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6月4日14時、福島徹さんに訊く

全国に足を運んで生産者や製造加工者と向き合い、彼ら“作り手”と消費者をつなぐ“伝え手”として、本当のおいしさを追い求める商人がいます。スーパーマーケットを超えた業態、テイスティングマーケットを展開する商業家、福島屋の福島徹さんです。

彼の考えを、スーパーマーケット事業者、生産者、食品メーカーほか“食”携わる人たちに伝えたいと始めたのが「福島塾」という小さな勉強会でした。その後、福島さんは「F-DESIGN」という生産者と販売者と消費者が、常に対等な立場でコミニケーションできる、三位一体のコミュニティづくりに取り組まれ、福島塾メンバーもその中で活動を続けています。

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以下は、ある企画でお話を聞いたときのメモです。作り手と共に商品をつくり、作り手自身が気づかぬ価値を見いだし、生産者、販売者、購入者の“三位一体”で食の正常化・健全化に取り組む福島さんが、地方に眠る商品を見極め、その価値を伝えるための思想を語ってくださいました。

吟味の末に残る商品は10%程度

たとえば、小説、絵画、写真などは、どういう視点で、誰に何を使えたいかを念頭において作品を仕上げる。そこにはストーリーも必要である。

商品もそうであるべきだ。どのようなコンセプトで商品をつくり、数ある商品の中にどういう角度で突っ込んでいくのかをしっかり考えてつくらないと、ありきたりなものにとどまり、福島屋で扱うべきゾーンにはなかなか入ってこない。

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明確なコンセプトが価値を伝える

パッケージに関しては、作り手が熱くなればなるほど、消費者から遠くなっていく。凝りすぎると包装が過剰になってギフトや土産物風になり、日常生活と離れてしまうからだ。パッケージはシンプルで、中身が見えるものだと、店頭で手にとってもらえる。

僕の経験からいうと、まずは明確なコンセプトが重要だ。それをしっかり受け止めたデザイナーがデザインしたパッケージやラベルは、消費者の目に止まり、選んでもらえる。

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バイヤーの感動がお客さまの心を動かす

重要なのは、バイヤーが惚れ込み、感動を覚える商品を選ぶことだ。そういう気持ちがあれば、この商品をお客さまに選んでいただくにはどうしたらいいか、全力で考え、実行する。

そして、一番大切なのは、店全体が統一した価値観や世界観で貫かれていることだ。福島屋は、頻繁にミーティングを行ったり、商品を吟味する際に皆で試食したり意見を述べ合う中で、共通の価値観や世界観を醸成してきた。
だから今は、スタッフの認識や考えにブレはない。

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木を見る虫の目と森を見る鳥の目を持て

僕は「木と森」と表現しているが、さまざまな木を植えて森をつくっていくように、要素が異なる商品を、食シーンなどを考えて入れ込み、調和のとれたゾーンをつくっていく。その際、必要なのは「虫の目と鳥の目」で、間近で見るだけでなく、ときどき離れて全体を俯瞰し、バランスを見ることが必要だ。

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悩み、苦しみもがきなから考えよ

全体のコンセプト、商品のコンセプト、カテゴリーのコンセプトを串刺しにし、それを唱えながら、繰り返し角度を変えて遠近の両方から売場を見て、修正をしていく。ときには、頭をかきむしりながら悩む。もちろん、すぐに答えは出ない。

生産性も求められるため、そこで悩み、試行錯誤することをやめてしまうバイヤーが多い。そうすると、当たり前の売場になってしまう。悩み、苦しみ、もがきなから考えるプロセスが重要で、それにより自らが成長し、売場が魅力的になり、店舗が良くなっていくことを肝に銘じてほしい。

いま、福島徹は何を考えているのか

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このように、福島さんは食の伝え手としてプロフェッショナルであるばかりでなく、商業家として多くの経験と知識をお持ちです。それこそ、彼自身が長年にわたり、悩み、苦しみ、もがきなから考えきたはずです。

そして、人類史に残る災厄に見舞われる今日、福島さんは何を考えているのでしょうか。彼が考え実践する、時代の捉え方とこんな環境下であっても志を実現していく上での最高の力となるものとは?

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6月4日(木)14時、そうしたテーマで福島さんにインタビューを行い、フェイスブックでライブ配信します。テーマは「いま福島徹は何を考え、何を実現したいのか!?」。食の現在に疑問を持ち、食の未来に関心を持つ方々の視聴をお待ちしています。

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