人の心情と物語から受ける共感について考える。【映画「空の青さを知る人よ」を観て】

映画「空の青さを知る人よ」を観て、キャラクターごとの心情と、物語から受ける共感について考えたこと、思ったことを書いていきます。

ネタバレ無しで書いていくので、説明が分かりづらいかもしれませんがご容赦ください。映画自体はとても素敵な作品ですので、これを読んで興味を持っていただけたらぜひ一度観に行ってみて下さい。

年齢の異なるキャラクターのそれぞれの心情

本作の主人公「あおい」は高校生で、就職か進学かの進路を決める時期です。

主人公あおいの姉「あかね」は30代未婚で、地元の役所に勤めています。

物語はこの姉妹2人に、大人になり帰ってきたあかねの同級生で元恋人「慎之助」と、生き霊として建物に住み着いていた「しんの」(慎之助の高校時代)が関わりドラマが進んでいきます。

また、あおいの同級生や、あおいといつも一緒にいる小学生の男の子も話に絡み、それぞれの心情が描かれていきます。

異なる年齢・立場の関わりで生まれる心情

人間関係といったドラマを主題にしたアニメ作品は、登場キャラクターのほとんどが高校生で、高校生活の青春物語を描くものが多いですが、「空の青さを知る人よ」には高校生と大人(と小学生も)のそれぞれのドラマがあるのが特徴だと思います。

高校生と大人、高校生と高校生、大人と大人、小学生と高校生でそれぞれの年齢における立場、心情で絡み合っていくのが面白く、共感できて、悲しく、嬉しくなります。

誰もが感じた覚えのある。それぞれの年齢における心情

筆者は22歳なので、主人公の高校生あおいと、大人である姉の地方公務員あかねの大体間くらいの年齢で、それぞれになんとなく共感できながらも、客観的にドラマを傍観できるのが面白く感じました。

夢を抱き理想を求める高校生、現実を知り夢を諦めた大人。甘くない現実に立ち向かわなければいけないと思う高校生、現実に悲観しながら理想をどこか探している大人。そんな心の揺れが視聴者の共感を誘います。

また、小学生ながらもマセた感じのする男の子は、高校生でも大人でもない立場だからこそ、制作者の理想(こんな風に、ひた向きでかっこよくありたい…)がキャラクターに表現されているように思います。

まとめると、夢や理想を抱き求める(楽観)。避けられない現実を受け入れ歩む(悲観)。上手くいくかは分からないけど、ひた向きに頑張る(意思)。の主に3種類の心情がドラマに現れています。

「空の青さを知る」という心に繋がる

そして、いろんな心情を見て考えて、最終的にタイトルの「空の青さを知る」という心につながっていくのがこの作品です。

立場に応じて様々な心があるけれど、一番大事な心は「空の青さを知る」という言葉に詰まっていることを作品を観終わったときに実感します。

3種類の心情「楽観・悲観・意思」に対して、この言葉の心は「受容」を意味しているのだと思います。

「自分はどうなのか?」心情に共感して、物語を傍観して、自分自身を客観する。

「空の青さを知る人よ」は、自分にもある(あった)と言える心の変化を観ることで、自分自身を考え直すきっかけになる作品だと思います。

これは、画面上に複数のキャラクターがそれぞれの年齢・立場での心情が映し出されたことにより、自分という1人の人間の中にいる複数の心情が視覚化されたからだと考えられます。

本作は、年齢や立場の違いによる心情に共感して、さらに見終わった後に自分のことも少し考えようと思える2つの点(楽しんで考える)がある作品でした。自分も含めた様々な心情を知り楽しめる、まだ映画を観ていない人はぜひ観てみてください。

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