美・絆・クリーン
2021年ブランディング&マーケティングのキィワードはABCだ。
A = Aesthetics エステティクス 美 エステサロンのエステね
B = Bonds 絆 ファンとのダイレクトな絆の耕し
C = Cleanness クリーンであること
前提として、コロナはなくならない。だから「アフターコロナ」は来ない。
コロナ前提で商いを考えていく。
エステティクス
これにはエシカル(倫理的)な要素も含まれる。
この本はマーケティングにエステティクスの視点を入れよう、というもので、何と! 1997年発行だ。ぼくは当時まだ日本にいたので、アメリカのAmazonから取り寄せた。
この本が予言しているように、
美しいか、美しくないかという基準がとても重要になってくる。
顧客がファンになっていくための「理由」が「美しいか?」。
企業、ビジネスといえば、「うちが儲かれば、それでいいじゃん」だったけど、違う。
地球はもう悲鳴を上げてる。
コロナを派遣したのは、地球が「経済をなんとか止めたい」と思ってのことだ。その通り、地球の自転・公転は変わらないが、経済の回転はスローになった。
ぼくは2000年から「スローなビジネス」を提唱し、韓国版も出るほど共感者はいてくれたんだけど、メインストリームにはならなかった。コロナのおかげで、ようやくビジネスがスローになった。スローというのは回転速度だけではなく、「ほんもの」であることも指す。
「ほんもの」というのは、その商いが美しいかどうか。
美しい商いを目指す人が増えるのは、とても好ましいことだ。
いまや世界最大の消費市場といえる中国のマーケティングでは
KOL(Key Opinion Leader)オピニオンリーダー(芸能人やフォロワー数の多いインフルエンサー)
KOC(Key Opinion Consumer)オピニオン消費者(フォロワー数がKOLより少ないけれど、影響力ある個人)
UGC(User Generated Contents)口コミ
の3つを考える。
UGCから派生してネットの口コミが広がっていくのが最も美しい。ただ有名な芸能人だけが商品宣伝したところで美しくない。
自発的に生まれる「あの商品いいよ!」が美しい。
つまり、「自分では商品宣伝を発信しない」というのが一番美しいのである。「ほんもの」だけが広まっていく。
絆の耕し
もともとマス広告(テレビコマーシャル、新聞雑誌広告、電車の中吊り広告、ラジオコマーシャル)は視聴者・読者のアテンション(注意)をひくのに大声で叫ぶようなものだ。
写真は陸橋上から撮ったものだけど、横断歩道を渡って急ぐみんなに向かって
「おーい! ぼくの商品、こんなにいいんだよー! だから買ってー!! 買ってー!」と叫ぶようなもの。みんなは各自それぞれの考えにふけっているというのに。
それにいま、人類史上最高に希少になってしまった資源がアテンションだ。
電車に乗って乗客を観察してみればいい。
寝てるか、スマホ見てるかだ。
みんな自分の発信に忙しく、人の発信なんて見る時間がない。アテンションなんて、残ってない。
だから、丁寧に、1 to 1で手数かけ、見知らぬ通行人を知り合いに、知り合いをともだちに、ともだちを顧客に、顧客をファンに育てていく顧客エンゲージメントが重要なのだ。
ただ、顧客は商品につく。同等機能で、価格が安いものが現れたら簡単にそっちへ鞍替えしてしまう。
ファンは人につく。
2021年の商いは、「人で売る」「人を売る」が基本になっていく。
つまり、ファン化エンゲージメントが大事になってくる。
クリーンであること
写真はエトワール・サービスさんからいただきました。
自転車、電動自転車、電動スケートボード、電動スクーターが増えていく。専用レーンが道路に増えていく。
クリーンだよね。
保険会社なのに「車の所有は減っていく」と断言している(笑)
カーシェアは増える(increase)が、カー所有は減る(decrease)と対にしてるのもプロのコピーライターならではの仕事か。
とにかくクリーンであること。
たとえば、ネットショップで、商品にチラシが山ほど同梱されていたら印象がとても悪い。ゴミを増やしちゃうから。
また、決済手段も、バーコード読み取りでLINE PayやPayPayで瞬時に済んでしまうほうがカード決済よりやりやすい。銀行の店舗まで行って手続きしなきゃならないなんて、もう、あり得ない。ATM画面をタッチするのも感染予防上不衛生だしね。
以上、2020年を総括し、来る2021年のトレンドを読むと出てくる3つの指標、
A = Aesthetics エステティクス 美 エステサロンのエステね
B = Bond 絆 ファンとのダイレクトな絆の耕し
C = Cleanness クリーンであること
についてお話しました。
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