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仏壇屋のお仕事紹介『寺院営業の目的』

『寺院営業』で住職と仲良くする理由はいくつかあります。

・仏壇の紹介をもらう(メイン)

・行事の際、大量注文をもらう

・仏具を買ってもらう。もしくは修復。

・細々した注文をもらう

・檀家さんの仕事を紹介してもらう

などです。

それぞれ紹介します。

仏壇の紹介をもらう(メイン)

檀家さんが亡くなり、「仏壇がほしい」となった際、住職に口添えしてもらいます。「この店で買ったらいいよ」と。

寺院営業の最大の目的はコレです。

仏壇が決まれば、紹介料として住職に何%か払います。売れた仏壇価格の10%が相場らしいですが、仏壇屋によって違います。

「汚ねえ」と思うかもしれません。しかし、「紹介料」というのは仏事業界に限った話ではなく、他の業界でもあります。ひとつのビジネスの形です。

「ワシはそんな金はいらん! その分安くしたってくれ!」という住職の鑑みたいな人もいますが、最近はほとんどいません。皆、苦しいのです。

その逆で、「ワシが紹介したんやで」と後付けで言ってくる汚い住職もいます。ホンマかどうかわからんけど、払うしかないのです。

葬儀社も「私が紹介した」、ギフトショップも「僕が紹介した」、関係のない近所のオッサンも「ワシが紹介した」……もはや言ったもん勝ちです。

こうなると「二重紹介料」となり、仏壇屋の取り分が減ります。近所のオッサン、アンタは関係ない。

行事の際、大量注文をもらう

お寺は行事の際、檀家さんに小さいお線香を配ったりします。

檀家が多い寺ほど、たくさんの注文がもらえます。

寺によって配るものが決まっていたり、毎回違うものにしたり、お寺によって様々です。

何百個の小さい線香を包装し、のし紙をつけていきます。これはパートのおばちゃんがやります。大変な作業なので、あまり大量だと嫌味を言われます。

仏具を買ってもらう、もしくは修復

お寺の仏具は、例えばローソク立てにしても、すっごくデカいです。

買い替えるとなると、結構な売り上げになります。

修復というのは今使っているものを、新品のごとく綺麗にすることです。

これも金額的には大きいです。

腹の出ている店長は、修復後の大きい金の常花(1メートルくらいある)を折ってしまったことがあります。「あっ、ごめん」と言ってました。大変でしたよ。まったく。

修復の場合、新品ではないので取り換えができません。そういう点では非常に気の遣う仕事です。

細々とした注文をもらう

普段お寺で使う用のお線香とかローソクとかです。

値段的には非常に小さいですが、なにも注文がないよりマシです。

細々したものでもいちいち営業マンが自分で持っていき、お金をもらいます。

お寺は金額が大きくても、その場で現金にて払う場合が多いです。

集めたお布施から出す人がたまにおり、30万円を全部千円札で出してきた人もいました。数えるの大変なので、その辺は気をつかってほしいもんです。

檀家さんの仕事を紹介してもらう

檀家さんは何か必要なとき、悩み事があるとき、まず住職に相談します。

「仏壇を引越したい」「仏壇の修復をしたい」「仏壇の掃除をしてほしい」「アレが欲しい」「コレがしたい」

こういうとき、住職は仲の良い仏壇屋に頼みます。「よろしゅうしたってや」と言われます。

こういう細々した檀家さんの仕事も、住職を通して行われることが多いのです。

★★★

以上が『寺院営業の目的』になります。

実際に仏壇屋を見てもらうとわかりますが、お客さんなんて滅多にいません。それでもやっていけるのは、営業マンが仲の良い住職を通して、仕事を受けてくるからなんですね。

仏壇屋の仕事の半分以上が住職を通して行われます。極端に言えば、仲の良い住職がひとりもいないと仏壇屋としてやっていけないのです。

ひとりでも多くの住職と仲良くなっておく必要があります。『寺院営業』はとっても大切な仕事なのです。

次回は、『寺院営業のやり方』です。

働きたくないんです。