まほやくで機械を組み立てているはなし

「魔法使いの約束」というソシャゲがある。簡単に内容を説明すると、私または俺(男女どちらもビジュアルがある)が賢者になり、賢者の魔法使いを召喚し、各地で起きている厄災や年に一度月によってもたらされる〈大いなる厄災〉に賢者の魔法使いとともに立ち向かう——というはなしだ。込み入った人間関係、美しい台詞の言葉選び、かと思えば眼球交換している男たち、世界を知らない聖職者、おぞましい訳あり双子、などなどストーリーもキャラクターもとても面白い。

だけどわたしが「魔法使いの約束」で好きなのはそこではない。いや、そこも好きだけどもっと好きなことがある。それがタイトルにもしている機械の組み立てだ。太字が戻せなくなってしまった

魔法使いの約束(以下まほやく)(太字が戻った!)はストーリーを読むためにはレベルを上げていく必要がある。そのために行うのが育成や訓練だ。育成してできた覚醒キャラという名のチビキャラでパーティを組んで訓練を行う、という流れ。まあそのあたりは今は割愛する

ともかくその育成のうちのひとつ、機械の組み立てがめっちゃおもしろい!!!!!!!!!!!(太字の仕方を覚えた)

ちなみに育成には各キャラクターゆかりの地が用意されており、それぞれそのキャラクターならではの育成の仕方がある。踊ったり、魚釣りをしたり、迷子を探したり、それはもういろいろある。訳がわからない。他の賢者は強い覚醒キャラをつくるために、たぶんあちこち試して日々育成しているんだと思う。

本題に戻る。わたしが好きな組み立ての舞台は東の国のブランシェット城。登場キャラクターのうちのひとり、めちゃくちゃ顔がいい人見知り根暗オタク貴族の坊ちゃんヒースクリフの実家だ。ほんとうに顔がいい。

このブランシェット城での育成が機械の組み立てだ。なぜ機械の組み立てかというと、このヒースクリフ(通称ヒース)が時計とかそういう機械いじりが好きだからだと思う。だから私俺賢者も組み立てをすることになる。よく分からないけど、顔がいいキャラクターに組み立てをしてくれと言われれば組み立てをする。それが顔がいいキャラクターが好きなオタクの性だろう。わたしはそうだ。

この組み立ては五つの部品を好きなように配置していくだけだ。その部品を集めるために私俺賢者は魔法使いと交流をする。まあ本来は交流をすることで、パラメータを上げ強い覚醒キャラを作るのが目的なんだと思う。だけどわたしにとって交流は部品集めだ。本来わたしは人との交流は好きではない。強くなれるからと言われても交流したいとは思わない。でも部品が集まるなら話は別だ。だからわたしは交流をしている。部品のために。そのためなら人との交流だってやるのだ。

そして集めた部品で機械を組み立てていくのだが、これが奥が深い。用意されている部品はLv1からLv5まで5種類あり、それぞれ交流で得られる効果が設定されている。たとえばLv4の部品をたくさん積めば、スタミナがあまり減らないとかそういうのだ。つまり部品をたくさん積めば、たくさん効果が得られる!という仕組みになっている。

しかしもちろんたくさん積めばいいわけではない。積めば積むほどアクシデント率というものがあがり、アクシデント率が100%になると機械が故障してしまうのだ。そう、故障する。なんか、もう、それはもうしょーーーうもない効果音とともに機械が壊れてしまう。どれだけ頑張って機械を積んでも、綺麗に並べてみても、それでも積みすぎると機械は壊れる。

だけどこの組み立てのおもしろいところが、とあるパターンで組み立てるとアクシデント率が大幅に下がることだ。たとえばLv5→Lv4→Lv3の部品を積んでいく。本来これだけレベルの高い部品を他の部品を積んだ状態で積むとアクシデント率は60%くらいになるのだが、この順番でいくと20%に戻るのだ!!!!!!!すごい!!!!!うれしい〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!

