【一時支援金】一時支援金ってアーティストでも貰えるの?(後編)【初心者向け】
こんにちは。葵です。【一時支援金】一時支援金ってアーティストでも貰えるの?(前編)【初心者向け】の続きです。現在申請期間の延長が発表されたことを受けて、申請を悩んでいる人に向けて情報発信できればいいなと思い、実際に給付を受けたアーティストの視点からほんの少しだけコツを書いています。
前編では事前登録確認機関の話を書いているのでよかったら合わせて読んでください。今回は売り上げ台帳のことについてお話しします。
※ただ私は絵描きであって決してお金のプロではないので、おすすめ情報的な感じで読んでください。実際に申請する際は必ず概要等をしっかり確認した上でお願いします。
前編はこちらからどうぞ↓
申請期間延長の注意点
2021年5月25日付で一時支援金の申請に必要な書類の提出期限の延長が発表されました。実はこの情報をキャッチした絵描きの知人から私に申請のこと教えて欲しいと相談を受けたのをきっかけに給付金制度について調べることになりました。
延長になったとは言っても締切間際に変わりはなく、なぜか私もまでちょっと締切に追われている気分です。(制作でも追われがちなのに)
そんなこんなで改めて給付金のHPを見ていたわけなんですけど、申請する人に注意して欲しいなと思ったことが一つありました。
マイページを必ず5月31日までに作成してください。
この延長って全員に対して延長しますというものではないみたいです。マイページを持っている人で申請の意思はあるんだけど書類の提出が間に合わないよ・・・と言う人に向けての書類提出の延長と言う意味での申請機関の延長のようです。つまり31日までにマイページが準備できていないと延長することができません。
マイページ作成は個人情報の入力とか基本的な情報登録みたいなものなのでさほど時間をかけずに作成することができます。身分証明か通帳の画像などが必要だったと思いますが、鮮明な画像であればスマホカメラの画像でも大丈夫だと思います。(私の場合はiPhoneのカメラ撮影の設定をJPEG形式に変更して撮影した画像で大丈夫でした。)
「なんとなく条件当てはまってそうだけど、どうしようかな」「月次給付金の方は出そうかな」とか思っている人はとりあえず一時支援金のHPでマイページ作成しておいて、書類申請の延長だけやってから考えるというのも手じゃないでしょうか。
売り上げ台帳なんて今まで作ったことないよ・・・という人へ
フリーのクリエイターやアーティストの場合、同じ「個人事業主」とは言っても「パン屋」とか「花屋」みたいな特定の収入を得るための窓口となる場所があるわけでもない方って結構いらっしゃるのではないでしょうか。そういう個人事業の場合って、事業の収入って特定のブランドやショップ経由で得る収入じゃなくて直接自分の口座に入る収入みたいなイメージになりますよね。
口座どころかなんなら自分が作った作品やデータなどを振り込みではなく現金やり取りでもらっています、みたいな人も多いですよね。実際私自身も毎回ギャラリーを通して販売なんてやり方をしているわけではなく、個人のお客さんから直接依頼を受けて、作品を納品した際に報酬で現金でもらうことも多いです。
金額にもよると思いますが、そういうのって正直いちいち表を作って収支管理するほどでもなくて、白色申告用にちょっとメモしておいたものを年度末に見返して足し算しているだけ、って人いますよね。(まあ私のことなんですけど)
つまり
「売り上げ台帳なんて持ってないしなんのことかわからないよ」
というところで引っかかるクリエイターやアーティストがいるなってところに気がついたんですよね。(つまり私のことなんですけど。)
じゃあ売上台帳はどうすればいいのか、というと確定申告で出した金額を元に今から作っちゃえばいいと思います。この際これからのお金の管理のことも考えて一つ雛形を持っておいて損はないはずです。
台帳といっても大袈裟なものではなくExcelで売上台帳(○月)、事業者:○○○○という見出しを作って、表で○月○日/取引先名前/何円、みたいな簡略な表で大丈夫です。「売り上げ台帳」で検索すれば無料ダウンロードできる雛形が見つかると思うのでそれのそのまま使えば大丈夫です。ExcelでもWordでもGoogleのドキュメントでもスプレッドシートでもなんでもいいです。事前確認の際はこれを機に作った売り上げ台帳を提示してください。私の場合は振り込み分については通帳の画像、現金振り込み分については依頼を受けたときにいつも使っている契約書(自分で作った肖像権同意書やモデル契約書)を事前確認の際に提示してok貰えました。
そしてハードルの影に隠れたハードルがもうひとつ。中には給付金計算対象の月が売上0円なので・・・という方もいると思います。
例えば、
「前年度の比較月が10万円の事業収入があったのに対して今年度は0円でした・・・やるはずだった展覧会中止になったから・・・。」
あり得る話ですね。誰のことかは省略しますが。
これについてはきちんとコロナ禍の影響による収益50%低下に該当するので大丈夫です。
例えば、いつもお客さんがたくさん出入りしている人気のケーキ屋さんがあるとします。そのお店がなんの落ち度もなくいつも通り開店していても、奇跡的な確率で道ゆくお客さんの全てが「今日はケーキ食べる気分じゃないな」って日が重なって誰一人店にお客さんが来ない日があるかもしれないじゃないですか。売れないことだってある。どんなに人気のお店の経営をしていたってその可能性は0じゃない。何が言いたいのかというと、
0円でした=その月は事業をしてなかった、となるわけではないんです。
ただしその場合でもExcelで売上台帳(○月)という見出しを作って空白の表を作って合計必ず売り上げ0円って書かないといけません。空白の売り上げ台帳だと、書き忘れかなと判断され、ただの不備扱いになります。だから結果として0円でしたと明記してください。コロナのせいだよ、きっと。
給付金を貰う序でにお金の管理も学ぼう
YouTube解説動画をアップされている税理士や司法書士の方々のようにクレバーに給付決定までの道のりを説明できるわけではないのですが、平凡なそこら辺にいる絵描きでも給付されたのでチャンスがある人は挑戦してみる価値はあると思うよ!というお話でした。
昨年話題になった文化庁の文化芸術の継続支援事業補助金の際も思ったことですが、個人で活動しているアーティストやクリエイターがコロナ禍において補助金や給付金制度を活用しながら自分で必要な資金を引っ張ってきたりそれをどう使うかを考えたりすることは結構大事なことじゃないかなと考えています。アーティストが対価として貰うお金って作品に対してのものなのか、本人に対してのものなのかとか、見えにくかったりしますから。
来月からは月次給付金の申請が開始されることが現段階で発表されています。こちらの給付金は今回の一時支援金の内容をで給付を受けていれば大幅に必要書類が省略されるようです。(今回のような事前確認番号の手続きとか確定申告書の提出がいらない)その点からも今回の一時支援金申請してみるメリットは多いのではないでしょうか。
長文読んでいただきありがとうございました。絵描きの視点から見たアートに関すること、アーティストやクリエイターが生きるための経済戦略、美術系大学の研究関係、フリーランス生活の話など書いていければと思っていますので、興味ある方はフォローお願い致します。