【ブリッジ】2wayのビッドに介入されたときのジャッジ【日本リーグⅠ部2023前期1日目】

天鳳の東風戦にハマっています。早ければ10分くらいで終わるのが手ごろで良いです。


前回の日本リーグはひりつくような残留争いを5位で切り抜けて一部残留。今回は入賞を狙えたら良いなと思いながら臨みました。


R1 vs ゆきまき

オポーネントはユース時代の監督とウィメンのプロのペア。ミックスチームの代表です。

全体のハンドから

自分はサウスにいて、ビッドはウエストの1Hオープンから、

(1H)-P-(3H)-?

4Dオーバーコールをするか、パスするかの二択になりました。ダイヤは長いですがハイカードは少ないしルーザーも多いです。3Dオーバーコールなら良さそうだけど4Dは厳しいという印象の手でした。

でもEWでハート9枚フィットしているから、NSにも良いフィットが有りそうですし、バルが良いからパートナーが5Dをビッドするときは良いコントラクトになり得ると考えました。少し頑張って4Dオーバーコールを選びました。

(1H)-P-(3H)-4D;
(4H)-4S-(P)-5D;
(P)-P-(X)///

で5Dxになりました。ウエストはHAKを取った後にCAを取ったので2ダウン。裏は5Hまでビッドしてメイクしたので9IMP取りでした。

このバルならサクリファイスでの得点もあり得るし、4Dはビッドするのが良さそう。パートナーにも聞いてみると、「4Dはビッドしないと勝負にならない」と言っていたのでやっぱり4Dが良さそうなのかなという感じです。

トラベリングを見ると意外と低い台で終わっているテーブルが多いです。イーストが2Hで捌いた場合はウエストがゲームまでビッドしにくいのかもしれないです。個人的にはイーストの手は3Hにジャンプレイズしたいです。バルのウイークはこれくらいHCP持っているのは有りそうですし、フィット枚数を伝えつつ相手のPREを狙えます。手を伝えきれるから後のジャッジが発生しにくくなるのも良いです。

R1は良いボードが多くてデータムは16ボードで+16IMPでした。裏も良いスコアでR1は17.5VPくらい取って勝ち。幸先の良いスタートになりました。


R2 vs BUNTA

オポーネントはいつもお世話になっている先輩。

高い台のジャッジ

あなたはサウス

#22 they vul 2nd

3
T8432
AT
Q8542

(1D)-P-(1S)-2S;
(3C)-P-(3D)-3H;
(5D)-?

アクションはどうしますか?















ゼイバルとはいえ3Hもビッドできるならそこそこ良い手をパートナーは持ってそうで、DAとCQはディフェンスに活きるからダブルで勝負。

(1D)-P-(1S)-2S;
(3C)-P-(3D)-3H;
(5D)-X///

5Dxがスタンドして、オープニングリードはS3。ダミーは、

AKT62
Q9
982
T63

T1:S3-A-4-H6
T2:SK-Q-HK-DT

次に何を出しますか?

3
T8432
AT
Q8542
(ハンド)








テーブルで考えたのは、

・ディクレアラーはマイナーに11枚持ってる。0265か0274のどちらか。
・パートナーはメジャーに11枚持ってる。7420か7411のどちらか。
・パートナーが7420だったらクラブを出してラフ、スペードをラフ、クラブラフで2ダウン。
・パートナーが7411だったらクラブシフトすると作られる可能性がある。7411のときはハートを出しておけば、いずれDAとCQが取れるので1ダウン。
・一方でパートナーが7411のときはQJxxxxx AJxx x xでは3Hをビッドできないだろうから、CAとかCKとか持ってそう。クラブシフトがまずい結果になることは少なそう。
・パートナーのスペードの出し順から考えると、最初にS4でクラブ示唆して、次にSQでハート示唆している。もしクラブラフしたいならS4の次も小さいカードが出そう。

