通の汎用サーバーにはないルールもいろいろあります。その点で、汎用の中では特殊な方かもしれません。

創作者の中にも、特定の創作だけは嫌だっていう人もいます。なので一応、創作カテゴリの方向性を書いてみると、基本は男性成人向け作品がローカルタイムラインを流れることへの理解があるかどうか。現在の利用者層とは全然違いますけど、最低でも男性成人向け作品がちょっとでも目に触れることを許容できる人種であれば、たいていは大丈夫です。
別にこれを読めと言っているわけではありません。自分の苦手なコンテンツを黙ってミュート・ブロックできるか。その創作者につっかかるようなことはしないか。「自分が嫌い」と「世間に存在すべきでない」の区別ができるような人か、もしくはその区別がオタクの価値観に合うか。他の人と平和に過ごせるか。それができる人であれば大丈夫です。

作者だけでなく読者もOK

で、kmyblueの場合は「作家」だけでなく「読者」の利用もできると強調しています。これなんでかというと、2つの理由があります。

1つは作家に萎縮してほしくないこと。作家の中には、自分の作品は落書きだ、駄作だ、とるにたらない、だから自分は作家を名乗る資格はない、と考える人も多いです。そうした人にも、作家の肩書を与えないまま、気軽に作品を投稿できるようにしたかったです。

1つは作家が自分の作品を発表できる環境を作りたかったので。作品を発表したところで、見てくれる人がいないと意味がありません。見てくれる人にも集まってもらわないと、いくら作者がTwitterに不満を持ってMastodonやMisskeyに移動したところで何の意味もないんです。普段何も書き込まないような、名前のない人たちにこそ、ぜひこっちに来て欲しい。そういう人たちが、作者がこっち側に定着するために1番目に重要です。
作者も読者もお互い、無理してkmyblueに登録する必要はありません。misskey.ioとかmisskey.artとか、自分の好きなサーバーに登録するのが一番いいです。ただ、作家だけでなく読者も同意しない限り、Twitterからの大移動というものはまず起こり得ないことは強調します。

ですけども、読者が集まるためには、まず作者が集まることも重要です。読者は自分の好きな作家がいるSNSに登録するものなので、もしこれを読んでいる作家がいらっしゃいましたら、お声掛けする相手を間違えないようにしていただけますとありがたいです。kmyblueはあくまで、読者にとっても居心地のいい環境を提供しておきたいだけです。

それにですね、読者にも萎縮してほしくないんですよね。単に「創作テーマサーバー」と書いちゃうと、創作しない人は何も書いてはいけないみたいに聞こえちゃう。なので読者にも自由に発言して、作者との交流ばかりを意識するんじゃなくて、日常生活や好きなアニメなど何でも書いてほしいです。そういった意味もあって、「汎用サーバー」と書いているわけです。

ただし政治やエロの話題に関しては、Twitterや他の汎用サーバーにはないような特別なルールもあります。この記事の最後に「守ってほしいこと」を書いてありますので、そちらも参照してください。

kmyblueの今後のビジョン

そんなものはないです。kmyblueは、管理者自身が同人作家です。それは同人サーバーを運営する上で大変なメリットですが、同時にデメリットもあります。こっちの管理をあまり忙しくしたくないことです。

kmyblueは、ActivityPubにおける創作界隈の中心的役割を目指しません。そういうのはmisskey.ioなどに投げます。うちはあくまで今いるみなさんにとって居心地のいい場所を目指します。
人が増えるとどこも雰囲気悪くなるのは当たり前です。うちは無理して人を増やすつもりはありません。ただ、ある程度の登録者がいないと、辞める人との釣り合いが取れなくなるため、無節操に新規登録を締め切るのも難しいと思っています。

