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先が見えない中で、望む変化を共に描く。富岡市×NPO法人DNA「未来の教室」キックオフミーティング

富岡市にて、「2020年度富岡市人財育成支援事業」キックオフミーティングが行われました。今回参加したのは、富岡市「まちなかにぎわい課」のみなさんと、NPO法人DNAのメンバーおよびサポーター数名です。

富岡市人財育成支援事業とは、富岡市における授業「未来の教室」をはじめとする一連の取組のことです。2018年度から始まって、今年で3年目。今年の3月までは地域づくり課が所管し、今年の4月からは「まちなかにぎわい課」が所管します。

4月という年度始まりであることから、今回は、今年度の事業に関わる「メンバーの顔合わせ&チームづくり」と「大きな方向性」について話し合いました。

前提の共有

簡単な自己紹介を行ったのち、今回は「musubiサイクル」という手法を参考に話を進めることとしました。次のようなプロセスです。

今回行ったのは、①〜③および⑥です。
まずは「前提の共有」から始めます。そもそもの事業の枠組みを理解することで、少しでもメンバーの情報格差を埋めていきます。

富岡市における「未来の教室」などについて、これまでの経過が話されました。「地域の担い手育成」という大義のもと、中高生の間に地元とのつながりをつくることを企図しています。また、学生と関わった社会人のチャレンジ意欲が高まる効果があることもデータをもとに振り返りました。

未来の教室についてはコチラ⬇︎

NPO法人DNAの変遷や、「未来の教室」と富岡市との関係について明らかにされたのち、富岡市まちなかにぎわい課について紹介がありました。

課長の加藤さんは、「私たちは、この4月から始まった新しい課。まちのにぎわいをつくりだすことが、私たちのミッション」と語りました。その上で、「従来の流れを踏まえつつも、単発でにぎわって、あとで何も残らないようなやり方はしたくない。そもそも何のために、にぎわうのか。その目的を踏まえつつ、新しいメニューをこれから考えていく。」と意欲を見せました。

それに対して、「へえ、そういう経緯があったんだ」「前提を知ったことで見方が変わった」「富岡"ならでは"だと思って、ワクワクしました」などの声がありました。

その中でも、2年間に渡る富岡市人財育成支援事業の成果をレビューしながら「(何はともあれ)私たちは、【いいこと】をしている」という発言に対して、みんなの大きな笑いが起きました。

もちろん、データによる成果測定などは重要です。しかし、その言葉に対して頷きながら笑いあえたということは、私たちがある程度の文脈を共有できたことの一つの証拠になるのかもしれません。それと同時に、この事業は、一言では説明しきれない多面的な意味を持つ取組であるということ、また、それゆえに説明することの難しさも━━━ みなで分かち合えた瞬間だったのではないでしょうか。

チームビルディング

その後は、参加するメンバーの関係をつくる時間です。グループに別れて、次のテーマについて話し合いました。

1 動機:なぜこの団体に入ろうと思ったか。
2 報酬:この団体での活動を通じて何を得たいか。
3 未来:この団体での活動を通じて何を実現したいか。どんな自分になっていきたいか。

この事業だけではなく、自分の仕事を始めたきっかけ、富岡という地域に関わり始めたきっかけなどにが話されました。「へ〜」という声がたくさん聞かれ、ひとり5分の時間が足りないくらいに、皆さん前のめりで話されていました。

「自分が高校時代に欲しかった経験を、今の中高生に提供したい」「自分が学生の時にできなかった、自分らしく生きられる自分に、今からでもなりたい」「地元の祭りで経験したような、お互い見知らないのだけれども一緒に踊れる関係をつくりたい」「周囲を明るくし、パワーを与えてくれる、子供達の笑顔を増やしたい。」など、様々な思いが聞かれました。プライベートな動機を思い出したり、自分なりの報酬やありたい未来の姿を話し手が駆り立てられたように見えた瞬間がありました。

全体共有の時間には、「富岡市の職員ではなく、〇〇さん本人と出会った感じがする」という発言がありました。お互いの背景となっている物語を共有したことによって、メンバーのつながり方が、「チーム」と呼べるものに変わったように見えました。

理念・目的の共有

続いて、この事業が大切にしたいこと(理念、目的、価値観、コンセプトなど)を探しました。これも同じくグループに分かれて、事業のポイントとなることを抽出しました。

今後事業を進めていく中で、状況が変化しても、立ち返ってこれる場所が必要である」という声を受けたことから、このパートが、1日目と2日目の多くの時間をかけて、深堀りをしていく時間となりました。

