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エッセイ集『三谷幸喜のありふれた生活』シリーズ

最近よく読んでいるのが、エッセイ集『三谷幸喜のありふれた生活』シリーズです。
日々の出来事を綴った何ということもないエッセイ集ですが、なぜか気に入り、全巻通読中です。

自分なりに、なぜ気に入るのかを整理してみました。


①境遇が自分と似ている

氏も私も、会社員ではなくピンで勝負している個人事業主です。
その雇われていない感が共通しています。そういう意味では、会社員時代とは感じ方が違ってきているかもしれません。
私の会社員時代、「嫌な仕事でも誰かがやらないといけない」が口癖で、愚痴を言いながら仕事をしていた部分もありました。
氏からは、自分で仕事を選んで、好きなことをやっているから、文句言わず頑張るという姿勢を感じます。

②年恰好が似ている

かなり長く続いているエッセイ集ですが、初期は40歳前後からスタートしています。
中年男性として起きうる事象、つまり病気や家族関係などが克明に記されており、かなり親近感が湧きます。
また、いつまでも若いつもりが、いつの間にか年長になってきて、焦りを覚える感覚も似ています。

③頑張って創造している

氏の本業は脚本家です。毎日10時間もウンウン唸りながら机に向かってセリフを考え、脚本を書いています。
素晴らしい実績がある第一人者でありながら、日々戦っています。
過去の遺産にとらわれず、新しいものを産み出そうというその姿に感銘を受けます。

④新しいことにチャレンジしている

氏は本業以外のことに常にチャレンジしています。
小説を書いたり(脚本を書くのとは違うらしいです)、朗読会を開いたり、CMで俳優をしたり、しています。
また同じ脚本でも、人形劇や歌舞伎向けの脚本を書くなど、次々と新境地を開いています。
新事業と思って始めた映画監督は、今や本業となっています。その姿勢を見習いたいです。

⑤仕事の関係者を尊敬している

氏は、氏の脚本を演じる俳優はもちろんのこと、仕事で一緒になる照明や大道具を扱う職人たちをすごく尊敬しています。
また同業でライバルとも言える映画監督や脚本家についても、素直に敬意を表しています。

尊敬するのは一種の能力である、と私の先輩は言いました。尊敬する気持ちを大事にしたいと改めて思いました。
多くの紙幅を俳優の人間性や努力や能力の説明にとっています。
彼らの芝居への取組姿勢を知り、「どうせ顔でメシ食ってんでしょ」という非イケメンのひがみ根性はなくなりました。

というわけで、明日からまた頑張ります。

全巻を図書館で借りており、氏の印税には一切貢献をしていない筆者からは以上です。



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読書感想文

『人の生涯は、ときに小説に似ている。主題がある。』(竜馬がゆく) 私の人生の主題は、自分の能力を世に問い、評価してもらって社会に貢献することです。 本noteは自分の考えをより多くの人に知ってもらうために書いています。 少しでも皆様のご参考になれば幸いです。