DAUが500人超えるかローカルタイムラインが荒れ始めた頃合いを見ていったん締め切って、そのあとはモデレーションの効率化に集中する予定です。もちろんそのあとも登録を再開する可能性はゼロではありませんし、できればしたいなって思ってます。(※DAU:日間アクティブユーザー。見てるだけの人も含む。現在100人前後)
Mastodonでは登録を審査制にすることもできますが、申請してから審査の結果が出るまでにどうしても時間がかかるので、その間に申請者の気持ちが冷めたらお互い困るのでやりません。先着必勝の招待制が最も無難と思っています。

kmyblueの特長

kmyblueはMastodonに微改造をくわえています。どれも創作同人に特化したサーバーのための機能です。

絵文字リアクション

投稿に絵文字をつけられます。DiscordやMisskeyにもあるあれです。pixivも去年9月ころに期間限定でやってたあれです。

絵文字リアクションの利点って、リプライを送ることなく自分の感想を手軽に伝えられることだと思うんですよね。なので創作系SNSではこのさき必須の機能になると思います。

ローカル公開

Mastodonには投稿に4種類の公開範囲がありますが、kmyblueではさらに「ローカル公開」をくわえています。
投稿した発言は連合タイムラインに載せません。他のサーバーには未収載として配信されます。

これ意外と需要があるみたくて、うちの登録者の半数くらいが使っています。連合にある、同人と無関係のサーバーの連合タイムラインに、エロとか恥ずかしい話題を載せちゃうと、同人嫌いの人の目にも留まりますからそっちから抗議が来る可能性もあります。ローカル公開は、そういった可能性をなくして、「kmyblueの登録者と自分のフォロワー」という、明らかに同人に興味のある人のタイムラインだけに載せることを意図しています。
「公開」を狭くしたというよりは、「未収載」を広くした公開範囲といったほうが適切かもしれません。

アンテナ(試験的な機能)

連合タイムラインには毎日、大量に投稿が流れます。それを任意のキーワードや条件で絞り込みができる機能です。FedibirdやMisskeyにも同様の機能があります。

kmyblueのアンテナは、ドメイン・アカウント・ハッシュタグ・キーワードで絞り込めます。アカウントについては、各ユーザーのプロフィール画面の詳細メニューからもアンテナに追加することができます。

アンテナはリストに関連付ける必要があります。関連付けたリストに、検出された投稿が流れてきます。

検索機能はありますがTwitterと比べると制限事項が多く、リアルタイム更新もできません。最新の話題を追うならアンテナのほうが向いています。
また、アカウント絞り込みを使うことで、そのアカウントをフォローすることなく「公開」「ローカル公開」投稿のみを監視することができます。ドメイン絞り込みを行うことで、そのドメインの投稿のみを絞り込んで表示することもできます。ただし、あくまで連合タイムラインに流れてきた投稿の絞り込みに過ぎず、投稿をアンテナが自分から相手サーバーへ取りに行くようなことはしません。対象となるアカウントをkmyblue内の誰かがフォローしていなければいけません。

サーバーの部分的なブロック

各利用者ではなくモデレーションレベルの話ですが、kmyblueでは、通常のMastodonよりもきめ細かいブロックに対応しており、また特定の条件を満たした発言を特定のサーバーに送らない設定も対応しています。

つまりどういうことかというと、同人や創作に対して(正確にはちょっとえっちな絵に対して)嫌悪感を持つ人が多いサーバーに、えっちな投稿を流さない機能です。連合タイムラインはもちろん、そこのサーバーにいるフォロワーのホームタイムラインにも流れません。デメリットがあるのは否定しませんが、そのサーバーの人達と無用なトラブルを起こさないことを目的とした機能です。

この機能の実装に至る背景をわかっていないと、それ逆に不便では?とか思われるかもしれないんですが、経緯はどうあれ、こうした機能の需要は確実にあります。
ただkmyblueは、そうしたサーバーにアカウントを持つ人々との交流自体は否定していないため、本格的なドメインブロック(サーバー間交流の禁止)は行っていません。あくまでセンシティブなコンテンツの送信を制限しています。
また、この制限を無視して相手サーバーにむりやりえっちなコンテンツを送ることも、オプション設定を変更することで可能です。制限の対象となるサーバー一覧は、登録ユーザー向けに概要画面で公開しています。