パートナーのシグナルから今すぐクラブを切りたい感じではないだろうと考えて、ハートシフト。








実際のハンドは、

T1:S3-A-4-H6
T2:SK-Q-HK-DT
T3:HT-9-J-D3

あとはDAとDKとCQが取れて2ダウンは500取り。ダブルで仕掛けて作戦成功でした。裏は5Cxが2ダウンだったのでプッシュ。


パートナーのSQはクラブ来てほしくないという意味で合っていました。ダミーエントリーが無くてDKがフィネスできないから、クラブラフしなくてもDKが勝つので。シグナルの意図が想像通りで良かったです。



続いて、

特殊な2NTのジャッジ

あなたはサウス

#23 both vul 1st

97
Q983
AT
A7654

P-(P)-1S-(P);
1NT-(2H)-2S-(X);
P-(P)-2NT-(X);
?

アクションはどうしますか?












テーブルで考えたのは、

・2Sxが良さそうだったのに2NTxで回ってきてしまった。
・パートナーの2NTは、2NTをプレーしたいか、マイナーに逃げたいか、のどちらか。
・マイナーに逃げたい場合は6133みたいな手。もしそうだったらこちらの3Cが良さそう。ただ、6133だったらXXで逃げ先を聞くことができるはず。XXはプレーしたいにならないだろうから、マイナーチョイスしたいならXXを選びそう。
・2NTをプレーしたい手は6322でハートストッパーが有ってスペードがぼろい手など。イーストはハートをサポートしてないし、サウスには6-11点くらいあるので、ハートストッパー持ちのBALで2NTに逃げるのはあり得る。もし2NTがプレーしたいなら2NTxは結構良さそう。


2NTはハートストッパー持ちのBAL、マイナーに逃げたいならXXを選ぶと考えて、2NTxをパスしてスタンドさせた。

P-(P)-1S-(P);
1NT-(2H)-2S-(X);
P-(P)-2NT-(X);
P-(P)-P

左のオープニングリードはHJ。

AJ8653
K
75
QJT8

97
Q983
AT
A7654

T1:HJ-K-6-3
T2:CQ-9-4-K
T3:C3-J-S2-5

プレーの方針はどうしますか?












実際のハンドとプレーの展開は、

T1:HJ-K-6-3
T2:CQ-9-4-K
T3:C3-J-D2-5
T4:CT-S4-6-2
T5:C8-D3-A-H2
T6:C7-H4-S3-S4
T7:DT-8-5-J
T8:SK-7-H5-A
T9:D7-6-A-9
T10:H8-T-S5-ST

あとはウエストにDKがあればスローイン出来てジャストメイクでしたが、DQだったのでスローイン失敗で1ダウン。裏はサウスの3Cがメイクだったので7IMP取られ。


ラウンド終わった後にパートナーは「クラブ取った後DA,DTとプレーした方が良かった。正しく守られたら落ちるけどメイクしてもおかしくない。」と言っていました。

たしかに、右がダイヤ2枚捨てていたから、正しく守るにはウエストが2巡目のダイヤを勝って、HAをキャッシュしてから、ダイヤでイーストに入れる必要があります。ダイヤが相手のコミュニケーションになってるから、それを切りに行く。テーブルでは思いつかなかったです。

ちなみに2NTの意図をパートナーに聞いてみると「2NTはプレーしたい。XXが何か言って欲しい。」と言っていました。テーブルで想定したのと同じだったので良かったです。


続いて、

2wayのビッドに介入されたときのジャッジを考える

あなたはサウス

#28 we vul 4th

A65
AJT6
KJ7
Q75

(1S)-P-(P)-1NT;
(P)-2S-(3C)-?

2S=マイナーステイマン、ボスマイナーorダイヤのサインオフ

アクションはどうしますか?