特に、2日目には、「何を(測定可能な)成果とするかは、自分たちで定義をしていかなくてはならない。」という投げかけがありました。先行事例におけるフレームワークを参考にしたり、あるいは、自分のこれまでの経験(たとえば、これまでの「未来の教室」や、地元のお祭りなど)を振り返りながら、この事業を通じて、自分たちがどのようなものを生み出していきたいのかを言語化していきました。

その結果については、さらに今後、整理をしていくことになりました。いくつかキーワードが出る中で、特に「【WITH】という言葉が何か私たちにとって大切なコンセプトになりそうだ」という発言に対しては、多くの参加者から頷きがありました。

【WITH】
まちとともに、まちのひとともに、まちの資源とともになどの意味のWITH。まちのために(for)何かするのではなく、まちでまちのひとともに(with)何かする意味がここでは語られました。

参加者が考え込んで腕を組むことや、ファシリテーターからの補足説明が増えたことから、アウトプットについては、多くの私たちが親しんだレベルでの「スッキリまとまった感」は得られなかった人がいたように見えました。

しかし、そもそも「立ち返ってこれる場所」、たとえば一つには「人の内側にある大切な想い」というのは、つまるところ、語り尽くし得ないのものです。さらに、多様な参加者が関わってくれば、その語り得ない領域は増えていきます。だからこそ、その「語り得ないことを、語ろう」とする姿勢は尊いものだと思いました。”それ”は語り得ないのだが、たしかに「ある」のだということ。それを、今回のように尊重するという共通体験や共通言語は、今後変わりゆく状況の中でも、私たちをつなぐものとなるはずです。

成功要因と加速要因

最後に、成功要因と加速要因について話し合いました。

成功要因:事業の成功のために必要なこと
加速要因:成功のために必要ではないが、事業を加速させうるもの」です。これらの観点から、今後取り組んでいきたいこと

これらの視点から、今後取り組んでいきたい課題について上げていきました。

「オープンデーの実施」「メンバーや事業内容についての情報の見える化」などのアクションや仕組みの整備についての言及もあれば、「自分の娘にこのように思ってもらえればいいな」「まちを歩いている時に、子供達に名前を呼ばれるような有名人に自分がなればいいな」という、目指したい状態についての話も出てきました。

それを踏まえて、次の一ヶ月でどのようなステップを実際に踏んでいくかということを明らかにし今月中にまた再会することを決めて、今回のキックオフミーティングは一旦閉幕となりました。

チェックアウトの際に、参加者から「(感銘を受けたような笑顔で)久しぶりにこのような目的・理念など、まどろっこしい話し合いをした」「途中参加ではなく、このように初期段階から関われることが嬉しい。自分ごとでやっていきたい」「参加者それぞれの持ち味が生かされた瞬間があった」などの声が上がりました。

今回話されたプロセス、つまり、「そもそも、なぜ?(目的)」「そのために、どのようなつながり方でありたいのか(関係性)」という問いは、ややもすると、多くの話し合いにおいて、見逃しがされがちなものかもしれません。しかし、それなしには、私たちは変化の前で硬直したり、迷子になってしまうでしょう。
つまり、変わりゆく状況の中で、事業に取り組むことの意味と信頼を保ちづらくなり、したがって、それに基づいたしなやかさ(適応行動やレジリエンス)は、生まれづらくなるでしょう。

まして今、コロナウィルスが全世界で猛威を振るっています。富岡市においても、学校が休校になっていたり、人と人の接触が避けざるを得なくなったりしている状況です。今後どのように変化していくかかは先が見えずらくなっています。
それゆえに、対面のワークショップなど、これまで当たり前にしていた手段が使えなくなるかもしれません。その中でも、形にとらわれずに、狙った成果を作り出し、望ましい方向へと進んでいくためには、「立ち帰ってこれる場所」をつくることは、チームにとって、そして個人にとっても不可欠なものとなっていくのではないでしょうか。

こうして、今年度の「2020年度富岡市人財育成支援事業」がキックオフされました。

先が見えずに変わらざるを得ない現実においても、富岡の人を育てる土壌を創ることには変わらないことを確認できたミーティングになったでしょう。

この取組は、これをお読みのあなたが、参加いただけけます。ぜひ、まだ決まったエンディングのない、この新しい物語を、共に紡いでいく仲間になりませんか。

⬇︎お問い合わせ・参加の仕方はコチラから







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ダイアログパートナー。人の思いをじっと聞いて、大切な想いを共に言語化します。また、その個人のたね火を、より集合的なエネルギーにするために、多様な人がまざる参加型の話し合いの場をつくり、新しく現れた物語を残す。そんな仕事です。温泉と言葉が好きです。

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