あとはたまに調子が良くなって、部品を5個積んでもアクシデント率が変動しないスーパーミラクルタイムがやってくる。もうめっちゃうれしい。キタ!!!!!!!!!て叫びたいほどうれしい。

このうれしいポイント二つをどう使うかで部品をいくつ積めるか、どれだけ強い機械になるかが変わるのだ。

と、ここでよくあるわたしのミスを話そうと思う。

まずはひとつめの、アクシデント率が下がるうれしいポイントでのあるあるだ。部品を積んでいき、そこでLv5→Lv4→と積んだとき、アクシデント率が60くらいだとする。次に積みたいのはLv3だ。もちろんアクシデント率を20にしたいからである。だけどたまに、そのまま100になって故障する時がある。わたしがなんかミスしてるだけかもしれないが、わりとある。よくある。あるある。だからいつもこのアクシデント率が下がるタイミングで部品を置く時、とてもわくわくする。これを置くと機械が故障するかもしれない、しかしうまくいけば……!!!?!?みたいな感じだ。そして、そして機械は、壊れた——

次に2つめの調子が良くなった時のあるあるだ。これはたぶん皆さんもお気づきのとおり5個しかおけないのにたくさん置いてしまって故障するパターンである。いや、これはあるでしょ。想像してほしい。ピコン!と良い感じの音がして「調子が良い!」「部品5個サービス!」と言われる(実際の文言は違う)。やったー!!!たくさんのせよ!!!となる。そしてとん、とん、とん、とん、とん、とん、故障。えーーー!?!?!?あっ、6個のせてたwwwwwwwそう、これだ。

わたしはなぜ、機械を壊してしまうのだろう。

安全圏でやめられないのはどうしてなんだろう。

わたしはなぜ、組み立てをしているのだろう。

わたしはなぜまほやくをやっているのだろう。

わたしはなぜ生きているんだろう。

と、哲学をしてしまうことも「あるある」だ。あるある。

まあここまで話していて、このひとは機械の故障がほんとうに嫌なんだな、と思われているかもしれない。

しかし違う!!!!!!わたしは機械が壊れるから組み立てが面白いと思っている。それに機械が壊れた時、ちょっと楽しい。いや、結構楽しい。誰もいない一人の部屋で爆笑してしまうくらいには楽しい。

「あ、あー!? あーーーー!!!?!? 壊れたwwwwwww」

とよく言っている。(叫ぶほどの声は出ません。根暗なオタクなので。)機械が壊れると、なぜかすっきりしてしまうのだ。この世には完璧なものなんてなくて、頑張っても結局無駄になることもあるのだと教えてもらえる。あとこれは誰もが経験することだと思うんですけど、たまに破壊衝動みたいなのありませんか?皿を割りたい!とかそんな感じの。それが解消されている気がする。組み立てを始めてからそういう衝動に駆られた記憶がない。すごい。機械の組み立てが成功した時の達成感はもちろん、故障した時も爽快感や虚無感を味わうことができるのだ。虚無感を味わいたい人が他にいるかは分からないけれど。

あとたまに三つめで壊れる。Lv5の部品をチャッ、チャッと組み立てると、いきなり壊れる。正直ビビる。でもこれはたぶん、わたしや部品が悪いんじゃなくて、基盤に欠陥があったんだと思っている。まあそんな機械は市場に出回ってもクレームとかになるしリコールとか大変だし壊れたほうがいい。



そんなこんなで組み立てを楽しんでいる私俺賢者なのだが、ふと、あることに気付いてしまった。

わたしは一体なんの機械を作っているんだ?

もしかして、これは東の国が戦争をするときの兵器なのでは?

わたしが作ったヤバイ兵器がどこかの国を滅ぼしてしまうのでは?

ということだ。そう、まほやくのストーリーは普通に戦争とかの言葉が出てくる。他のキャラクターがいる他国と戦争をする可能性があるのだ。つまり私俺賢者が作った機械がその時に使われる可能性すらある。そう思うと、ますます機械の組み立てに本気になってしまうのだ。だってこれは単なる遊びではなく、戦争なのだから。わたしはただのプレイヤーではなく、誇り高き組み立て士なのだから。