『2周目だから好きな事を好きなだけ。参話』
あっという間に時は流れ。
今日はお見立て会当日。
私は1人家の近くの公園で迎えの車を待っていた。
〇:リフティングかぁ…ただやるだけじゃなぁ…
リフティングは私にとって難しい事じゃない。
ただどうしても普通にやるだけでは絵に映えがない。
〇:なるべく動きが大きい上げ技…
:えーっと…スクープリフトは…たしか…こう!
子:ねぇちゃん凄い!
〇:え?
子:他にもなんかできないの?見せてよ!
〇:あ、うん。ちょっとだけね。
:(子供が喜びそうな…ヒールリフトとかかな…)
:ふぅ…ほいっ!
子:うわぁ!すごいすごい!
:もっともっと!他も見たい!
〇:うーん…でもそろそろ時間だしなぁ…
:あ、じゃ最後にコレだけ見せてあげるね。
:(この身体でも出来るかな……)
:こうして…落として…つま先で上げて…こう!
子:え…凄すぎ………
:やりたいやりたい!
〇:ありがとう。
:でもおねえちゃん教えるの上手くないから…
:技名だけ教えてあげる。
:一個目がクラッチヒールで、
:二つ目がアラウンドクロスオーバーってやつだよ!
:家帰ったら調べてご覧。
子:わかった!ありがとうおねえさん!
〇:じゃあおねえさんいくね。
子:うん!バイバーイ!
〇:(この身体でも結構色々できたな…)
自分の身体が思ったより運動神経が
いい事に初めて気がついた〇〇だった。
向:緊張する………
山:大丈夫大丈夫。みんなするって。
岩:〇〇みて!!武道館みえた!!
〇:大きい……
岩:すごーい!ほら、〇〇!見て見て!
蓮加は凄く無邪気にはしゃいでた。
多分本番が近づくと緊張するんだろうけど(笑)
私も今尋常じゃない心拍数をしている。
初めてファンの皆さんの前に立つんだから当然…
〇:ふぅ…ふぅ……
中:〇〇大丈夫?お水いる?
〇:ううん。大丈夫。ありがとう麗乃。
こうして武道館に着き、リハーサルをこなした。
〇:あと…30分…
:えーっと…全部五十音順だから…
:私は…伊藤…岩本……梅澤……大園…えーっと…
珠:〇〇はでんちゃんの次だよ。
〇:わかった。ありがとう!
桃:……怖いよぉ…ウルウル
吉:ナデナデ。
みんな緊張してるのが凄く伝わってきた。
正直私だって不安だ…私だけ歓声小さかったら…
あるわけない不安が脳裏にずっと過ぎる。
そして気が付いたらお見立て会は始まっていた。
〇:東京都出身12歳。中学一年生の〇〇〇〇です。
:〇〇って呼んでください!
フ:〇〇〜!!!
〇:(こんな多くの人が応援してくれてるんだ…)
:あっ…あ、あ、ありがとうございます!
:私は…サッカーをやっていたので。
:リフティングをしようと思います!
おーーっと大きな歓声が上がった。
だけどその歓声に応えられなかった気がした…
いつもならミスするはずがない小技を失敗してステージの端までボールが転がった。
〇:あっ…オドオドオド。
:(やっちゃった………)
幸いお見立て会レポではそこも可愛いとか書かれていたのだが勿論そんな事私が知る由もない。
私の番が終わって、葉月やあやてぃー、祐希が話していたがもうそこも記憶がない…
気が付いた時にはOvertureが流れていた。
??:〇〇!〇〇!
〇:はっ…!うめ…?
梅:大丈夫だよ。みんな一緒だから。
私の手が震えていた。
そんな手を梅がギュッと握ってくれていた。
流石後々乃木坂のキャプテンになるだけある。
よく周りが見えていて、人一倍感情の変化に敏感だ。
ミニラが始まってからの記憶も無い。
だけど皆さんがしてくれたコールは聞こえていた。
そしてミニラ終わり、3期生にとって大きな発表がある。
3期生だけのプリンシパル。
乃木坂の歴史を語る上で欠かせない期別プリンシパル
〇:3期生だけの…プリンシパル…
知っていた筈にに何故か凄く驚いている自分がいる。
岩:〇〇!プリンシパル!私達でも出来るかな?
〇:わかんない…でも、やるしかないよね。
岩:そうだね。がんばろ!!
なんとか無事にお見立て会は終了した。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?