また、これとは別に、実はMisskeyサーバーも制限しています。一般公開している制限サーバー一覧に「misskey.io」が入っていることに驚く人もいると思うんですが、こちらはMisskey内における投稿の扱い方やプライバシーに対して懸念を持つ人向けに用意したオプション設定です。詳しく書くと長くなりますが実はこの制限を有効にするにはユーザー側にも設定が必要で、その設定もデフォルトでOFFになっているので、とりあえずは今知らなくても大丈夫だと思います。

そのほか細かい機能

【アンケート項目数】
一般的なMastodonではアンケート項目を4つまでしか作れませんが、kmyblueでは8項目まで作れます

【連合から来た画像】
一般的なMastodonでは1つの投稿に画像を4つまでしか添付できません。これは他サーバーから来た投稿も例外ではありません。ただMisskeyでは4枚を超えて貼付可能ですので、それに対応するためkmyblueでも、他サーバーからの投稿に限って画像最大数を増やしています。現在8枚までですが、今後増やす可能性もあります

【検索機能の拡張】
投稿に「検索許可」を設定できます。ここで「公開」を選択すると、その投稿は誰でも自由に検索できます。このシステムに対応しているのは現状Fedibirdとkmyblueだけですので、この2つのサーバーの投稿しか自由に検索できない状態です。どちらかというと、この「検索許可」を考慮せずにキーワードで絞り込めるアンテナのほうが便利かも

【トレンド投稿機能の拡張】
一般的なMastodon(ただしバージョン4以降)では、トレンドとして、たくさんお気に入り・BTされた投稿が並びます。kmyblueでは、その選択基準をいじって、たくさん絵文字リアクションされた投稿も並ぶようにしました。
また、トレンドに載るには「ディレクトリに掲載する」という設定が必要ですが、実はそれとは別の、一見無関係に思えるある設定をしているとディレクトリ設定に関係なくほとんど絶対にトレンドに載りません。kmyblueでは、そんな設定をしていてもトレンドに載るようにしています。
なおCW、NSFW画像付きのものは他のサーバー同様、トレンドに載りません。

【Markdown装飾】
kmyblueは投稿本文、アカウント紹介文のMarkdown記法に対応しています。ただこちらはMastodon本体も近日(おそらく早くて数ヶ月以内)対応の見込みです。

【Pawooのような時限投稿】
「#exp5m」というハッシュタグをつけた投稿は、投稿してから5分後に自動的に削除されます。「#exp5s」で5秒間、「#exp1h」で1時間、「#exp1d」で1日です。この数字は自由に設定可能ですが、数値は最大で4桁までです。
小数点を使う場合、そこでハッシュタグは途切れますが設定としては有効です。小数点以下は2桁までです。編集でタグを後付けしたり消したりもできますし、時間変更もできます。編集した場合でも、時間制限は投稿した時刻から起算されます。
5分未満の時間指定にも対応していますが、編集が絡むと意図した時間通りに削除されないケースがあります。

【グループアカウント】
Misskeyのチャンネルにちょっとだけ似たシステムです。現状このシステムを使っている人は自分以外に確認できていないので説明割愛します。そんなに使い勝手悪いのかな?グループの数だけアカウントとメールアドレス用意するのは確かに面倒かも。

守ってほしいこと

Mastodonの基本的な設計思想として、「見たくないものを見ないようにする」があります。ユーザーは自由にミュート・ブロックして、不快な投稿をシャットアウトする権利がありますが、投稿する方にもコンテンツへの配慮が求められます。
きちんとしたルールは概要にも書いていますので、そちらも参照してください。

