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仏具紹介『高月』

今回紹介するのは『高月』。「たかつき」と読みます。お供えを置く仏具です。『供物台』(くもつだい)と呼ばれることもあります。

この上にお供えを置き仏壇の下の方に配置します。置くところが丸いため、サイズピッタリのリンゴなどの果実を置くと、なんとなく気持ちが良いです。

必ず対で販売しています。ひとつだけ買うことは多分できません。

お客さんの中に「対だからなんとしても二つ置かねば」と思い、果物と、なにを思ったのか、キン肉マン消しゴムをしこたま置いていた人がいましたが、無理して二つも置く必要はないです。一つでいいです。法要のときだけ二つお供えすればOKです。

「毎日のお供えは無理のない程度で」これが基本です。

高月の良いところはなんといっても、このプロポーション。ボン、キュッ、ボンの、煩悩をかき立てられる見事なスタイルです。

持つときはキュッのところを、ワイングラスの要領で持ちます。

素材はプラスチック製と木製があります。

オススメは値段は張りますが、木製の高月です。

木製は値段相応の重みがあり、また底に仏壇を傷つけないように配慮されたフェルトがついています。

このフェルトが中々いい仕事をしており、置いた際、「コトッ」と高級な音がなります。

一方、プラスチックは「カタッ」と安っぽい音がなります。置き心地は断然木製です。何度も無意味に持ち上げては置きたくなります。

★★★

一度お客さんに「プラスチック製と木製、どちらが耐久力があるのか?」と訊かれたことがあります。

しっかり作られている分、木製の方が耐久力がありそうですが、この人は一体なにを置くつもりなのでしょう?

故人が筋トレ好きで、10kgのダンベル等仏壇に相応しくないお供えをしない限りは、なにを置いても壊れることはありません。

カラーバリエーションは大ざっぱに言うと、朱(しゅ)と、溜(ため)の2種類です。

溜というのは黒っぽい、紫っぽい、なんとも言えない色です。地味なので、どの仏壇に置いても、それなりにしっくりきます。

どの仏具でも言えることですが、朱か溜かで迷ったら、「溜」にしておきましょう。朱は目に負担になりそうなほど赤いです。

最高級品になると、「玉虫」という色もありますが、毒ガエルのような大変気色の悪い色なので、やめておいた方が無難です。

高月は比較的触れる回数が多い仏具です。持ち心地とお供えの量を考慮して、自分に合う高月を選びましょう。

#エッセイ #仏具 #仏壇 #お供え

働きたくないんです。