『櫻の蕾が花開くまで。肆』
合宿が終わり
BANの発表が終わり
無事私たちの3期楽曲のMVを使って頂く事になった。
初めての私たちの楽曲。
曲名は『夏の近道』
フォーメーションは二列で
後ろが7人前が5人。
後ろは上手から
純葉、理子、璃花、凪紗、麗奈、ゆーづ、私。
前は上手から
瞳月、美羽、愛季、美青、優ちゃん
初の3期楽曲のセンターは愛季だった。
私は二列目の1番下手。シンメには純葉がいる。
裏センには私達のリーダー凪紗がいて
瞳月と優ちゃんが両翼。
センターを支える隣には美羽と美青。
全体的にバランスが良いなと並んで立った時思った。
今日は普通にMVの練習があった。
最近どんどん三期生は打ち解けてきたのか皆よく話すようになったと思う。特に純葉と凪紗。
純:〇〇〜。今日のお弁当見た???
〇:あ、そうか今日お弁当ある日だ。
純:見に行こうよ!!
〇:どうせお昼の時間見れるじゃんか。
純:なんで!ほら行くよ!
〇:あぁ〜。
半ば強制的に腕を引かれお弁当が積まれている机へ
純:わぁ…すごい美味しそう。
〇:確かに。
純:今度、そこさくの収録もあるじゃん?
〇:アレいつだっけ…
:MVの後だったよね?
純:確か…2月の頭じゃなかったかな。
〇:あっという間。
時間が流れるのは本当に早い。
純:てか、明日じゃん。Vlog。
〇:あ、ほんとだ。一番最初誰だっけ。
:私最後なんだよね。11番目。
純:あれ?そうだっけ。
:純葉は〇〇からだと思ってた。
的:私だよ。
〇:あ、そうじゃん。美青からだ!
的:もーほんと明日心臓バクバクだから。
〇:なんでよ。もう撮ってるじゃんか。
:てか、どこで撮ったの??
的:私は普通に博多駅から歩いて撮ったよ。
〇:純葉は?
純:えーっと動物公園。
〇:あ、そうなの!
:めちゃくちゃたのしみ(笑)
純:〇〇はどこで撮ったの?
〇:岡崎公園って所。
:めちゃくちゃ大きな鳥居があるんだよね。
純:へぇ。
的:瞳月が撮ってた川の所は?
〇:あー鴨川でしょ?そんなに遠く無いよ。
:本当は伏見稲荷で撮ろうと思ったんだけど
:人多過ぎるとちょっとアレだよねって
純:確かに。京都って観光客で常に一杯なイメージ。
〇:どーだろ。最近チラホラ戻ってきてるかもね
的:しーちゃんってラーメン好きだけど
:〇〇はそんなに好きじゃ無いの?
〇:いや、そんな事無いよ全然。
純:京都もラーメンで有名なんだっけ?
〇:まぁ多少は有名だと思う。
:それこそ瞳月が撮ってた川の上ってったとことか
的:あがる?
純:京都の川ってそんなテンション上がるとこなの?
〇:へ??いや上り下りでしょ?
思わぬ所でコミュニケーションエラーが発生した。
このとき初めて知った。
上り下りが京都特有のモノだと言うことを……
時は少しとび一月某日。
夏の近道のMV撮影が行われた。
このMV撮影までドキュメンタリーカメラがあった。
基本的には優と瞳月が中心。
2人は学校の関係で発表が少し遅いので
合宿から撮っていたドキュメンタリーや三期生Vlogなどの公開が少し後ろにずれているのだ。
MV撮影はまた違う難しさがあった。
ただ踊るだけとはまた一味も二味も違う。
カメラの動きと自分の踊り。
みんなの立ち位置。光の当たり方。
また私にとって全てが初体験。
ワクワクと緊張がいっぺんに込み上げる。
紙吹雪が髪にくっ付いて優にとって貰ったり
学校だと怒られる廊下を走ったり
勿論大変だけど心の底から楽しいと思える時間だった。
MVの完成は2月11日。もう待ちきれなかった。
そのまま時は少し過ぎ。
遂に私たちがそこ曲がったら櫻坂に出演する日。
3週間分のまとめどり。
最後にスタジオライブの撮影もある。
皆、憧れの先輩と同じテレビに出れるとあって
明らかにみんなの顔がガチガチなのが見て取れる。
〇:璃花、何確認してるの??
璃:今日作る焼きオムライスだよ。
〇:焼きオムライス???
