概算要求のエンバーゴ(情報解禁日時)は守ろう。
概算要求のエンバーゴ(情報解禁日時)は守ろう。訂正あり。
読者の方からご案内のあった乗り物ニュースの記事ですが、これはエンバーゴ破りです。
これを先程イカロス出版の乗り物ニュースの記事と書きましたが、正しくは株式会社メディア・ヴァーグの乗り物ニュースです。イカロス出版のサイトは乗り物クラブでした。
訂正して、この場を借りてイカロス出版様にはお詫びいたします。
ついては以下の記事は改定しました。
自衛隊の輸送船部隊「大拡充」なぜ? 民間船も巻き込み4年で一大勢力に “本気度”感じる驚きの計画
https://trafficnews.jp/post/134667
役所のレクチャーの場合、その内容を報道解禁するまでの期間に縛りをかけることがあります。これをエンバーゴ(情報解禁日時)といいます。
今回の防衛省の概算要求のレクチャーは月曜日の午前中にありました。記者クラブ向けのレクチャーが午後で珍しく、記者クラブよりもその他の市ヶ谷クラブや外国メディア向けのレクチャーが先でした。
今回のレクチャーは8月30日の省議終了まで縛りがかかっています。広報から解禁の縛りをとりましたと連絡が来る前に解禁してはいけないことになっています。これが閣議決定という場合もあります。
これに該当記事のライターさんは来ていなかったと思います。ですが、資料や説明は編集部が入手したのではと思います。そうでないとあの内容にはなりません。もしかするとぼくが知らないだけでライターが来ていたのかもしれません。
エンバーゴ破りをすれば他の媒体よりも早く発表できるでしょう。特にネット媒体であれば、その分PVが稼げるかもしれません。該当ライターがレクチャーに出席していなかったから許されるというのであれば、どこの媒体もレクチャーに参加していなかった記者に記事を書かせればOKということになります。例えば資料を間接的に資料を入手しても、それは遵守すべきです。資料にはエンバーゴであることが赤字で示されています。
そうなればエンバーゴに意味はなくなり、真面目に守ったものが損をすることになります。
無論ぼくも防衛省の報道に関する規制には色々と思うところがあります。だからいって自分が正しいと主張してルールを破ることはしません。それをやると信頼関係がなくなって、より事態が悪くなります。無論ぼくの場合、問題については激しく抗議し、書いたりはしますが。実際ぼくの抗議で記者クラブ以外も参加できるレクチャーは増えたし、制限が大きいにしてもフリーランスが会見に参加できるようになりました。
また防衛省が記者クラブにつけていた、コーヒー入れたりコピーとったりする職員二人もなりました。それはルールに則ったうえでの抗議活動の結果です。意外に思われるかもしれませんが、ぼくは防衛省から出入り禁止になったことは過去一度もありません(笑
こういうことがあると、記者クラブだけに情報をだそう、優遇しよう、市ヶ谷クラブやフリーランス、外国メディアに出す情報は制限しようということにもなりません。ですから取材のルールは守るべきです。
今回の件は意図的なものか、単なる意識の欠如か、社内での連絡不徹底なのは知りませんが、情報が今後制限されないためにも、再発がないようにして欲しいものです。
■本日の市ヶ谷の噂■
専門の論文ゼロ、発表ゼロでも木村幹彦一佐を自分の出世と引き換えに防衛医大教授にしたのは現在の桑田防衛医大副校長(空将)前職は空幕首席衛生官。人事の愚策を隠すために、航空医学実験隊に、研究機材の利用を指示。「市ヶ谷の噂」で自分の愚策を暴かれたことに恐れをなして、各所に 部外者、OBとの接触を禁じる緊急命令を出している、との噂。
東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
海上自衛隊の潜水艦メーカーは2社も必要あるか川重の裏金問題で注目される潜水艦の実態
https://toyokeizai.net/articles/-/774627
月刊軍事研究8月号に防衛省、自衛隊に航空医学の専門医がいないことを書きました。
軍事研究 2024年 08 月号 [雑誌]
Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
「敵に手の内をさらさない」という防衛省、自衛隊の「敵」は国会と納税者か
https://japan-indepth.jp/?p=83101
新聞各紙 残念な防衛関連の未検証記事
https://japan-indepth.jp/?p=82844
日本の報道の自由度が低いのは記者クラブのせい
https://japan-indepth.jp/?p=82748
次期装輪装甲車、AMV採用を検証する その2 AMVのライセンス生産によって日本の装甲車事業は壊滅する
https://japan-indepth.jp/?p=81695
次期装輪装甲車、AMV採用を検証するその1
駿馬を駄馬に落とす陸自のAMV採用
https://japan-indepth.jp/?p=81667
東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
航空専門医がいない空自に戦闘機開発はできない
やる気のある医官が次々に辞める自衛隊の内情
https://toyokeizai.net/articles/-/744651
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