テーブルで考えたのは、

・パートナーの2Sはマイナーステイマンなので、ボスマイナーのFGか、ダイヤのサインオフか、ボスマイナーサインオフのどれか。
・右の3CはおそらくNAT。パートナーはだいたいダイヤのサインオフだから、こちらの3Dが良さそう。
・一方で、パートナーがボスマイナーのFGを持っているなら相手の3Cxを捕まえたい。でもこちらでダブルしたらPENになって、パートナーがダイヤのサインオフのときにパスされてメイクされかねない。パスしておけば、パートナーがボスマイナーFGのときにダブルしてくれてそれを流せる。

結局はパスしてパートナーに任せることにした。ボスマイナーFGならPENしてくれるだろうし、ダイヤのサインオフなら3Dをビッドしてくれるだろうと考えたので。









実際の展開は、

(1S)-P-(P)-1NT;
(P)-2S-(3C)-P;
(P)-P

でイーストの3Cになってジャストメイク。こちらの3Dもメイクだったので競り負けた形になりました。


自分としてはダイヤのサインオフならパートナーに3Dまではビッドしてほしかったのですが、ダイヤのサインオフのときにパスされうるならサウスで3Dをビッドした方が良かったのかもしれません。

終わった後パートナーに聞いてみると「ビッドするのはサウスでしょう。ノースにダイヤ6枚あると分かっていてその手でビッドしないんですか。」と言っていました。ダイヤ6枚をマークする方が自然でしょうか。

有識者にもアクションを聞いてみました。

「サウスがビッドすべきですね。そもそもビッド的にノースはほぼダイヤで決定です。3Dまではビッドするつもりなのではなく、あくまで1NTよりも3Dの方がましだと考えているだけなので、3Dまでビッドする保証はありません。仮にボスマイナーFGだとしても、3Cxでオポーネントが終わろうとしてくれるとは思えません。おそらく3Sをビッドされるでしょうし、そもそもこちらがバルなので、あまり奇跡的なペナルティに備えるようなシチュエーションでもありませんね。」
「言うのはダイヤの長いほうでは。ダイヤのサインオフは、1ntより3dが良いという意味で、単純に言うとダイヤぼろい6枚のゼロ点でも構わないよね。」
「ビッドするのはサウス。ノースのボスマイナーFGに備えてパスをしたと主張しているが、具体的にどういったハンドを想定したのかわからない。主張を通すならば、自分のハンド、ボスマイナーのN、パスして3CをビッドしたE、消えた大量のハート、消えた大量のスペード、実際のオークションを論理的に説明できるハンドが存在しなければいけないが、これはほぼないように思う。奇跡的な3Cxが3NTになってしまうことより、頻繁にある3Dが3Cになることの方が問題。」
「Nが3D言うべきです。Sは別に積極的に3Dをやりたいハンドでもないですし、NがボスマイナーFGなら3Cxで捕まえることができるかもしれないです。ダイヤのサインオフなら2Sをビッドした時点で3Dまではビッドするつもりのはずなので、パスしても3Dまではビッドしてくれるでしょう。」
「Nが3Dビッドするのが自然だと思います。3Dに十分なスーツの内容があるでしょう。」
「どっちもビッドできるのでは。サウスはダイヤに決め打てるし、ノースは3Dをビッドするのに十分良いスーツ。」
「ノースはパスするべきではないです。6枚の良いスーツがあるから。弱い手だからこそ3Dをビッドしたいです。2Sに強い手が有り得るから、サウスがダブルを待っている可能性があると分かるはず。」
「どちらも言ったほうが良いと思いますが、どちらもレアケースをケアーしようとし過ぎてます。ノースにボスマイナーのFGはほぼ有り得ないですからサウスは3Dが無難です。サウスにダイヤシングルトンはほぼ有り得ないですしスーツの内容が良いのでノースも3Dが無難です。」

ノースもサウスもビッドした方が良いという意見が多かったです。言われてみればボスマイナーFGをノースが持っているケースはほぼ無いので、サウスから3Dをビッドしておくのが良かったです。2wayのビッドに介入されたときはレアケースをケアし過ぎない。スラムトライ判断と同様に「ベスコンが8割分かっている側がビッドする」ように心がけます。


続いて、

タータン2S後のスラムトライ

あなたはサウス

#30 both non vul 2nd

KQT92
J3
Q954
52

(P)-2S-(P)-2NT;
(P)-3S-(P)-4C;
(P)-?

2S=S+m、ウイーク
2NT=ASK
3S=S+D、良い手

アクションの方針はどうしますか?








