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里親になってみたい〈1〉

最近よく思い浮かぶ「生きているうちにこんなことできたらなあ」の中からいくつか並べます。

(1)里親登録および里子委託
(2)障害者アートにまつわる活動支援
(3)犬のいる生活
(4)海外生活

長くなりそうなのでひとつずつ整理します。
わたしの文章のよくないところは冗長なところです。磨きたい。

(1)里親登録および里子委託

これまで

里親、里子と聞いて浮かぶイメージはどんなものでしょうか。わたしは、わりとポジティブに、しかしそんなに特別視することでもない、といった思いがあります。 

里親になるには、自治体に申請をして、審査や研修を受け認定されなければいけません。
結婚していない人にも登録する権利はあります。
一時的な養育里親の他、養子縁組前提の里親などの制度の形があります。


里親の種類と要件
(公益財団法人全国里親会)

実家では、母が養育里親の登録をしていて、時々委託受け入れをしています。
学生だったわたしも以前、入浴や、寝かし付けや、登園の準備、休日の遊び、ぐずったときの面倒などできることでフォローをしました。受け入れた子どもたちはみんな個性的でしたが、保護されて間もない彼らは夜泣きが激しいという共通点があり、夜がくるたびしんどい思いも経験しました。
いや、なにより傷ついていてそれを意識があるときには表現しようがない子どもたちこそいちばんしんどいことは言うまでもないのですが。

振り返ると総合的にはとても楽しかったんですね。
精神的にふさぎ込みがちなわたしは、子どものいる生活に自身が勝手に救われるような思いでいました。
わたしは当時、ただの里親の実子という立場で気楽なものでしたが、里子がいる間に家族が一致し、家が明るくなる感覚も明確にありました。
里子は、実親を始めとするもともとの家族や環境への思いとは別軸で、我が家の一員になって、やがてそれぞれのケース事情でそれぞれ委託を終結しました。
家族になるって血縁じゃないんだなあという信念が本気で強化される経験でした。 


愛着が不安定だからこそ

バイタリティあふれる母への憧れもあると思います。
母への思いはほんとうに複雑にこじれていて、むずかしいのですが、わたしにとって尊敬できる人物である、そういう側面があることは否定しようがありません。
母とは福祉観が似ていて、ときどき、虐待問題や福祉についてお互いに意見交換するような相手でもあります。
子育てが落ち着いたら、いつか里親になってみたかったんだよねという、昔からの素朴な思いを実際に叶える母の実行力に純粋にあこがれているかもしれない。もしかするとわたしは母になってみたいのかも、という懸念はちょっとあります。
大きすぎる影響を受けています。

しかし、子ども(それも困難を抱えた子ども)と生活することは大変だけれども楽しく、信頼関係を築いていった先では他に替えがたいしあわせもある、ということはすでに実感として知ってしまったので、もういちどそれになりたいと思う、きっかけとしてはそんな経験も背景として大きいです。


社会で育てるということ

社会的養護でいえば、わたしは児童養護施設で働いた経験があります。
結論から言うと挫折しました。とても厳しい労働環境であるということを覚悟し想像していたつもりでしたが現実的な検討力が甘かったので、キャパシティを超えていたことを実感したのは体調を崩してからでした。

施設内は第三者の目が届きにくく、集団を統率するためのルールが日々新しくつくられていきました。子どもの権利を軽視する独自ルールもありました。
しんどい思いを訴えられても、新任のわたしにはなす術がなく、自分の無力さを知る毎日でした。
すべての施設がそうとは思いませんが、組織が古く、抑圧する力が大きいことの弊害を感じていました。

当時の職場で、同期になぜこの現場を選んだのか聞いたことがあります。
「ママになってみたかった」という、保育士資格を持つ彼女の言葉がずうっと心に残っています。
子どもと本気で向き合える、強くて温かくて頼もしいスタッフがたくさんいたことを知っています。
ものすごい先輩たちの、身体的にも精神的にもマッチョでタフで向上心が留まることを知らないような、他では見られないお手本を間近で学びました。

わたしには集団の社会的養護は合わなかったけれども、今でも、子どもたちの未来を支える素晴らしい現場だと思います。
ただ、より家庭的な環境で児童を養護していくべきという時代の流れがある中で、いまだに一時保護所や乳児院や児童養護施設は空き待ちの状況があります。
様々な形での養育の場がある方が様々なケースに対応していけるのだから、里親制度も児童福祉の中でより重要な位置になってほしい、世の中の多くの人に選択肢として考えてもらえるくらい制度が充実してくれたら、里親についての誤解や偏見が減り安定して広まってくれたら……という思いも、自分が里親登録をしたい原動力のひとつです。

そんなこれまでをふまえて、現在の自分の属性や希望について整理もしていこうと思います。

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