ちいさな庭だより。2024年7月号。

[intro]
 異常な高温に大雨、そして夏休みに突入したというのに北陸はいまだ梅雨明けの発表もない。なんだか年々過酷な夏になっているようにさえ思えてくるこの頃。植物たち共々なんとか生き延びたい、と願うばかりだ。
 
 
[街なかの、裏庭より。]
 

(ガウラ)

 さすがのうだるような暑さに負けて、土用だし…と庭の作業をサボっていたら、すっかり荒れているちいさな庭。先月号でお伝えしていたガウラが、我が物顔でコバルトセージの鉢の中で開花していた。そのうち鉢上げするし、コバルトセージが咲くのはもう少し後になるので、今はいいか、とながめることにした。
 

(キツリフネ)

 間借り状態の植物はガウラだけではない。こちらはキツリフネ。以前からこのちいさな庭に生息している植物なのだが、今回はブルーベリーの鉢の中に種が飛んだらしい。このキツリフネ、英名がtouch- me-not balsam。種に触れると弾けてあちこちに散らばるからだろうか、そんな名前がついているのがちょっとおもしろい。
 

(ブラックベリーの花と蕾)
(ブラックベリーの実)

 気温が高いせいか、先月号で蕾の状態をお伝えしたブラックベリーが一気に開花し、あっという間に実になった。昨年はこの状態から何者かに食べられたり腐ったりしてしまったので、今年こそは少しでも…と願う。クランベリーは目下は順調に育っており、ブルーベリーは鳥に少々つつかれたものの、数えるほどではあるが収穫できている。
 ベリーと言えば、残念なお知らせが。この気温と陽射し、また湿度の高さも影響してなのか、西別コケモモが息絶えてしまった。花がとても愛らしく、ひょっとしたら結実するかも…と期待していただけに淋しい限り。同じ北海道生まれの千島ツガザクラは春に花をつけず、今のところは枯れてはいないものの、おそらくこの天候はそれなりにストレスになっているのではないかと思う。室内で管理していたクチナシや三時草も、今回の湿度に耐えきれなかったようで枯れてしまった。イワヒバも、戸外のものは元気だが、室内管理のものはちょっと弱っているようで心配だ。これだけの高温多湿になると、水のやり方を含め、お世話の仕方がとても難しい。
 

(風知草の花とサツマイモの葉)

 風知草も気がついたら花をつけていた。隣には鉢植えのサツマイモ。どうなることかと思っていたが、すくすくと育っている。風知草の明るい緑のシュッとした葉とサツマイモのハート型の葉の濃い緑が、水撒きの度にほっとした気持ちにさせてくれる。
 

(サボテン・金盛丸 - エキノプシス・カロクロラ)

 多肉植物たちは前述のとおり、三時草は枯れてしまったが(いちおう葉挿しを試みてはいる)その他はなんとか持ちこたえてくれている模様。金盛丸においては2つめの蕾が上がってきたのでうれしい限り。この感じだと開花はもう少し後になるのかな。ゆっくり見守る。ちなみに、先月号でお伝えしたグラウクムの葉挿しも、いちおう細い根を確認したのでなんとかなっているようだ。このまま無事に育ってほしい。
 

(イングリッシュオークの新芽)

 そして夏といえば…虫である。イングリッシュオークの葉が数枚、なんだか白っぽくなっていて、日焼けだろうか…などと呑気なことを言っていたら、イラガの幼虫による食害であった!幸いまだ御一行様で固まって過ごしている初齢くらいの感じだったので、葉ごと取り去って駆除と相成った。食害にあった葉を刈ったあとに、こうしてまた新芽が伸びてきたので安堵している。樹形がどうなるか分からないが、まずは元気に育ってくれたらそれでよい。
 目下はこのイラガの他にはミント類がバッタの食害に遭っている。口に入れるものなのであまり薬剤を使いたくないというのもあり、またミントだから大丈夫だろう、と思っているところもあるのだけれど、あまりひどいようなら挿し芽を採ろうかとも考え中。この他、除草作業などせねばと思うことはいろいろあるが、体調や天候と相談しつつ、すこしずつ無理のないように進めたい。
 
 
 
[ロザリアンへの途…裸なのは夏だからですか?]
 

(フラウ・カール・ドゥルシュキ)

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