テーブルで考えたのは、

・4Cの取り決めはしてないが、クラブ1スーターのスラムトライか、ダイヤフィットのスラムトライの可能性が高い。
・クラブ1スーターのスラムトライは4Cの後の展開が難しいから、実践的には5Cか6Cをジャンプビッドする可能性が高い。だから、4Cはダイヤフィットでクラブのキュービッドをしてそう。
・ダイヤのスラムトライだとしたら、自分の手は良い手と示した中で最も弱いレンジのハンド。Aもショートも無くてスラムに向いていない。5Dにジャンプするか、4Dでお茶を濁してパートナーに任せるかのどちらか。

5Dと4Dで迷ったが、スラムトライでジャンプするとパートナーに示しきれてない情報を残してしまって、逆に追い込むことになることが多いので4Dでお茶を濁すことにした。4Dをビッドしておけば、4NTでRKCBされたときに5Dで0keyを示せるのも偉い。







実際のハンドは、

(P)-2S-(P)-2NT;
(P)-3S-(P)-4C;
(P)-4D-(P)-4S///

4Dをビッドするとパートナーからは4Sが返ってきたので長考してパス。4Sもダイヤのスラムトライかもしれないですが、SAを持っているでしょうし、ノースからRKCBできないくらいの弱い手なら6Dは厳しいし、そもそも4Cがスペードのスラムトライだったかもしれないです。4Sをパスするのが良い落ち着きどころだと考えました。

パートナーに聞いてみると、「4Cやり過ぎた。3Sにすぐ4Sで良かったね。」と言っていました。結果的には4Dからの4Sパスがファインプレーになりました。稀にこういうのもあるからスラムトライするときは弱い手でも極力ジャンプビッドしない方が良いと自分は考えてます。特にマイナーフィットしてるときは5mまでジャンプするとスペースを奪いすぎてしまうので、柔軟性に欠けるのがイマイチです。


話しを戻して、タータン後のメジャーフィットのスラムトライは3Dからスペードフィットを示すのが基本ですが、マイナーどっちか知りたいときもあるから、2NTから入るのも良いかもしれないと思いました。

マイナーフィットのスラムトライ=2NTからのオープナーのマイナーを4mにレイズ
スペードのスラムトライ=2NTからのキュービッド or 3Dからのキュービッド
ハート1スーターのスラムトライ=3Hから
マイナー1スータースラムトライ=2NTからの5m or 6mへジャンプ

こうしておけばスペードフィットしててマイナーどっちか知りたいときにも対応できそうです。マイナーフィットで打ち抜きを確認するのが多少難しくなりますが。

R2も表裏調子良く14VP強取って勝ちました。前半2ラウンドで30VP強取って好調のスタートになりました。



R3はお休みして、かくたかやまペアの観戦。勉強になったハンドを2つ紹介します。

ビッドはサウスのたかやまさんから、

2S-P-4S!-X///

でサウスの4Sx。ノースの4Sが気合の入ったビッドで、EWにスラムがあると読んで800~1100くらい取られるリスクを覚悟してビッド。ノースの稼ぐ意思を強く感じたハンドでした。今回はEWの噛み合わせがあまり良くないので残念ながら相手に良いスラムは無かったですが、勝負所では積極的に稼ぎに行く姿勢が大事なんだなと思いました。


次はプレーが上手だったハンド

ビッドは4番手のサウスの1NTオープンから、ステイマン経由でサウスの3NT。

(P)-P-(P)-1NT;
(P)-2C-(P)-2D;
(P)-3NT///

ウエストのリードはSK。ウエストのSKが勝って、スペードが続いてサウスのSJが勝ち。サウスはC9を出して、CKをスチール。すぐダイヤに変わって後々ハートをフィネスして2241でジャストメイク。

ウエストがCAを上がれなかったのが失敗ですが、サウスがすぐにクラブを出すプレーが上手でした。こういうメイクの手順に気づけずとりあえずダイヤ出して落ちちゃうのあるあるなので。プレーの勉強になりました。


そのままR4もお休みして2日目へ続く。


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