うっかり生きない
「うっかり生きない」とは、アーユルヴェーダの鉄則です。
アーユルヴェーダの古典医学書である『チャラカサンヒター』の第1巻8章にはとても細かい「〇〇すべき」あるいは「〇〇するべからず」が書き連ねてあります。
その内容はとても面白くて、
「2つのとき(日の出前と日没前)に入浴しなくてはいけない」
「半月に3回髪、ひげ、体毛、爪を整えなくてはいけない」
「いつもきれいな服を着て、香りを身にまとわなくてはいけない」
「寝すぎ、眠らなすぎ、入浴しすぎ、食べ過ぎ飲みすぎはしてはならない」
など、なるほどなるほどと頷けるものから、
「ホーマ(火の儀式)を行い、祭式を行い、お布施をしなくてはいけない」
といった、宗教的な決まりごと、さらに
「道が交差しているところでは(人と出会う場所)会釈をしなくてはいけない」
「適時に有益で熟慮された快い言葉を話し、穏やかな心で(中略)忍耐強く、正義に基づき、信心深く謙虚でなくてはならない」
「誠実で、優しく、他人の厳しい言葉にも耐え、激情を抑えて愛着と憎しみの原因を避けなくてはならない」
「他人の欠点について話さず、他人の秘密を公にしてはならない」
というような道徳心を持つことを心掛けよという内容が書かれています。
まだまだ続きます。
「自分のものでなければ手を触れてはならない」=誤解を招くようなことをしない
「邪悪な人、王に嫌われている人、堕落した人、卑劣な人とともにいてはならない」=同類と思われたくない人と一緒にいない
「壊れた乗り物に乗ってはならない」=事故に遭うようなことをしない
「シーツも枕もないベッドに寝ない」=安眠できるように整えましょう
「木に登ってはならない。流れが強い川で沐浴してはならない」=これは危険
「地面を引っ搔いてはならない、草をむしってはならない」=外来種のアリが出てきたり、怪我したり汚れたりするかも?
「死体に向かってフムと言ってはいけない」=これ、謎です
「髪の毛の先端を叩くべからず」=これも謎です。枝毛防止・・・?
「牙や角を持つ動物にむやみに近づいてはいけない」=かわいいワンコに噛まれたことあります!
「気弱でいてはいけないけど、強すぎる精神でもいけない」=yesもnoも言える人になろう
「一人だけ楽しんではならない」=妬まれるようなことはしない
「原因と結果を判定してから物事を行う」=行動する前に予測を立てましょう
などなど、なかなか面白いですよね?
つまり、まとめると
「うっかり生きていてはだめですよ!」ということを思いつく限り書きました的な章です。
回避できるトラブルからは可能な限り遠ざかって生きていくことは生きる上で大切な知恵ですね。
個人的にはこの章よりも「闇金融ウシジマくん」を読んだときのほうが「世の中には理解できないことがいっぱいあるから、うっかり生きないようにしなきゃ・・・」って思いました。
今日もうっかり注意です。
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