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CDショップ閉店 顛末記 ~CD業界のたそがれ その10

*今回のおススメBGM:南佳孝「風にさらわれて」

自分でもいろんな意味で酔狂なヤツだと思うが、また用もないのにヒコーキを見に行った。
家内がお盆で実家にかえっているので、ひとりで自転車(BD-1です)でえっちらおっちら。
まだまだ炎暑衰えないなか、ホントに物好きだなぁ…

しばらく近くの公園の木蔭でクールダウンしてから準備万端「現地」に向かった。
いつもの着陸コースの真下で、シビレる臨場感と轟音を待ちかまえる。
詳しくはワカラないが大小様ざま、いろんなカラーリングのヒコーキが次つぎに降りてくる。

きょうはね、空港の広い景色と頬なでる熱風にこの歌を思い出していたよ。
若いころほぼ洋楽一辺倒だったのに、ある時期和モノに浮気してたときによく聴いていた。
タイトルがいいなぁ。 そう、きょうみたいに空港でヒコーキを眺めるのにピッタリのBGMだ。



おススメBGMの字数がだんだん多くなってきたなぁ。
音楽をコトバで称賛するというのは得意ではないけど、思いつくまま昔はレコードに今ならCDに直筆のコメントカードを添えていた。
ときどきその商品を買っていくお客様に、そのコメントカードももらえませんかと言われることがあった。
あぁ、ちょっとでも自分の書いたおススメ文がその方の気持ちに響いたのかなぁ、と思うと嬉しかった。
そういうことが心の通った仕事なんだと思う。
残念ながら今いる店は、私がコメントを寄せるようなタイトルを充分品揃えできるようなカラーではなかったが。


閉店まであと半月になった。
先日在庫処分の値引き率を上げたら、その日から売れ方が全然ちがったので苦笑いだ。
毎日毎日売場がにぎわっている。
たまに新譜を予約していたお客様が来て定価どおりのお買い物をされると、何だかピカピカして見える。

当たり前で分かっちゃいるが、在庫品は売れば売るほど赤字だ。
在庫を減らすのが今の自分たちの仕事なんだが、これまで何十年も利益を出すために売るのが仕事だったので何だか毎日が空しい。

こんな味気ないこと、はよ終わらんかな…

                       (その11につづく)

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