璃:オーブンで焼いて作るの。凄く美味しんだよ〜
〇:え!美味しそう!今度私にも作ってよ〜
璃:勿論いいよ!今度うちで作ってあげるよ。
〇:やった〜!楽しみ♪
:そういえば、理子どこ行ったんだろ。
璃:理子ちゃんなら楽器のリハ行ったよ。
〇:あ、理子はなぜ恋の演奏するんだっけ。
:やっぱり楽器できる子って発表映えするよね…
:オーディションの時から思ってたけど。
璃:〇〇にはダンスがあるから大丈夫でしょ。
〇:私、オーディションの時ダンスしてないんだよ?
璃:え、そうなの?じゃあなにをやったの?
〇:バク転とか…(笑)
璃:全然すごい特技じゃんか!
気が付けばあっという間に撮影が始まってしまった。
私は一番最後なのでもー暫く待ちである。
美青のプーさん戦争や麗奈のお嬢様説。
愛季のジョイマン、あの純葉が大泣きしたり
瞳月が激辛料理を食べたり
撮影が順当に進んでいく
やはり自分の番が近付くと緊張はする…
なんて思っているうちにキューがかかりセットの表へ
私の紹介をしてくださるのは茉里乃さん。
茉:もう1人の櫻坂最年少。
:京都府出身16歳の〇〇〇〇ちゃん
:ダンスと寝る事が大好き。
:寝てるか踊ってるかなちょっと不思議ちゃん。
:皆の事を私の世界へ誘います♪
:〇〇〇〇ちゃんです。
呼び込まれ、真ん中まで歩いていく。
〇:コンコン🦊皆の夢にお邪魔しちゃうぞ♪
:3期生の眠り姫 高校1年生16歳の〇〇〇〇です。
:よろしくお願いします。
澤:この子は趣味がダンスと寝る事。
土:この子も京都の子なんですね。
〇:はい、京都府出身です。
澤:最初のコンコンってのはアレは
:ドア叩いてる音でいいのかな?
〇:あ、いや…狐です。
土:京都だしね、お稲荷さんだ。
〇:はいそうです!
茉:えーっとそんな〇〇ちゃんなんですが
:寝る事ダンス以外にも得意な事があるんだよね?
〇:はい!あります!
土:もしかして、これですか?これは凄いですよ。
:特技 前方宙返りって書いてあります。
田:えぇ!ほんまにできるん??
天:出来たらめちゃめちゃかっこいい。
澤:前宙?!
:ガチじゃ無いですか。こんなのできたら。
〇:身体能力には多少の自信があって。
茉:と言う事で、今回は見せてもらいましょう。
ジャージに着替えマットを用意して頂く。
澤:まず前転とか軽いのから見せてもらいましょう。
〇:はい!
くるっと簡単に前転をこなす。
松:え!すご。綺麗!
土:めちゃくちゃフォームが綺麗だったね。
:前宙って書いてあるけどバク転も出来るの?
〇:あ、はい。出来ます!
土:バク転とか出来たら、ステージ映えするでしょ。
井:めちゃくちゃすると思います。
澤:因みにバク転と前宙ならどっちが簡単なの?
〇:うーん…個人的にはバク転の方が。
:手をつけるので、
:言ってしまえば立ったままやる後転なので。
土:もう今の発言ができる人だよね。
茉:じゃあ〇〇ちゃん、バク転お願いします。
〇:いきまーす。よっ…
かなり綺麗にバク転は成功した。
土:凄い!コレは本当に身体能力高い子だわ。
澤:コレも綺麗ーなフォームしてましたね。
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庄:圧倒的な身体能力を持つ〇〇。
:前宙は成功させる事ができるのか???
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〇:いきまーす。ふぅ…よぃっ…しょっ!
勢い余って手を着いてしまったが回る事は出来た。
土:凄い!!
スタッフさんも皆さんが拍手をしてくださった。
澤:めちゃくちゃ凄いじゃない!
土:ライブとかでやったら一発で湧くでしょ。
小:間違いなく湧きますよ。
土:結構背小さいよね?
〇:155cmです。
土:そうは見えないもんね。堂々としてるし。
3期生初めてのそこさく撮影は無事終了した。
皆、爪痕はしっかり残せたと思う(笑)
何より、怪我しなくてよかった。
また一歩櫻坂の坂道を登った私たち
まだまだ走り続けていく、ココからは先輩方と共に。
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