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エンゲージメントリーダーになるためにやるべき、たった3つのこと

エンゲージメント向上のために何をすればいいか?

理念を浸透させる、対話を増やす、ほめる習慣にする・・・書籍やウエブの記事を参照してもさまざまに書いてありますが、学術的根拠がよくわからないので決定打には至らぬままでした。

そんななか、今回受けた早稲田ビジネススクール入山教授のウエブセミナーの内容は非常に腹落ちするものでした。

そこで、セミナーの内容を踏まえながら、社内向けに下記のような実務的整理をしてみました。

エンゲージメントを向上させるためには大きく3つの要素があるという研究結果があります。

エンゲージメントを高める3要素
1. Value Congruence (会社の価値観と個人の価値観を一致させる)
2. Organizational Support(価値観具現のための組織的支援をする)
3. Self Efficacy (自己効力感をつくる)

Rich et al (2010)

1.Value Congruence (会社の価値観と個人の価値観の一致)

これからの時代でやってはいけないことは、「正確なデータ分析に基づく将来予測を立てること」「論理的に正しい戦略を導くこと」です。変化が激しい時代においては、「正しい」ではなく「納得(ハラ落ち)」こそがモチベーションの原動力になります。
「分析によるとこうだからこうしてくれ」ではなく、「こういう将来を目指すと楽しいよね、みんなハッピーだよね、だから一緒にやってみない?」という“ハラ落ち”をさせるのがいまの時代のリーダーになります。
そうすることによって、現場社員の自律性が出てきて、自ら考え行動するようになっていきます。

もうひとつ、価値観に沿った“風土をつくる”ことです。風土は戦略的につくる時代になっています。価値観を具現する行動規範をつくり、現場に徹底していきましょう。

採用戦略も重要です。採用から考えないとエンゲージメントはあがりません。行動規範にフィットした人を採用し、価値観を強化していくことで組織への愛着は高まっていきます。採用要件の見直しをお願いします。

2.Organizational Support (価値観を具現していくための組織的な支援)

エンゲージメント向上における組織の仕組みとして大事なことはまさに「評価制度」です。
守りではなくチャレンジを重視し、チャレンジの結果での失敗を許すような評価制度です。いままでは、”成功か失敗か”、”できたかできなかったか”で評価していました。チャレンジして失敗すればマイナスになる、だったらやらないで批判をした方が賢くみえるから評論家ばかりになる・・・こんな制度を残してはいけません。今回導入した新評価制度ではチャレンジした人のモチベーションをあげていく仕組みにしています。しっかり運用していきましょう。

会議も変えていきましょう。いまのように役職者が9割しゃべっているような会議では新しい発想は生まれません。管理職の仕事は部下への指示や管理ではなく、“ファシリテート”です。管理職が上から指示するばかりだと、部下の思考停止が続くだけです。言いたいことを言いたいときに言える風土づくりが大事なのです。

3. Self Efficacy (自己効力感をつくる)

最後に重要なことは、社員一人ひとりが、自分がそのような環境のなかで、自分は役に立っているんだという実感、すなわち“自己効力感”をもっていることです。
部下が自己効力感をもつためには、上司が“フィードバック”をしっかり行うことです。
フィードバックと評価をごっちゃにしてはいけません。フィードバックとは、部下がどうしたらもっといい成果をあげられるのかを一緒に考えることです。そして、上司としてどういうサポートをすればいいかを申し出ることです。
フィードバックでは上司は部下の話をひたすら聴くことから始めます。“聞く”ではなく、“聴く”のです。つまり耳だけではなく目と心でも聴く。上司1割、部下9割の場であり、ひたすら部下の成長のために時間をとるということを忘れないようにしましょう。

(およそこんな感じのまとめ)

折しも、部門長MBOフィードバックの時期でしたので、共通のコメントとして出してみました。

takaでした。