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サカナクション好きにオススメのボカロ曲


 サカナクションは、自分がもっとも好きなバンドです。それほど邦ロックに明るくないのですが、このバンドの音楽だけは中学生の頃から今までずっと生きるのに欠かせない存在として聴き続けています。

 (思えば人生で初めて買ったCDである6thアルバム『sakanaction』から早5年!次のアルバムはいつ出るんでしょうか…)

 昨今の邦ロックシーンの中でも「良い違和感」を醸し出す存在で居続けているサカナクションですが、自分がこれまで聞いてきたボカロ曲の中で個人的に「サカナっぽさ」を感じる曲やアーティスト(ボカロP)さんに時々出会ってきました。

 勿論オリジナル曲として発表している作品に対して、他の作品と徒らに比較したり類似点を突き付けるのは良い視聴者の態度とは言えません。しかし、基本的に自分が「サカナっぽい」と称するのは好意的な意味においてです。その証拠に、今回紹介する曲はどれも本当に大好きな曲ばかりです。


サカナとボカロが両方大好きな人間の一人として、今回は双方の橋渡しに少しでもなれば、と思いこの記事を書かせて頂きました。

魚民の方々、ボカロにもサカナクションのようにセンスが良く踊れる曲はたくさんあります。むしろアンダーグラウンドだからこそ、メジャーシーンより挑戦的な作品はたくさんあります。

ボカロ好きの方々、最近「新宝島」などで人気のサカナクションですが、自信を持ってお勧めできるバンドです。彼らは本当に良い音楽を追求し続けているんです。マイナー曲も聴いてみたらいかがでしょうか。イチオシは1stアルバム『GO TO THE FUTURE』です。


 以下読み進める上での注意点としては、

・「サカナっぽさ」はあくまで自分の独断と偏見に基づいています。「全然違うじゃねえか!」と思うかもしれません。

・自分はボカロを聴き始めてからまだ2年目の新参です。したがって当然あまり昔の曲は守備範囲ではなく、最近の曲でも全て聞いているわけではないので「この人・曲だってサカナっぽいだろ!」と思うかもしれません。その場合はぜひあなたの考える「サカナっぽいボカロ曲」をnoteなりで教えて下さい。

この2点です。それではどうぞ↓



1. hp / ナカノは4番



フリーソフト版のボカロであるUTAUでもっとも有名なPのひとり、ナカノは4番さん。「UTAU界のサカナクション」という異名をつけても良いほど超ハイセンスな曲を書きます。

上記の代表曲『hp』は、具体的にサカナのどの曲に似てるとは形容し難いのですが、とにかく全てのサウンドが噛み合った完璧な曲なのではないかと思います。この曲を挙げないで何を紹介するんだ、と個人的に思うのでトップバッターを任せました。

音の面だけではなく、ナカノさんの書く歌詞も素晴らしいです。

藍とむらさきに まみれた18時(6時)に
どっかで見たよな 言葉がポツリ
そっと今日が終わって 買いたてのヘッドホン
耳もとが茹だる 低音は要らないの

UTAU楽曲データベースより引用:『hp』の冒頭部)

一郎さんの書く詞と似ているわけではないのですが、どこからそんな言葉の連なりが思い浮かぶんだという位、凡人離れした言語感覚を持っていると思います。


また、同じナカノは4番さんでもう一曲。

自分はこの『白波トップウォーター』がサカナの中でトップレベルで好きなのですが、この曲にイントロの雰囲気がとても近いと感じるのがナカノは4番さんの『GPS』です。



いかがでしょうか。この『GPS』のイントロからサビまでの部分は自分の好みに完璧に合致していて、初めて聞いたときは驚きました。ベースから静かにビートが刻まれていく感じがたまりません。



2. 教室の外、さんざめく。 / aquabug

この曲はサカナで言えば『アイデンティティ』や『アルクアラウンド』、それから『アドベンチャー』などのアップテンポで踊れるロックに当たると思います。

間奏部分でワブルベース(dubstep)要素を入れるなど、なかなか挑戦的な曲になっています。「教室の外、さんざめく。」というタイトルも秀逸ですね。

同じaquabugさんの『bloom』などもサカナ好きにオススメです。↓



3. 空戦と花 / 小林三角

 「サカナクションらしさ」って色々あると思うのですが、一つだけ挙げるとしたら「特徴的な歌詞の切り方」にあると自分は思っています。

『新宝島』のサビ「丁寧、丁寧、丁寧に描くと〜」などが代表的ですが、「普通ならそこで区切らない/伸ばさないだろう」という一郎さん独自の歌のリズムがあると感じます。

そしてこの『空戦と花』は、そういったボーカルのリズム感覚がサカナクションと非常に近い位置にあるのではないかと思うのです。歌い出しの「バイバイ 夜が去って今日が昨日になる」という部分からそれがひしひしと伝わってきます。

サビで一気に開放する感じも『夜の踊り子』などに通じるところがあるかもしれません。


ちなみにこの小林三角さんは、最初に紹介したナカノは4番さんの『hp』のリミックスも投稿しているので必聴です。↓

hp (小林三角remix) http://nico.ms/sm28085765


4. ストロボラスト / 椎名もた

才能を開花させながらも20歳という若さで2年前に夭折した、ぽわぽわPこと椎名もたさん。彼はサカナクション好きを公言していました。

代表曲『ストロボラスト』は何度聞いても若干15歳の時に書き上げたとは思えないクオリティです。敢えて似ているサカナ曲を挙げるとすれば、『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』でしょうか。


また、自分がもたさんの曲で一番好きなのは『アストロノーツ』ですが、こちらは痛切に一人で歌い上げるロックバラード。曲の長さから見ても、サカナの『ナイトフィッシングイズグッド』や『目が空く藍色』に近いものを感じるほどの名曲です。

(こうして並べると偶然にもサムネイルが似ていますね)


それから、もたさんはこんなタイトルの曲も書いています。静謐なエレクトロニカ。

空のサカナ / 椎名もた


5. フロート / C/しー

この曲は、自分がサカナクションで一番好きだと断言できる以下の曲に近いものを感じるということで選ばせて頂きました。



お聞きいただければ分かると思いますが、イントロからずっと繰り返される低めのシンセサイザー(多分)のリズムに共通するものを見出せます。

曲の全体や歌詞の内容的には全く異なる2曲ですが、その根底にあるサウンドだけでここまで似た印象を受けるものなんだと驚きます。要するに自分がこういった音に弱い、ただそれだけのことなんですが。




さて、以上5人のボカロ系アーティストを、個人的に「サカナクションみを感じる」という曖昧な基準で紹介させて頂きました。

前述した通り、普段ボカロを聞かないサカナ好きの人がこのなかの1曲でも好きになってくれたり、「意外とボカロにもいい曲あるじゃん」と思って頂けたら至上の喜びです。

また、ボカロリスナーの皆様におきましては、あなたの「サカナみを感じるボカロ曲」をぜひ教えて下さい。

それでは。

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