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胸腰筋膜と腰痛

こんにちは!腰痛マガジンメンバーのこじろう(@reha_spine)です。


今回のテーマは「胸腰筋膜:thoracolumbar fascia (TLF)」についてまとめていきます。

腰痛患者さんをリハビリする方であれば「胸腰筋膜,以下TLF」という言葉を一度は聞いたことがある方が多いのではないでしょうか?

自分自身も以前まではよく耳にするワードではあったものの、臨床の中でどう考え、評価、アプローチして良いかというところまでなかなか出来ていませんでした。

今回はTLFについて、筋連結を含めた解剖から体幹の安定性への関与、腰痛との関係性についてまとめていきたいと思います。

今回の内容を読むことによって、腰背部痛の解釈の幅が広がり、体幹エクササイズを行う際の考え方も変わってきます!


今回の記事は特に以下のような方にオススメな内容となっております!

✔︎ 胸腰筋膜についての知識を学びたい方
✔︎ 腹筋群と胸腰筋膜の関係性について学びたい方
✔︎ 胸腰筋膜と体幹安定化との関係性ついて学びたい方
✔︎ 胸腰筋膜と腰痛との関係性について学びたい方


では今回の内容に移っていきましょう!


▶︎胸腰筋膜とは?

胸腰筋膜(thoracolumbar fascia :TLF)とは、胸背部で固有背筋を包んでいる線維性の筋膜で、腰椎の安定化に寄与するといわれています。

腰部で固有背筋を包むこの筋膜は浅層にある後葉から中葉そして一番深層である前葉の 3 層に分かれています。著書や文献によっては、表層から浅葉→中葉→深葉と表記されている場合もありますが、今回は後葉、中葉、前葉で言葉を統一していきます。1)

また、TLFは腰部で最も広く、特にL4付近で線維密度が著しく増加します。2)

胸腰筋膜水平断面図③


▶︎筋膜の層構造と胸腰筋膜の位置関係

ここではまず簡潔ではありますが、筋膜の層構造について説明していきます。そしてTLFが筋膜のどの層に該当するかについても説明していきます。

まずは下のイラストをご覧下さい。

筋膜の層構造

大きく分けて、表層から深層にかけて皮膚→皮下組織→深筋膜→筋という順に層構造が構成されています。そしてTLFは上図⑥の深筋膜(腱膜筋膜)に該当します。

腱膜筋膜は1mmほどの厚みであり、筋外膜の表層に位置し、筋外膜と接します。筋外膜は筋の中の筋周膜と筋内膜に連続します。

少し難しい話になりますが、四肢では腱膜筋膜の下に筋外膜は位置しますが、体幹では腱膜筋膜と筋外膜は一体となります。


深筋膜は全身の筋骨格系全体を覆う一続きの筋膜です。深筋膜は一方向だけではなく、多方向からの張力に対して適応性があり、胸腰筋膜は多層構造を持ちます。1)

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