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泣けもしないのに失恋ソングを聴いた

大丈夫な時と、大丈夫じゃない時。大丈夫だけど大丈夫じゃない日。頭ではわかってるんだけど、心がわかってくれないこと。
数当たれば成功するUFOキャッチャーと違って、人間の心は変わらないんだね。いや、変わっていくのかな。変わってるから、変わらない僕が置いてけぼりになって、寂しくて、淋しくて、泣けもしないのに失恋ソング聴いたりするからハンドル握る手が危なかしい。
もう僕の影は薄くなっているかなとか、よく一緒に行った店に普通に入れるのかなとか、ドライブの時に聴いてた曲はもう聴けるのかなとか。
他の人と一小節ずつ交代に歌ってるんだろうか。
まだ愛していて、まだ愛しているのに届くことがないっていうのは、こんなにも苦しいんだね。何も言えなくていいから、ただ会いたい。
それこそがとても傲慢な願いで、「ただ」と言ってもそれが全て。あなたが全て。それだけを望んでいるのだけど、それが全ての望み。
抱えきれない思いをさせてしまったことへの謝罪はしてもしても足りないだろうし、もう必要ないんだろう。要らないんだと思う。
要らない人からの要らない言葉なんて、聞かない方がずっとマシだ。要らないんだもん。
でも、僕の傲慢な願いはもう一つあって、できることなら、嫌いだと言われるまで会いたいと言いたい。
寂しいから会いたい、不安だから会いたいのだったら言わないつもりだった。
でも、たぶん、これは違うのだろうなと思った。
ほんとうに、ただ、会いたくて、話したい。
そして、また触れられたらどんなに嬉しいか。
髪を撫でて笑えたら、それ以上は何も要らない。何も要らなかった。はずだった。
もうずっと、こんな文章しか書けなくて、他のことを考えられないくらい、ずっと会いたい。
いつ捨てたらいいかな。形あるもの。
いつ捨てられるかな。形ないもの。
僕が言えたことじゃないのは承知の上で、
もうずっと、僕はこんなだよ。
ちゃんと、好きだったよ。

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