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親の土地を相続した人必見!「所有者不明土地」対策案の最新状況

誰が所有しているのか不明な土地「所有者不明土地」が急増しているのをご存知ですか?
2040年には約720万ha、北海道本島に迫るほどの勢いで増えるとの試算結果もあり、回り回って国民の負担になるかもしれない大問題なのです。

そこで今回は、所有者不明土地が増えている理由と合わせて、2023年施行予定の「相続義務化」についても解説します。
とくに、親の土地を相続する予定がある方は、ぜひ参考にしてみてください。


■所有者不明土地とは?増加している理由は?

不動産登記簿の所有者台帳などで、所有者の特定できない土地を「所有者不明土地」といいます。
そもそも土地の所有権登記は任意であり、誰が所有している土地なのか不明な場合があるわけです。
また、所有者を特定できたものの、連絡が取れない場合も所有者不明土地に含まれます。

では、なぜ所有者不明土地が増加しているのでしょうか。
例えば、下記のようなケースが挙げられます。

・所有者台帳などで名義変更されておらず、直ちに特定が難しい
・所有者を特定できたものの、転移先がわからず所在不明
・相続が繰り返されて法定相続人が多数となり、所在の確認が困難
・共有地でありながら、所有者台帳などにすべての共有者の記載がない

なかでも多いケースが、事実上相続が確定しているのに関わらず、名義変更をおこなわない「相続未登記」です。また、財産分割で話し合いがまとまらず、放置される場合もあります。

名義変更をしない理由のひとつが、立地による売却の難しさが挙げられます。例えば、田舎で住みづらい、周辺環境に問題があるなど、使いにくい土地にはなかなか買い手が付きません。そのまま所有していると固定資産税や都市計画税を毎年納める必要があるため、名義変更せずに放置してしまうわけです。

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■所有者不明土地を減らす対策「相続登記義務化」

所有者がわからなければ、売却や賃貸の交渉が不可能になります。
だからといって、所有者不明土地が放置されれば、不法投棄やゴミ屋敷問題の原因にもなりかねません。
また、固定資産税を徴収できず国の歳入が減ってしまうほか、取引機会の減少は大きな経済的な損失にもなります。

そこで政府は、2021年2月10日に開催された「法制審議会民法・不動産登記法部会第26回会議」において、「民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)の改正等に関する要綱案」を決定しました。

どんな改正案かというと、簡単にいえば「相続登記の義務化」です。相続を知った日から3年以内に登記・名義変更しないと10万円以下の過料対象になるなど、いくつかの罰則が設けられています。2021年3月に改正案を閣議決定し、国会での成立後の2023年施行予定です。

■まとめ

所有者不明土地によって、2020年から2040年に発生する経済的損失は、約6兆円に上るとの試算もあります。
「相続登記義務化」により、いよいよ政府も本腰を入れて取りかかるわけですね。
なので、家族名義の土地をお持ちであれば、早めに手続きするのがおすすめです。ちなみに、通常ではなかなか買い手が付かない物件でも、お引取りを含めアドバイス可能ですので、お困りの方はぜひ一度、お気軽にご相談ください。

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参照:「民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)の改正等に関する要綱案」
参照:国土交通省「所有者不明土地を取り巻く状況と課題について」
参照:所有者不明土地問題研究会


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