いまを幸せに生きる
息子がまだ幼稚園に入るか入らない頃の、10年以上もまえの話です。
近所に息子のお気に入りの公園があって、私はいつものように息子の手を引いて向かいました。
公園への途中の道沿いにはきれいな花が咲き誇り、それに群がる蝶々たちが春を謳歌していました。
息子は好奇心旺盛でたびたび立ち止まっては花や虫たちを眺めています。
なかなか先へすすまないことにじれてしまった私は息子の手を強く引き、「はやく!さあ、行くよ!」と言いました。
息子は「やだ、もっとみたい!」と抵抗し、涙目になってしまいました。
そのとき私は気づきました。
息子にとってこの瞬間は、公園に早く行くことが目的ではなく、大好きなパパと手をつないで途中の景色を楽しむことだったのです。
人生でもときどき同じ過ちを犯します。
本当は日々の生活そのもの、あるいは、働いているこの瞬間こそが幸せなのに、なにかその先にある何かを楽しみにしてしまっている。
私自身でいえば、ここまで大したことを成し遂げたわけでもなく、これからもないとは思いますが、日々成長している実感を味わえて、だれかの役に立ち、愛する家族に囲まれて幸せな気持ちで生きていければ、これ以上のことはないと思っています。
takaでした。