かき氷はきっと
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かき氷はきっと

装

地元の小学校の校庭で催される、
小さいながらも賑やかな夏祭りが好きだ。

そこで食べる、ジャリジャリの
喉や腹だけでなく頭まで冷やすような
かき氷が好きだ。
露店に並びながら
今年は何味を食べようかと考え、
結局口をついて出てくる、
ブルーハワイを注文してしまう。

かき氷のシロップは
色が違うだけで、味は一緒と聞く。
なるほど確かに言われてみれば、
沢山のシロップを混ぜたカラフルなかき氷でも
いつもの変わらない味だった気がする。
なのにイッチョマエに
イチゴとか、メロンとか、レモンとか、
果物の名前を冠してる。

だからなのか、同じ味と知っていても
やっぱり味が違うように感じる。

イチゴは何か甘酸っぱいし、
メロンはウリ科のような青臭さを感じるし、
レモン心なしか酸っぱい。
ブルーハワイは謎の味。

私は謎の冷たい青を好んで食している。
じゃあ、この青はイッタイナンナノカ。

私たちはきっと。
かき氷はきっと。

色を、食べているのだ。きっと。
文字の意味を、食べているのだ。きっと。
そしてきっと。
記憶を食べているのだ。


いつしか食べた、虹色のかき氷が
食べ終る頃には泥水色に変わる思い出を
口の中で転がしていたら、
耳の奥でパキリと音がした。
左の手首に光る輪っかが見えた気がした。


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ここは単なる。