エロやセンシティブなコンテンツについて

えっちな文章は「CW」機能、えっちな画像は「センシティブな画像としてマーク」する必要があります。
どこからがえっちなのかは、別途ガイドラインを作っていますのでそちらも読んで下さい。これ意外と基準が普段そういうコンテンツを読んでいる人たちにとっては厳しいのか、CWやマークを付けない人がよくいます。(管理人もです)
ただ未成年の閲覧に配慮するという点では、misskey.ioなどと制限の基準はそこまで違わないのではと思います。差異もあります。

センシティブな表現のガイドライン
青年向けと判断される単語例の一覧
センシティブな表現に対する運営の対応

また、えっちな画像の性器の修正基準については、こちらの投稿でも案内しています。

これとは別に、絶対に投稿してはいけない画像というのもあります。AIイラストはまず禁止です。その他にも、実写エロや性犯罪写真は自分のものも含めて禁止、本物の死体とかは(食べ物を除き)自主規制が必要です。このあたりも利用規約に書いてあります。

政治の話題(政治と無関係の企業や団体への批判など含む)について

kmyblueでは、利用者を絞っていますが汎用サーバーである以上、日常と不可分である政治の話を禁止することはできないと考えています。日常の話をするにおいて、どこかに必ず政治の話は入ってきますし、それを禁止すると不要な萎縮にもつながりかねないと思います。
代わりに、ローカルタイムラインの雰囲気が悪くならないように、政治の話には厳しい制限を課しています。厳しい制限というか、個人的には人として当たり前のことを書いたつもりだったのですが、たまにこのルールが自分には合わないという書き込みを見かけたりします。そんなに厳しいのかな。確かに激しい議論をしたい時はあわないかも。政治の話をよくする方だけでなく、たまにしかやらない方も読んだほうがいいです。

このガイドラインでは、政党政治とか議員とか、それももちろんあるんですが、企業の不祥事、事故対応など、様々なものも対象になっています。kmyblue内で、議員に限らずとりあえずなにかの批判をする時はこれを守ってもらいます。

政治、議論、批判などについてのガイドライン

あと、kmyblueではこのガイドラインにさえ適合していれば政治の話をしてもいいことになっていますので(ガイドラインに書かれていなくても行儀の悪いものは警告出しますけど)、政治の話が苦手な方は各自ミュート・ブロックいただくか、misskey.designみたいに全面禁止なサーバーを選んでいただいたほうがいいです。自分も政治の話はできなくなりますけど。

kmyblueに限らずたいていのMastodonでは、「フィルター」という機能を利用することで、いわゆるキーワードミュートも可能です。政治の話と創作の話を同時にするようなアカウントに対して、またいちいちブロックするのに疲れた場合は、その設定もお試しください。

無断転載禁止

政治とは逆に、創作にかかわるような人にとってこれが一番きついルールかもしれません。うちは創作が主役のサーバーですから、最も嫌われるような無断転載というコンテンツは禁止したいと考えています。

アニメのキャプション、ゲームの画面にも著作権があります。もっともそれ程度なら、制作会社にとっても宣伝になるでしょうし、うちとしても引用を超えない範囲内で可能です。

ただ、現在懸念しているものとして、ルールに明文化はしていないもののとりあえず書いてみます。
アニメや漫画をもとにネタ画像とか作られることがありますよね。そのせいでもともとのもののイメージを損ねる可能性があるものとか。
ゲームや漫画や映画のネタバレとか。
模写やトレースをあげる方もいらっしゃいますが、ネタ元も書いてもらわないと最低限引用として成立しないです。また、そのようなものにコンテンツ性、集客性などを見出してほしくないとも思っています。
漫画が無料で読めるサイトは、出版社が運営していなければたいてい犯罪です。そういったサイトへの誘導とか。

うちとして最後以外は全部禁止にするつもりはありませんが、著作権侵害というのは親告罪でして、読者にとってはむかつく話かもしれませんが「製作者にとって都合の悪いものは犯罪」となることは常に意識してほしいと思います。(※二次創作全体を禁止しているわけではありません

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